Sponge Cakeを作る (その2); スイスロール(Swiss Roll)を極める part 1: 究極のスイスロールの生地を求める予備実験として小麦粉のタンパク濃度に注目、その他の材料の配合比と焼成時間を一律固定して作成した生地のタンパク濃度の変化に伴う断面構造の変化と折り曲げに対する強度を比較してみた。

スイスロールケーキ

ロールケーキ: Cake Roll ( Swiss Roll または Gateau Roule)

ロールケーキの正式名称(英語)はSwiss Rollで、フレンチペーストリーではGateau rouleに相当するようです。前回スポンジケーキの基本骨格の配合重量(gram)黄金比として、全卵(E)、砂糖(S)、小麦粉(F)の比率をE : S : F = 2: 1: 1 と暫定しました(これは多くの海外、国内のauthorのサイトを参照して最頻値と考えられたことを根拠としました)。ただしこれはグラニュー糖を用いた比率ですので、上白糖に置換しなおして修正黄金比は、E : S : F = 8 : 3 : 3と暫定しました。油脂の混合比もオイルであれば小麦の半分量バターでを使用するのであれば小麦の10~20%位ジェノワース相当)のように大体の混合比に落ち着いているように見て取れます。今回は油脂(オイル)の混合比を小麦の重量の半分に固定して小麦粉のタンパク(グルテン)濃度を濃い方向から低い方向に変化させて巻きやすさと食感の極値に幅寄せしてみました。人間の感覚として1%の違いははっきりと認識できない可能がありますので簡易計算できるレベルで2~3%づつ濃度を落としてみました。

Ingredients: 材料と 配合組成

配合組成は以下の通りです。以下、たんぱく濃度(protein percentage)はPPと略します。すべてgram表記です。Aが前回のスポンジケーキ(今回検証の基準点です)。まずB, Cを同じ条件で火入れできるように天板に同体積の紙型を2つ乗せ1度に焼けるように1/2の分量で作成しました。材料や混ぜ具合で差がでないように卵黄から塩を混ぜるまでの過程と卵白からメレンゲを起こすまで過程は卵3個分の分量でAと同様に1つにまとめて作成し小麦粉を加える時点で卵黄混合液を2分(約80 gramずつに2分)、メレンゲは約58 gramづつに2分して最終段階の生地を作成し紙型に注いで目立つ気泡を追い払ったあとすぐにオーブンで調理しました。使用した材料はいつもの材料です。Cake Flourは薄力粉、Bread Flourは強力粉(Topval)を示します。

A: PP=11.2B: PP=9.3%C: PP=6.2%
Egg Yolk31.51.5
Superfine Sugar402020
Vegetable Oil301515
Whole Milk301515
Salt211
Cake Flour303020
Bread Flour3000
Cornstarch0010
Egg White31.51.5
White Wine vinegar6drops33
Superfine Sugar201010
Baking time170C x 22min180C x 10min180C x 10min
D: PP=11.2% E: PP=3.1%
Egg Yolk 1.51.5
Superfine Sugar 2020
Vegetable Oil 1515
Whole Milk 1515
Salt 1.51.5
Cake Flour 1510
Bread Flour 150
Cornstarch 020
Egg White 1.51.5
White Wine Vinegar 33
Superfine Sugar 1010
Baking time 180C x 10min 180C x 10min
Ingredients are shown in the figures above. The concentration of protein has been adjusted into 9.3% in B, 6.2% in C, 11.2% in D, and 3.1% in E, individually. All cakes were treated in the same way and condition through cooking. I assumed that the best concentration would exist in between 6 and 7 percent. Considering that, upper limit in 11.3%, and lower limit in 3.1% are selected for the extreme value.

バイオレット、スーパーバイオレットのタンパク濃度を考慮した上で、B-Cの間に理想的なタンパク濃度があると推定していますので両極限としてAと同じPPのものD(PP=11.3%)とCをさらにコーンスターチで希釈したものE (PP=3.1%)をB,Cと同じ条件で作成し仮に上方極限、下方極限値と仮定して比較サンプルのロールケーキの生地を4種類作成しました。

Procedure: 手順

紙型は、14.5 cm x 24 cm x 3 cmを2つ作成しホッチキスで止めて合体させました。これで2種類の生地に対してほぼ同じ条件で火入れすることができます。オーブンは180℃で予熱し、生地を注いですぐに焼き工程にはいりました。生地作成方法は別立て法で、いつもの通りseparation forming methodに従いメレンゲを作成し、最終段階で卵黄混合液とメレンゲを混合しました。foldの回数はきちんと混合されたと確認できる最低限の回数(ほぼ30回)に限定しました。

