ガトー・バスク:Gateau Basque
ガトーバスクは中央にバスクカスタード(通常のカスタードクリームより少しゆるいカスタードになります)を挟みますので、直径を大きくして高さを出すには少し困難を感じます。中層のカスタードの焼き加減が非常にわかりにくいので火入れも若干気難しい焼き菓子です。バスクカスタードにゼラチンを加え焼成前に硬さを保持することで中層に同心円状にカスタードクリームを巻き、上層にも分厚いドウを巻いて乗せることが可能でした。丈高の重量感のあるガトーバスクを焼くことが出来ました。そろそろシュー・ペーストリー基本編は終了で、少しずつレベルアップしたものを焼いていきます。難易度が上がってくる分、うまく仕上がると喜びも大きくなります。
Ingredients:材料と配合組成
Whole milkは酪農牛乳(成分無調整)、Brown sugarはきび糖(Cane sugar)、Butterは北海道バター、Margarineはネオソフトを使用しています。
Ingredients for Basque Custard | Amount for φ18cm springform pan |
Whole Milk | 240 gram |
Egg Yolk (L) | 2 (40 gram) |
Brown sugar (Cane sugar) | 48 gram |
Cornstarch | 8 gram |
Matcha Milk Powder | 16 gram |
Heavy Cream | 60 gram |
Brandy (or Dark Rum) | 10 gram |
Powdered Gelatin | 15 gram(3 pack) |
Water (cold) | 75 gram |
Ingredients for Basque Dough | Amount for φ18 cm springform pan |
Butter (Salted) | 140 gram |
Margarine | 60 gram |
Brown Sugar (Cane Sugar) | 130 gram |
Almond Flour | 105 gram |
Cake Flour | 110 gram |
Bread Flour | 110 gram |
Whole Egg (L) | 2 ea. (120 gram) |
Baking Powder | 3.5 gram (1 pack) |
Vanilla Oil | a few drops |
For Egg Wash | Amount |
Whole egg beaten | 1 ea. |
Salt | a pinch |
Instructions: 調理法
<1>バスクカスタードの作製手順
最初に、15グラムのゼラチンを75グラムの冷水に溶かして1回均等に凝固させておきます(これをbloomするといいます)。使用するまで冷蔵庫で冷やしておきます。
①卵黄2個、きび糖48グラム、抹茶ミルクパウダー16グラム、コーンスターチ8グラムを中型の耐熱ボウルに入れ、クリーム状になるまで混ぜます。
②牛乳240グラムをソースパンに注ぎ、中火で一度沸騰させます。
③沸騰させた牛乳(約半分)を少しずつ抹茶クリームに注ぎ、常にホイッパーでかき混ぜながらテンパーリングします。
④均一に混ざったら、ソースパンに戻します。再び中火にかけて濃縮していきます。ホイッパーで常にかき混ぜながら抵抗が急激に高まったとこで一度火を切ります。2分位激しくかき混ぜてカスタードに熱を均等に分散させ自分の好きな粘度に調整します(今回はこの時点で硬めに仕上げます)。
⑤再び弱火にかけ、生クリーム60グラムを加え均等になるまで混ぜます。通常よりルーズなカスタードに仕上がります。
⑥カスタードを耐熱ボウルに戻し、ホイッパーで激しくかき混ぜて焼き進みしないように熱を放散させます。
⑦ バニラオイルを加えて卵臭さを消します。 味付けにブランデーを10グラム混ぜます。
⑧冷やしておいたゼラチンにもう一度熱を加え溶解し、カスタードに加えて均一になるまで混ぜます。
⑨表面にサランラップをして、冷蔵庫に少しだけ入れて焼き進みを防止します。今回はゼラチンが入っていますので2-3分で冷蔵庫から取り出し室温に放置します(冷蔵で温度があまり下がりすぎないよう注意します)。
<2>バスクドウの作製法(練りこみパイ生地)
まず、ケーキパンの底面と側面にクッキングシートを貼り付けます。オーブンを180℃に予熱しておきます。
① 1cmキューブに切断した140グラムのバター、60グラムのマーガリン、105グラムのアーモンドフラワー、130グラムのきび糖を大型ボウルに入れます。
②ペーストリーブレンダーを用いてバターの粒が米粒くらいになるまでガシガシと切るように混ぜていきます。
③220グラムの小麦粉(強力粉:薄力粉=1:1)を篩い、混ぜます。この段階から木べらで混ぜるのがもっともシンプルです(こっから電動ミキサーで一気に最後まで行こうと考えましたがやはり最後に木べらが必要です)。
④最後に全卵2個を投入し、若干クリーム状になるまで混ぜます。
⑤絞り袋に移し、1cm厚の円を中心から外側に向かって最下層の生地を敷きます。
<3>ガトーバスクの焼成
①バスクカスタードを一度ホイッパーで混ぜて均等にします。この時もしゼラチンが固まっているなら少し加温して緩めます(緩めすぎると以下の工程に進めませんので注意が必要です)。絞り袋に移します。
②中層を作りに行きますが、まず一番外側に一つバスクドウを一円描きます。次に中心から外側に向かってバスクカスタードを円を描くように絞っていきます。これが柔らかすぎると上に最上層のバスクドウを敷けません。
③バスクドウをその上から中心から外に向かって最下層と同じ要領で絞っていきます。
④少し冷蔵庫で冷やして生地を休ませたのち、上面から軽く圧排してパレットナイフで表面を平らに仕上げます。経験的に、最上層のバスクドウの厚さが薄すぎたり、表面平坦化がうまくできていないと焼いたときに割れやすくなるようです。気疲れします。
⑤少し冷蔵庫で冷やしたのち、ブラシでエッグウオシュします。そのあとフォークで適当に模様を入れます(適当すぎでした)。
⑥オーブンに入れて180℃でtotal 60分焼きました。30分位焼いたところで表面の焼き進みが出てきていましたのでアルミホイルで表面をカバーしました。中心の焼き具合が全く分からないケーキですので時々表面をプッシュしたりして状態の確認が必要です。最終的には一度爪楊枝で真ん中を刺して中央のカスタードまで十分焼けていることを確認して取り出します。
⑦室温で冷ましたのち冷蔵庫にモールドしたまま一晩入れておきます。翌日モールドを開放して出来上がりです。
上段は今回焼いた抹茶カスタードのガトーバスク、下段は以前に焼いたバニラカスタードのガトーバスクです。これ位ボリュームが得られれば物足りない気はしません。