カステラは、下図上段の右に位置するhigh ratio cakeの究極バージョンになります。使用する卵黄/卵白の個数比が逆転していますので濃厚カステラを作成しようとするほど混ぜ合わせが困難になってきます。適度の保湿は焼きあがったカステラの口どけ感を左右する決定的因子となりますので必然的に強力粉主体のレシピとなります。
上図は1Lの牛乳パックを2つ重ねて断熱壁を作成しています(V=7cm x 7cm x 33cm)。これが我が家の天板に乗せられる最大サイズになります。上面以外が即席の断熱面となります。アルミホイルは作成が簡単になるように幅が25cmのものを使用します。理論的には外面をアルミホイルで囲う分は節約してもよいと考えますが作成を簡易化するために全体に巻き付けます。まず属面に図のようにアルミホイルを1層巻いてホチキスで止めます。次に110 cm x 25cmのサイズにアルミホイルをはさみで切断し2、続いて110 cm x 12.5cmの長方形2つに2分します。両端を織り込んで幅を7cm弱に整えます。これを内側底面からかぶせ両端の正方形面もカバーします。これをもう1層して位置が移動しないようにホチキスで止めます。 次に、内側に設置するクッキングシート製の型を作ります。幅30cmのシートを使用して、6.8cm x 11.6cm x 32.8cmの直方体の型を作成します。これもホチキスで止めて作成します。牛乳パック型の内側に設置して準備完了です。
バレンタインデーも近いですので、普段あまり手を出さないチョコレートスポンジケーキの王道”ザッハトルテ”を作ってみました。”Modern French Pastry”には、”チョコレートが苦手だという者は、単に素敵なチョコレートに巡り合っていないだけだ”とある。ならばということで、”究極のストロングテイストの”大人味チョコレートケーキを”というコンセプトでホテルザッハー風のザッハトルテを作ってみました。
Strawberry Jam : When using granulated sugar, prepare a half volume (weight) of strawberries.
Sacher Chocolate Sponge Cake
Amount for φ18cm cake pan
Salted butter
210 gram
Powdered Superfine sugar
56 gram
Egg Yolk (M)
8 ea.
Dark Chocolate
210 gram
Cake Flour
125 gram
Bread Flour (Strong Flour)
60 gram
Pure Cocoa Powder
25 gram
Egg White
8 ea.
Powdered Superfine Sugar
56 gram
White Wine Vinegar
3 gram
Vanilla Oil
a few drops
Baking Trick
170C x 40 minutes plus 180C x 10 minutes
Sacher Sponge Cake : The amount (weight) of salted butter equals to that of dark chocolate, to that of total volume of flour ( cake flour, bread flour and cacao powder).
Chocolate Glaze : The volume of this recipe is just only one batch for glazing. I think it better to use 200 gram dark chocolate and adjust each amount in proportion to it respectively.
⑦メタルボウルに卵白8個分を入れ3グラムの白ワインビネガーを加えて電動ホイッパーで混ぜます。 ⑧若干soft peak気味になったところで粉砕上白糖56グラムを2回に分けて投入し、電動ミキサーで攪拌してsoft peakメレンゲに仕上げます。メレンゲの硬度をこれ以上上げると粉類との混合が困難になりますので注意が必要です。 ⑨go back methodに従いメレンゲを少量チョコ卵黄クリームに投入しスパチュラで丁寧に混ぜ合わせます。これをメレンゲボウルにもどします。丁寧にdown to up foldで均等になるよう混ぜ合わせます。この時香りの調整にバニラオイルを数滴滴下しておきます。 ⑩薄力粉125グラム、強力粉60グラム、純ココアパウダー25グラムを一度別容器に篩い、フォークで均等になるように混ぜます。塊を極力減らすためにこれをチョコレートメレンゲの上から篩います。 ⑪スパチュラで丁寧にcenter to margin & down to up foldしていきます。こんなものを本当に混ぜることが出きるのかと思える粘度ですが、丁寧に混ぜるとheavy volumeの超粘調バッターが完成します。 ⑫用意しておいたケーキ型に生地を流し込み適度に表面を整えます。この粘度では内部大きな気泡を追い出すのは困難ですが何回かトントンと机の上にケーキ型を落として気泡を追い出しておきます。170℃で40分前後焼灼したあと、竹くしで中心まで焼成できたかどうか確認(予想通り不十分です)の後、180℃で焼成10分程追加して仕上げます。 ⑬クーリングラックにおいて室温で冷めるのを待ちます。
Notice: The cocoa powder used in this recipe is not “pure cocoa powder”, coming up with ” high-bitter cocoa” commercially. Peach compote juice is previously made ( →see the section “peach compote”.)