簡単に工程を説明しますと
Bain-Marieで、耐熱ボウルに卵黄3個(B+C=58グラム, D+E=61グラム)に上白糖40グラム、キャノラオイル30グラム、牛乳(酪農牛乳)30グラム、塩2グラムを投入し砂糖が解けて全体がスムースになるまでフラワーホイッパーで攪拌、火から離します。
②ホイッパーで卵黄混合液がクリーム状でやや蒼白調になるまで攪拌します。
③ここで卵黄混合液を均等に2分します。ほぼ80グラムずつになります。
④それぞれの小麦粉分量相当を振るってスパチュラで混合し安定した乳化状態にしておいておきます。
⑤卵白をメタルボウルに投入し白ワインビネガーを3グラム注ぎ、電動ホイッパーで低速で泡立てします。3分ぐらいでsoft peakに到達しますので、ここで砂糖20グラムを全量投入し高速で泡立てstiff peakで完成です。
⑥メレンゲと卵黄混合液を混和し約30回スパチュラで混ぜて生地完成としました。
⑦完成後、即座に型に注ぎオーブン焼きします。

作業工程 B-C
The pictures show the sequence of making the batter of B and C.
作業工程 D-E
The pictures depict the sequence of making the batter of D and E.

B, C, D. Eすべて180℃ X 10分加熱し目視でいわゆる” golden brown”といわれる最適な焼き加減に到達したことを確認しました。タンパク(グルテン)濃度の差(11.3~3.1%)に対して、焼き時間はほとんど依存しない形で終了しています。左上段 PP=9.3%、 左下段6.2%、右上段11.2%、右下段3.1%。

記事と焼きあがり
Both of them receive oven-baking at 180C for 10minutes. Pre and post-baking batter has shown alternately. In the left picture, 9.3% PP batter is on the upper, and 6.2% PP on the lower. In the right picture, 11.2% batter is on the upper, and 3.1% on the lower.

焼きあがったケーキの表面と断面を見てみますと表面はタンパク濃度が低いほうが濃い色調に焼きあがっています。裏面のシートのはがしやすさはタンパク濃度が低いほど楽で高いと表面が一緒に剥がれます。断面はタンパク濃度が低いほど蜂巣構造(スポンジ)が荒く、一つ一つが大きくなってきています。左端PP=11.2%、左中央9.3%、右中央6.2%、右端3.1%。

生地の構造の変化
The cross sectional image reveals that the lower is the protein percentage of batter, the more brown-colored it has baked. Conversely, honey comb pattern is more rough and more remarkable of the lower percentage of protein. The baking sheet can be easily removed of the lower percentage of protein.

巻きに対する柔軟性は11.3%でも3.1%でもそれほど困難な感じはなく90度折り曲げに対しても即ひびが入るような印象はありませんでした。火入れを温度180度に上げ焼き時間を10分に短縮したことで、表面が早く焼けることによる生地の内部の水分蒸発とタンパク質の変性が抑えられた結果と考えられました(ステーキ焼くのと同じですね)。

生地の弾力性
All sponge cakes are durable against bending at a right angle. No intimidation is felt.

ロールケーキ用の生地は基本組成は普通の台座のスポンジケーキとほぼ同じですから、以上の結果から高温での短時間調理(180℃ X 10分前後)が必須のbaking trickであると再認識しました。ロールケーキにもいろいろな焼き方のレシピがありますが、再現性や簡便性を考えたうえで180℃ x 数分というのは公式化していいのではないかと考えました。

Swiss Roll 焼き時間の公式: 

180℃ x 数分(表面がgolden brownになるまで)
               目安10分前後

次に食感ですが、ふわふわ感はタンパク濃度が下がるほど感じられますがそれとともになにか物足りなさというか重量感(ずしっと来る歯ごたえ)は失われていきます(日ごろ私がプロテインを愛用しているせいかもしれません?)。6%前後まで下がるとなにか一味足りない感じがします。フィリング(中の詰め物)が加わると食感は変わりますが、グルテン含量が下がると今一つ物足りなさを感じてきます。

断面の構造を見てみますと、濃度が下がるほど蜂巣構造が荒くなってきています。見た目は6%位が最も美しいように感じます。3%濃度ではやはり巻きに対して脆弱さがあり巻き目の下段部位が冷蔵庫にいれておいた間に裂け目が入っていました。たんぱく3%はだれでも初回で簡単に巻けるという点では除外項目に入るようです。下図で左上はタンパク11.2%(これも見方によっては美しい)、右上が9.3%(若干メレンゲ の量が少なめだったかも)、左下が6.2%(蜂巣構造は最も美しい)、右下が3.1%(ここまでくるとスカスカに見える)になります。

スイスロールの断面
Here show the cut surfaces of various types of Swiss rolls (left upper: 11.2% PP, right upper: 9.3% PP, left lower: 6.2% PP, right lower 3.1% PP). According to decreasing in the percentage of protein, the honey comb pattern gets widen and clear, as you can see.

以上から、見た目と巻きやすさはタンパク6-7%位、味と巻きやすさはタンパク9-10%位と今回は結論しました。次回この6%生地の見た目の美しさに旨さを加えることを考え、オイルをバターに置換して工夫してみます。ということで次回はSwiss Roll part2です。

タンパク濃度の違うスイスロール
I figured that the sponge cake of 9.3%PP has good texture, but instagrammable is the cake of 6.2%PP. I’ll try to add the chewy and rich in flavor to the sponge cake of 6.2%PP in the next corner.

Sponge Cake を作る (その1); 基本のスポンジケーキを作る: 美味しいスポンジケーキの配合組成を考えるにあたり、まず等温不可逆過程における卵白の泡起性と水蒸気圧によるスポンジケーキの膨張性変化、配合組成の関係から探って黄金比決定の足掛かりを作る。

sponge cake tower

基本のスポンジケーキ : Basic Sponge Cake

スポンジケーキは全てのケーキの土台となる基本ですが、これが美味しいかどうかにより出来上がり作品に大きく影響しますので、妥協のできない重要なアイテムです。トッピングやフィリングとの相性を考えつつ、いかにして、口溶けの良い、美味しいものを持ってくるかと常に悩むところでもあります。という事で、今回から美味いスポンジケーキを作る方法を探っていきたいと思います。自由度の高い配合組成を追求して行きます。

まずはスポンジケーキの基本組成から根本的に考えます。スポンジケーキは、卵、小麦粉、砂糖を攪拌ー混合することにより出来上がる生地(batter : バッター)を加熱調理することにより形成されるスポンジ状の焼き菓子で、その生成に卵の起泡性を利用して得られた空気の熱膨張と水蒸気圧を利用します。スポンジケーキの材料で泡気性を示すものは卵白のみでありその他は全て気泡維持を抑制する方向に作用するはずですので適切な混合比が存在するはずです。いろんなサイトで汎用スポンジケーキのレシピを散見しますと、ほとんどは重量比で卵(E):小麦粉(F):砂糖(S)=1:1:1〜2:1:1くらいの範囲に収まっていてよほど変則的な作品でない限り小麦粉(F)と砂糖(S)の分量は同じで、卵(E)の分量をこれに対して増やすかどうか程度のアレンジに留まっている様です(ただし卵黄、卵白の配合分量は様々です)。これに油脂としてBatter(バター)を加えることでほとんどのauthorは口どけが良くなると表現されていて卵の重量の10-30%程度のバターを加えたバタースポンジケーキに仕上げている様に伺います。美味しいスポンジケーキというサブタイトルで色々サイトアップしてある中で最も頻繁に見る配合比は、E:F:S:B = 10 : 5 : 5 : 2前後のジェノワーズスポンジケーキを踏襲した配合でこれに保湿のための水分としてミルクや生クリームなどを加えたものである様でした。そこで恐らく流行の美味しいスポンジケーキの配合黄金比は、E : F : S : B =10: 5 : 5 : 2と考えて良いのだろうと考えました。ジェノワーズを踏襲しているのでバターの比率が低いのだろうと推定しましたが、シフォンケーキでオイルを置換する際に最初の投稿記事で油脂の含量比を5くらいにまで引き上げると口溶けと香ばしさが圧倒的に良くなることは経験していますのでベーキングパウダーを加えてバターの含量比を小麦粉の60〜100%位まで上昇させてみても良いのかなとも考えました。ちなみにE : F : S : B = 1 : 1 : 1: 1に組成配合したものの代表格がビクトリアスポンジケーキです。今回は材料配合の基本骨格の黄金比を公式化する?を考えてみました。

基本骨格となる黄金比を利用してロールケーキ(Swiss Roll)用の角形のスポンジケーキを焼いてみました。

Ingredients: 材料と配合組成

材料はいつもの使用しているものです。小麦粉はplain flour (薄力粉:強力粉=1:1のブレンド)で統一しました。卵の総量が約165gramでしたのでグラニュー糖換算で約82gramの糖を加えることになりますが上白糖換算で60gramに減量できますので、小麦粉=上白糖=60 gramとしました。油脂はキャノラオイルを30gram使用し水分調整に牛乳(酪農牛乳)30 gramを加えシンプルで綺麗な比率での配合組成に設定しました。

VanillaChocolate
Egg Yolk (M)33
Superfine Sugar40 gram40 gram
Whole Milk30 gram30 gram
Vegetable Oil30 gram30 gram
Dark Chocolate12 gram
Salt2 gram2 gram
Vanilla Oilany you wantany you want
Cacao Powder12gram
Plain Flor60 gram48 gram
Egg White (M)3 3
White Wine Vinegar3 gram3 gram
Superfine Sugar20 gram20 gram