⑦刻みニンジン250グラムを投入してホイッパーで均一になるように混ぜます。 ⑧粉類を篩い、スパチュラでホールドしていきます。常法に従い、中心から外側に向かい下方から上方に回転させながら混ぜます(center to margin, down to up fold)。篩に残った少しおきめの塊は最後に混ぜます。 ⑨焼型(18 cm springform pan)に注ぎます。なかなか熱が通りにくいですので忍耐を要します。4層分を一回で焼き上げますので火入れは工夫が必要です(4つの焼き型があるなら4等分して焼けば1個30分位で焼成できると思います)。まず180℃で約30分焼成します。この辺で表面の焼きが先行しますので、アルミホイルでふたをして170℃に落としてあとはじっくり焼きます。大体プラス50分位かかってやっとバウンスバックと串による確認で焼きあがったことが確認できました。 ⑩ケーキスライサーで4層に分割します。こういう時は便利な道具です。 クレームシャンティイ(作成法はその4を参考にしてください)をこしらえて、スポンジ→ホイップクリーム→ スポンジ→ホイップクリーム の順に積んでいき、最後にピーラーを用いて削りチョコを振りかけます。
A→Eまでの断面を観察します。A: EY: EW =0:5、B: EY: EW =1:5、 C: EY: EW =2:5、D: EY: EW =3:5、E: EY: EW =4:5と左から右へ並んでいます。D,Eは焼き時間を延長する必要があり、Eは構造強度が強く質感があるためクッキングペーパーの隙間を破って膨張したため裂けました。
サンプルCをベースにオリジナルなシフォンケーキの配合を考えました。卵黄:卵白の比率は2:5前後をチョイスします。これを軸に水分/小麦粉比(バッターの粘度とベーキングパウダーの効果に影響)、砂糖(上白糖)/小麦粉(>1(0.75)のhigh ratioに収める)に計算をして微調整します。水分比のカギになる牛乳(換水値90)の量は卵黄混合液に小麦粉を少量ずつ混合し、バッターの粘度(consistency)を見ながら少しずつ補充した結果、total 40 ml加えました(換水率からの理論値は10 ml相当です)。薄力粉の総使用量は102 g となりました。配合組成を下記に示します。今回作成したバッターをChiffon C、前回作成した基本のシフォンケーキをChiffon N, エンゼルフードケーキをChiffon Zとし、教科書的なシフォンケーキをchiffon Tとしています。C, N, Zはφ18cmのケーキパン用の用量(実測値で単位はグラム(g))で、Tは小麦粉を100とした時の配合比で示します。略号はPSS: Powdered Superfine Sugar, GS: Granulated Sugar, CT: Cream of Tartar, VO: Vegetable Oil, BP: Baking Powderです。
Ingredients
Chiffon C
Chiffon N
Chiffon Z
Chiffon T
Cake Flour
102
130
60
100
PSS (GS)
84
104
60
81 (108)
Whole Egg
143
Egg Yolk
52 (2.8 ea)
74 (4 ea)
Egg White
226 (7 ea)
173 (5 ea)
210 (5 ea)
CT
3
1.3
3
1
VO
40
52
40
Water (Milk)
(40)
(104)
80(88)
Salt
2.0
2.5
1
2
BP
4
5
4
Vanilla Oil
a few drops
a few drops
a few drops
Almond Essence
a few drops
Baking Trick
170C x 40 minutes
170C x 55 minutes
170C x 35 minutes
Blending Ratio of the Chiffon Cake C : Chiffon C → modified version (new), Chiffon N → conventional chiffon cake previously made, Chiffon Z → basic angel food cake, Chiffon T → basic chiffon cake (from text book)
シフォンケーキ作りの常法に準じますので端折ります。 ①卵黄3個分、粉砕上白糖42グラム、牛乳40グラム、キャノラオイル40グラムを耐熱ボウルに入れ、Bain-marieで混合します。 ②薄力粉102グラム、ベーキングパウダー4グラムを少しずつ篩い、ホイッパーで混ぜて安定した乳化状態にします。少し粘調ですがグルテンが析出してくるほどではないです。 ③7個分の卵白にクリームオブターター3グラムを加えて、電動ホイッパーで泡立てします。粉砕上白糖を加えstiff peakのメレンゲに仕上げます、 ④go back methodにしたがい両者を混合し、均一な生地になったら焼型に注ぎます。多すぎるようならラメキンに注いでカップケーキのように一緒に焼きます。ラメキンは170C x 20分、チューブパンの方は170C x 40分焼きます。 ⑤ラメキンのケーキは熱いうちにパレットナイフで側面をぐるっと切り離してお皿にひっくり返して抜き出します。これで焼縮みは最小限になります。チューブパンはひっくり返してマグカップの上で冷まします。
教科書的な基本のシフォンケーキの配合組成は以下の通りです。Encyclopedia of Food and health 2016: P 582より引用させていただきました。これより上白糖を用いる場合の比率はシフォンケーキで81、エンジェルフードケーキで161と概算しました。
Chiffon Cake (% Flour Weight)
Angel food Cake (% Flour Weight)
Flour
100
100
Granulated Sugar
108
215
Egg White
277
Whole Egg
143