Procedure: 手順

①クッキングシートから26 cm x 26 cm x 2 cmサイズの正方形の底面を持つ紙型を作成します。オーブンを170℃で予熱しておきます。
②冷蔵庫に冷やしておいた全卵を卵黄と卵白に分け、卵白は出番まで冷蔵庫に冷やしておきます。先に60グラムのplain flour(薄力粉:強力粉=1:1混合)を振るっておきます。カカオパウダーを加える場合はカカオパウダーを12グラム、その分plain flourを減らして48グラム混合して前もって別容器に振るっておきます。
③卵黄3個分(約60グラム)、上白糖60グラム、常温の牛乳30グラム、塩2グラムを中型耐熱ボウルに入れBain-marieでフラワーホイッパーを用いて攪拌します。
④卵黄混合液に30グラムのキャノラオイルとバニラオイルを数滴加えて十分に混ぜます。ダークチョコレートを生地に混ぜたい場合はキャノラオイルに12グラムのダークチョコレート(カカオパウダーと同量)を混ぜて湯煎で溶かして混ぜに行きます。
⑤メレンゲ混合時のロスを最小限にするため、ここで小麦粉(または小麦粉ーカカオパウダー)を篩って卵黄混合液に混ぜに行きます。乳化を安定した状態にしておいて次のメレンゲ作成に移ります。

procedure1
Pictures of upper row : for chocolate sponge cake, lower row: for vanilla sponge cake
① Make a square-shaped paper mold which has 26 cm x 26 cm x 2 cm (hight) in size with using a cooking paper. Preheat the oven up to 170C. ② Prepare cold eggs chilled in a fridge. Separate egg yolks from egg whites. In advance, shift 60 gram plain flour in a bowl. If applying cacao powder, mix 12gram cacao powder and 48 gram plain flour. ③ Place 3 egg yolks and 60 gram superfine sugar, 2 gram salt in a middle bowl over the saucepan with simmering water ( Bain-marie), and beat until the sugar is completely dissolved. ④ Remove from heat. Add 30 gram vegetable oil (Canola) and a few drops of vanilla oil and mix well. If mixing dark chocolate, melt 12 gram chocolate into the vegetable oil in a double boiler. ⑤Sieve the flour over the egg yolk mixture and whisk until well incorporated to get stable in emulsion.


⑥メレンゲはseparation forming methodで泡立てします。 メタルボウルに卵白3個分(約120グラム)に白ワインビネガーを3グラムほど混ぜ、電動ホイッパーで低速でsoft peakまで攪拌します。残りの1/3量にあたる30グラムの上白糖を2回分に分けてメレンゲに加えながら中速~高速で電動ホイップします。stiff peakに到達した時点で完成です。

procedure02
⑥ According to the separation forming method, pour 3 egg whites and 3 gram white wine vinegar into a metal bowl. Electric-whisk at low speed until soft peak form. Gradually adding 30 gram sugar in 2 batches, continue to electric-whisk until stiff peak form.

⑦go back methodでメレンゲと卵黄混合液を混ぜていきます。最初の1/3量のメレンゲを卵黄混合液に投入し十分にスパチュラで混ぜます。次にメタルボウルのメレンゲに全量戻して丁寧にスパチュラで均等になるまで混ぜます。
⑧天板に紙型を置き、生地を流し込みます。何回か天板を軽く小突いて大きな気泡を追い払っておきます。表面が落ち着いたら直ちに170℃で25分ほどオーブン焼きして完成です。

prodedure03
⑦Following go back method, dump 1/3 volume meringue into the egg yolk mixture and fold it until well incorporated. Then, return it to the meringue in a metal bowl, and gently fold evenly. ⑧ Set the paper mold on a cooking plate and pour the batter into it. Flip it several times to remove large bubbles. Immediately oven-bake at 170C for about 25 minutes.

この作成法では問題点が生じました。香ばしさは問題ないですが仕上がりの生地が硬すぎです(保湿の問題もある様でした)。慎重にタオルを用いて筒型をつけようとしてもヒビが入るレベルのでしたのでロールケーキの生地としては不合格です。焼く前の生地の水分量は適度だと思えましたが、焼きあがったものはパサつき感がありましたので次回この問題点を克服に行きます。問題点を改善するには、①火入れの温度を180~190℃に上げて短時間(半分の10分前後)で焼き上げることで水分の蒸発を減少させる。②小麦粉のタンパク濃度を6%台(バイオレット相当)まで段階的に落とすことを試みる予定です。割れずに誰でも簡単にきれいに巻ける美味しい生地の公式を導きに行きたいと思います。

sponge cake fv
Here is the final version shown. The left picture corresponds to the chocolate sponge cake, right does to the vanilla (plain) sponge cake, respectively. They’re well done, but a little bit firm to make a roll. I figured it’ll require lowering the protein concentration to add cornstarch and shortening the baking time to expose higher temperature.

ということで今回はタワー状に2種類のスポンジケーキを積み上げてみました(単に建設中のマンションが目線に入ったせいです)。中央にはクレームシャンティを用いて、バナナとキウイの薄切りの抱き合わせをフィリングに使いました。生地の接着には冷蔵庫に転がっていたアプリコットジャムを使用しました。なかなか面白い味に仕上がりました。

sponge cake tower
The sponge cake towering.



Tiramisu Charlotte Cake を作る; この1品シリーズ(その2): マスカルポーネクリームを用いたティラミスのドームケーキバージョンとなるのがティラミスシャルロットケーキ。レディーフィンガースポンジケーキの調理法とドームの組み合わせ方について。

ティラミス

ティラミス シャルロットケーキ: Tiramisu Charlotte Cake
レディーフィンガースポンジケーキ: Lady-Finger Sponge Cake
マスカルポーネクリーム: Mascarpone Cream

レディーフィンガースポンジケーキの味付に、ティラミスシロップとして3shotsのストロングコーヒーとダークラムを混合したものを使用してみました。がっつり苦味の効いた大人味のティラミスケーキに仕上がりました。ティラミスに用いるマスカルポーネクリームには、溶き卵黄とメレンゲを混合しますので、卵黄に砂糖を溶かす際(Bain-marie)に卵黄の温度が70℃以上になるまで必ず加熱します。ここが、唯一加熱処理のやりにくい工程ですが、これ以外は難しい作業工程はありませので工夫次第でいろんなバリエーションのものを作ることができます。知名度に比べて難易度は高くありませんので初心者でも安心してチャレンジできる題材です。

Ingredients: 材料と配合組成

For Lady-finger Sponge cakesFor φ 18 cm cake pan
Egg yolk (L)5
Superfine sugar45 gram
Egg White (L)5
White wine vinegar1 Tsp (3 gram)
Superfine sugar45 gram
Cake flour90 gram
Salt1 gram
Powdered SugarFor dusting
For Mascarpone Cream
Egg yolk (L)3
Superfine sugar30 gram
Vanilla Oila few drops (any you want)
Mascarpone Cheese2 pack (228 gram)
Egg white3
Cream of tartar2 gram
Superfine sugar25 gram
Salt1 gram
For Tiramisu Syrup
Strong coffee or Espresso (instant)24 gram
Superfine sugar18 gram
Hot water90 gram
Dark rum2 Tbsp (30 gram)
For Dusting
70% cacao powderany you want
For Filling and Nappage
Fresh Strawberry1 pack (250 gram)
Water50 gram
Superfine sugar50 gram
Pectin4 gram
Tiramisu Charlotte Cake :

Instructions: 調理法

レディーフィンガースポンジケーキのレシピ : Making Lady-fingers Sponge Cake

(1)全卵を卵黄と卵白に分けます。卵白は別容器に移し出番まで冷蔵庫で冷やしておきます。φ18cm springform型ケーキパンの内側面にクッキングシートを貼ります。
(2)卵黄を耐熱ボウル大に入れて砂糖を分量加えますBain-Marieで砂糖を溶かします(ここでは70℃に加熱する必要ありませんので人肌位まで温度が上昇(=砂糖が十分溶け込んで卵黄がスムースな混ぜ加減になる状態)したら熱から離します。バルーン(フラワー)ホイッパーで卵黄がクリーミーで少し蒼白調になるまで溶きます。ここでバニラオイルで香りを加えておきます。
(3)卵白をメタルボウルに投入し、白ワインビネガーを加えてます。電動ホイッパーを用いてLow-speedでsoft peakまでメレンゲを起こします。砂糖を2回くらいに分けて間欠的に投入しながらstiff peakまで持っていきます。
(4)1/3ほどのメレンゲ をまず卵黄クリームに馴染ませます。スパチュラ(またはゴムベラ)で十分に混ぜます。

工程1
①Separate egg yolks from egg whites. Place 5 egg yolks and 45 gram superfine sugar into a medium bowl over a saucepan with simmering water ( the double boiler) . When the sugar is completely dissolved, remove the egg yolk mixture from heat. ②Place 5 egg whites and 3 gram white wine vinegar into a metal bowl, and electric-whisk until soft peak form. Gradually adding 45 gram sugar in 2 batches, electric-whisk until stiff peak form. ③Dump 1/3 volume of meringue into the egg yolk mixture, and fold it with a spatula until well incorporated.

(5)Go back methodに従い、卵黄ーメレンゲ生地をメタルボウルのメレンゲに全部戻します。down to up foldで丁寧に混ぜます。
(6)薄力粉を上から篩います。
(7)切るようなイメージで中心から外側に向かってfoldしていきます。
(8)ダマがないように均等に混ざったら生地は完成です。

工程2
⑤ According to go-back method, return the egg yolk-meringue mixture into the meringue in the metal bowl. Fold it gently. ⑥Shift 90 gram cake flour over the batter. ⑦ Fold it from center to margin by down to up fold technique. ⑧ The batter is done when it gets smooth and no grainy.

(9)生地を絞り袋に入れます。そろそろ、オーブンを180℃に予熱しておきます。
(10)クッキンングペーパーにφ17cmの円をマークします。裏返しにして天板の上に敷きます。
(12)絞り袋の先端を1cmくらいの幅でカットして中心から渦巻く円を描くように絞っていきます(先端チップは無くても問題ありません)。これは底蓋となるスポンジケーキです。
(13)パウダーシュガーを適量振りかけます。オーブンで180℃ X 8-10分焼きます。

工程3
⑨Transfer the dough into a pastry bag. ⑩Draw a circle on a parchment paper and place the paper on a cooking plate. ⑪ Cut the corner of the pastry bag, and pipe a circle with 1 cm width from the center to the margin. ⑫ Dust powder sugar appropriately. ⑬Oven-bake at 180C for about 8 to 10 minutes.