Cream of Tartar
1
4
Oil
40
Water
80
Salt
2
1
Baking Powder
4
教科書的なシフォンケーキとエンゼルフードケーキの配合組成:Encyclopedia of Food and health 2016: P 582より引用
ここから分量をΦ18 cmサイズのシフォンケーキ専用の焼型に合わせて計算、微調整していきます。ただし卵黄/卵白=4/5(個数比)で作成しますので少し分量修正が必要になります。卵白の換水値を80、牛乳の換水値90とし、卵白重量は1個34.6グラムでしたので卵黄より1個分多い卵白は約28グラムの水分とカウントしました。下記に今回作成した標準タイプのシフォンケーキの配合組成表を示します。 ただし以下のHigh Ratio ケーキの基本公式を使用します(焼型容積率75%で概算)。
Blending Ratio of the Sample Batter : Abbreviations are as follows; EY: egg yolk, OI: oil, MI: milk, EW: eg white, CT: cream of tartar, SA; salt, PS: powdered superfine sugar, CF: cake flour, TE:; total egg yolk mixture, TM: total meringue flour mixture, TV: total volume, BT: baking time
Swiss Roll用のスポンジケーキの黄金比を前回捻出しましたが、この比率は非常にシフォンケーキの組成に酷似しています。これは単においしい生地はシフォンケーキであると肯定したにすぎません。そこでシフォンケーキの原点であるクラシックエンゼルフードケーキ(卵黄混合なし、油脂混合なし、ベーキングパウダー混合なし)から少しずつ卵黄/油脂を混合していきオリジナルなシフォンケーキの混合比とHigh ratio cake(砂糖の添加量が小麦粉に比べて相当多いケーキ)に関して極めてみたいと思います。
まず、ゼロに値するもの(卵黄なし)をまず作成してその食感を確かめる必要がありますが、これには①エンゼルフードケーキ(油脂、ベーキングパウダー混合なし)と②ホワイトスポンンジケーキ(バター(混合比 小麦の重量の約1/2)、ベーキングパウダー混合)があります。いずれも基本レシピは周知されていますが、前者はhigh ratio cake(1:2)になります。断面は両方ともピュアーな白色調ですが前者は高級食パンをさらにモフモフにした食感(今回確認)で、後者は柔らかめのスポンジケーキのような食感(以前に確認)になります。油脂(バター)を加えることでの食感の方向性は前回のSwiss roll同様で重量感と保湿感を加える方向にベクトルが向きます。油脂の方向軸は見当がつきますが、砂糖を増量(high ratio)することに対する方向軸は現時点では確認できていません。
Ingredients: 基本のエンゼルフードケーキの配合組成は以下の通りです。原本(Boston Cooking School Cook Book, 1986) では、11個の卵白とグラニュー糖を用いていますが、グラニュー糖よりも卵白に親和性のより高い上白糖(superfine sugar)をさらにミキサーで粉砕したpowdered superfine sugarで統一しました。さらに10 inch(φ25 cm)相当からφ18 cmに減量換算し、卵白重量(実測値)にあわせて焼き時間も微調整しました。 φ18 cm のシフォンケーキ専用の焼き型を使用します。
Ingredients
Amount for φ18 cm tube pan (chiffon cake pan)
Egg white (L)
5 ea (210 gram)
Cream of Tartar
3 gram
Salt
1 gram
Powdered superfine sugar
60 gram
Vanilla oil
a few drops
Almond extract
a few drops
Cake flower
60 gram
Powdered superfine sugar
60 gram
Baking time
170℃ x 35 minutes
Classic Angel Food Cake : The recipe is adjusted to a φ18 cm cake pan.
材料配合組成は下記のとおりです。上記のごとく、小麦タンパク濃度は7%に調整しました。卵はegg yolk 4個で77グラム、egg white 4個で136グラム、 total 213グラムでしたので砂糖は80グラム, 粉類(薄力粉60グラム、コーンスターチ20グラム), 牛乳20グラム、バター60グラム、塩2グラムで配合しました。 バターの略号をB(Butter)として、計算上最終的な配合比 は、E : S : F : B: L = 10.5 : 4 : 4 : 3: 1となりました。
Materials
Amount: for 26 x 26 x 2cm square pan
Egg Yolk
4 ea
Superfine Sugar
60 gram
Whole Milk for dilution liquid
20 gram
Salt
2 gram
Cake Flour
60 gram
Cornstarch
20 gram
Salted butter
60 gram
Egg White
4 ea
White Wine Vinegar
3 gram
Superfine Sugar
20 gram
Baking time
180C x 10minutes
Original Swiss Roll Batter Recipe: When it’s assumed that Egg Yolk →E, Sugar →S, Flour →F, , Butter →B, Liquid →L,, E : S : F : B: L equals to 10.5 : 4 : 4 : 3: 1.