(14)6cm x 25cmサイズの長方形をマークして、ここに下図のように絞っていきます。これは側面の壁と内部に入れるスポンジケーキになります。
(15)焼き上がりは下図のようになります。底蓋、壁面、内部充填用の3種類を焼きます。
(16)用意しておいたφ18cmのケーキパンにまず側面の壁を配置します。次に底蓋のスポンジケーキをハサミでトリミングして丁度に底面にはめ込みます。

工程4
⑭ Pipe φ1 cm x 6 cm sized lines side by side in the 25 x 6 cm rectangle written on the parchment paper as shown in the picture. Dust powdered sugar appropriately. ⑮ Oven-bake 3 types of lady fingers sponge cake successively at 180C for 8 to 10 minutes. ⑯ Chill it at room temperature on a cooling rack. Then, to create the charlotte dome inside the cake pan, place rectangle-sized lady fingers along the lateral wall at first. Trim the round-shaped lady fingers with a scissor and put it together on the bottom as just fit to the lateral wall.

マスカルポーネクリームのレシピ : Making Mascarpone Cream

(1)卵を卵黄と卵白に分けます。卵白は冷蔵庫で冷やしておきます。マスカルポーネチーズを室温で柔らかくしておきます。大型耐熱ボウルに卵黄と砂糖を投入してBain-marieで混ぜます。マスカルポーネクリームはこの過程以外では火入れをしませんのでこの時十分に加熱します。
(2)スクランブルエッグにならない様に適当にかき混ぜながら、鍋蓋を耐熱ボウルに被せて温度計が70℃を超えるまで加熱します。
(3)すぐに火から離し、焼きが進まない様にガンガンかき混ぜます。マスカルポーネチーズを1パックずつ加えてスムーズになるまで十分に混ぜます。

工程5
① Place 3 egg yolks and 30 gram sugar into a large bowl over the double boiler. Place mascarpone cheese at room temperature and soften it. ② Cook the egg yolk mixture with stirring until temperature reaches 70C at least. ③Immediately remove from heat and whisk the mixture vigorously to prevent overcooked. Add 2 cups of mascarpone cheese and mix well until smooth.

(4)卵白を取り出してメタルボウルに入れ、クリームオブターターを加えます。電動ホイッパーでsoft peakまでメレンゲ を泡立てます。その後砂糖を加えてfirm peakまで泡立てします。
(5)少しずつメレンゲを卵黄ーマスカルポーネミックスに加えながら丁寧にスパチュラで混ぜていきます。
(6)均一でスムーズになったら完成です。

工程6
④ Place egg whits and 2 gram cream of tartar into a metal bowl. Electric-whisk until soft peak form. Then add sugar and continue to whisk until firm peak form. ⑤ Gradually mix the meringue into the egg yolk-mascarpone mixture, and fold it gently. ⑥ The mascarpone cream has done when it gets smooth and even.

ティラミスシロップのレシピ : Preparing Tiramisu syrup

(1)市販のインスタントコーヒーをお湯に完全に溶かします。エスプレッソコーヒーが最適だと思いますが、最近はエスプレッソのインスタントコーヒーをスーパーで見つけるのは大変ですので、濃厚テイストと表記されているもので代用します。飲むのに適した濃さだとマスカルポーネクリームに味負けしてしまいますのでここは強い味付けがお勧めです(2 shots以上)。
(2)ダークラムを加えます。相性の良い酒類としてはコーヒーリキュール(カルーア(KAHLUA))などがお勧めですが、アルコールを加えるのは大人味にするためだけの理由ですので不必要な工程です(オプション工程ですので無視してくださいね)。

工程7
①Dissolve 24 gram instant coffee and 18 gram superfine sugar in 90 gram hot water, that approximately corresponds to 3 shots. ② Add 30gram dark rum ( optionally) and mix well..

Assembling : 組み立て

*マスカルポーネクリームを注ぐ前に、ケーキパンの下半分をラップで包んで輪ゴムで止めます。これをやっておかないとsprigform型のケーキパンの場合は漏れ出てくることがありますので注意が必要です。

(1)完成したシャルロットドームの中にマスカルポーネクリームを1cmくらい敷きます。
(2)充填用の細長いレディーフィンガースポンジをティラミスシロップにつけます。折れない程度に吸水させて、好きな形にしていきます。敷き方によってケーキカットした際の断面の感じが変わりますのでいろんな方向に敷いてみます。
(3)1層敷き終わったら、マスカルポーネクリームを入れます。これをマスカルポーネクリームを使い果たすまで繰り返します。
(4)冷蔵庫に6時間以上(出来れば一晩)寝かしておきます。

工程8
Before pouring the mascarpone cream, plastic-wrap the lower half of the cake pan and bind it with a rubber ring to prevent the cream from leaking out. ① Pour the mascarpone cream into the Charlotte dome in about 1cm depth. ② Rinse the lady-finger sponge cake into the Tiramisu syrup and place it on the surface as you like.. ③ Pour the mascarpone cream again and place the rinsed sponge cake as you like. Repeat that until the mascarpone cream is exhausted. ④ Chill it in a fridge overnight.

(5)冷蔵庫から取り出してココアパウダーを表面に篩います。
(6)ここで終了しても良いですが色調が寂しいですので苺を1pack載せます。
(7)このまま食べても良いですが、少しだけナパージュ等を塗って味付けと見栄えをよくします。単シロップでも、アプリコットジャムでも何でも自由に塗ります。これで完成です。

完成品
⑤ Dust 70% cacao powder over top. ⑥Place fresh strawberries as you like. If needed, apply a nappage liquid or apricot jam.

インスタ映えを狙うなら、ナパージュ濃いめに苺を薄くスライスしてフィボナッチ数列状に配列させると綺麗かもしれませんね。

クッキングシートの貼り方:

クッキングシートにコンパスでケーキパン(モールド)と同じ直径の円を描いて底板用の紙型を作ります。次にモールドの高さ(大体5-6cmくらい)x{直径x3.14}サイズの長方形の紙型を作ります(マジックで作図して単にはさみで切るだけです)。次にモールドの内側面にマーガリン(またはバター、クッキングスプレーなどでもOK)を塗って作成した紙型を貼り付けます。これで焼型の準備完了です。スフレチーズケーキなどを焼くときはケーキの丈がかなり伸びてきますので側面の高さは10cmくらいで作成します。市販のシートがありますので通販で購入可能です。最初はこれを使用したほうが楽かもしれません。





カステラ : Castella Sponge Cakeを作る

チョコ&苺ワインカステラ

Chocolate / Strawberry Wine Castella Sponge Cake (チョコ/苺ワインカステラ)を作ってみました。

牛乳パックで作成したカスタムの長方形の焼型を利用して33cm x 6.8cm x 8cmサイズの大型のカステラを焼いてみました。家庭用オーブンに入る最大サイズのカステラです。カステラを作る際は、卵黄:卵白=5個 : 4個 〜 5個 :3個くらいの比率にしますが卵白の量が少なくなるほど小麦粉との混ぜ合わせが困難となってきます。シフォンケーキの対極となる混合比となります。生地をしっとりとした状態に焼き上げることができるかどうかがキモですので小麦粉は吸水性の高い強力粉のみを使用しています。家庭用オーブンを用いて専用の道具不要で、簡単にカステラを焼くことができました。

チョコレートカステラ
Chocolate Castella Sponge Cake
苺ワインカステラ
Strawberry Wine Castella Sponge Cake

Ingredients: 材料

IngredientsChocolate CastellaStrawberry Wine Castella
Coffee Sugar Crystal (crushed)4Tsp (20gram)4Tsp (20gram)
Egg Yolk (L)5 (100gram)5 (100gram)
Superfine sugar65gram65gram
Syrup45gram (Cake Syrup)45gram (Cake Syrup)
Fluid for dilution45gram (hot milk)45gram (Warm Strawberry Wine)
Bread Flour130gram150gram
70% Cocoa Powder30gram
Egg White (L)4(160gram)4(160gram)
White Wine Vinegar2〜3gram2〜3gram
Superfine Sugar120gram90gram
Dark chocolate20gram
Vegetable Oil20gram
Food Coloring (red)3 attached spoon

Recipe:レシピ

1.カスタムの直方体の焼型の作成方法です。

必要な材料は1Lの牛乳パック2本とアルミホイル、クッキングシートです。
①クッキングシートにマジックで底面33×6.8cm、高さ11.6cmの直方体の型を作図します。左右側面となる11.6cmのラインをハサミで切ります。ホッチキスで止めて直方体の紙型を作成します。
②1L牛乳パックの長方形面と正方形面のそれぞれ一面だけをハサミで切断し2つを重ねて合わせて最大長33cmになるように組みます。その位置でホッチキスでガッチリ止めます。
③アルミホイルで牛乳パックの型を2重に覆い、剥がれないようにこれもホッチキスで止めます。紙型を内側に入れて完成です。

牛乳パック焼型
Preparing a 33cm original baking pan: ①Draw lines on a cooking paper to make 33cm x 6.8cm x 11.6 cm rectangular prism. Use a cooking paper of 30cm width that makes it easy to mark 11.6 cm and further 6.8cm. Cut lines as shown in the upper-middle picture, and staple the paper to create a rectangular paper mold. ② Cut a 1L sized milk pack as shown in the lower-left picture and put it together in the longitudinal size of 33cm. Staple it and carefully wrap double with aluminum foil overlapped. ③Place the paper mold in the aluminum-foiled mold.

2. ザラメの敷き方

 ザラメにはコーヒーシュガー(Coffee Sugar Crystal)を用います。ただし原品のまま敷いて焼くとゴツゴツと舌触りが悪くなるので一度ミキサーで粉砕して下図のように細粒にして均等に敷きます。焼くとこれで丁度いいくらいのザラメができます。

コーヒーシュガー
Preparing crystal sugar: Place 20gram coffee sugar crystal (per one mold) in a mixer bowl and crush adequately into the powdered. Sprinkle it in the mold evenly.

2. カステラスポンジケーキのレシピ : Making Castella Sponge cake

使用する材料は近所のスーパーで簡単に揃ういつもの製品(材料1)です。チョコレートはガーナブラックを使用しました。
①卵を卵黄と卵白に分け、フラワーホイッパーを用いて卵黄5個と砂糖65gramをBain-marieで十分に混ざり合わせます。卵白は使用するまで冷蔵庫に冷やしておきます。
②次に卵白を4個分取り出し、白ワインビネガーを加えます。電動ホイッパーを用いて、Separation forming methodに従いメレンゲをsoft peakまで泡立てします。その後で、3回分くらいに分けて砂糖を加えながらstiff peakまで仕上げます。
③出来上がったメレンゲの1/3ほどを①で仕上げた溶き卵に加えて十分に混ぜ合わせます。

カステラ生地 No1
① Separate whole egg into egg yolk and egg white. Place 5 egg yolks and 65 gram sugar into a middle bowl over the double boiler. Whisk it evenly until sugar is completely dissolved. ② Place 4 egg whites into a metal bowl and add 1tsp white wine vinegar. Electric-whisk until the soft peak form. Gradually adding sugar in 3 batches, continue to electric-whisk until the stiff peak form. ③ According to the go-back method, dump 1/3 volume of the meringue into the egg yolk mixture and fold it until well incorporated.

④これを全部メタリックボウルに返します(go back method)。down to up foldでメレンゲのlossが最小限になるよう丁寧に混ぜます。このとき必要ならバニラオイルを数滴加えます。
強力粉(ココアパウダーを使う際はここでいっしょに)を一度篩にかけます。ココアパウダーを加えるときは篩った粉をフォークで念入りにかき混ぜて均等な色調になるようにします。ダマににならないようここで十分にかき混ぜたほうがいいです。
⑥④で仕上げた生地に篩った強力粉をもう一度上から篩います。スパチュラで混ぜてだいたい均等にします。

カステラ生地 No2
④ Get the meringue-egg yolk mixture back into the metal bowl, and fold it gently until well incorporated. ⑤ In advance, sieve strong flour and cocoa power in a bowl and stir sufficiently not to become chunky. ⑥ Sieve the mixed flour over the batter and fold evenly.

⑦ダークチョコレートとキャノラオイルを混合し、湯煎で溶かして生地に混ぜます。

チョコレート
⑦ Place 20gram dark chocolate and 20gram vegetable oil in a measuring cup and warm it on a hot bath until the chocolate is completely melted. Pour it into the batter and mix well.

⑧焼型に注ぎます。たくさん気泡が出てきますので何回かトントンと軽く底面を小突いたのち、楊枝で大きな表面の気泡を潰しておきます。
⑨表面がきれいになったところでオーブン焼きします。170度で15分上面に焼きを入れたのち、アルミホイルで表面をカバーして160度で50分ほど全体を焼きます。焼き過ぎてしっとり感がなくなると元も子もありませんので焼き過ぎしないよう注意が必要です。爪楊枝で刺してみて少し水気が残る位が最適な火入れです。
⑩クーリングラックに置いて室温で冷やしますが焼きが進まないようにすぐにアルミフォイルを巻いた外側の焼型から抜きます。ラップが出来る程に温度が下がったところで紙型の上からグルグルまきにラップして冷蔵庫に一晩置きます。翌朝には丁度いいしっとり感に仕上がっているはずです。

カステラ生地 No3
⑧ Pour the batter into the mold. Then flip the mold several times to remove air bubbles. ⑨ After the surface gets silent, oven-bake at 170C for 15 minutes. Then covered with aluminum foil on top, additionally bake at 160C for about 45 minutes. Do not over-bake. ⑩ Cool it at room temperature on a cooling rack, and plastic-wrap the castella tightly to chill it in a fridge overnight.

☆シロップとシロップの希釈液=total 90mlをそのままメープルシロップ90mlで置き換えると美味しいメープルカステラを作る事もできます.これも是非試してみてください。



*Go Back Methodとは

一般に”捨てメレンゲ”とも呼ばれています。メレンゲと卵黄ベースの生地を混ぜ合わせる際にまず、前もって作成したメレンゲ全体量の1/3を卵黄を攪拌して作った方の生地に投入し十分に混ぜ合わせた後、このメレンゲが十分馴染んだメレンゲー卵黄混合生地を残ったメレンゲに全量返して混ぜ合わせる手法です。最初に混ぜる1/3のメレンゲ が犠牲になる様なイメージがあるため”捨てメレンゲ”と呼称されている様です。メレンゲに対しては、卵黄をはじめとした油脂を含むもの、粉類、砂糖ですら実際のところ、メレンゲ を縮小させる方向に働きますので対極にある2物をいきなり混合するとせっかく作成したメレンゲが台無しになる可能性があります。これを最小限に抑える目的で橋渡しの役目を果たしてくれる中間媒体を作成します。捨てメレンゲをしっかり利用して混合しやすい中間媒体を作成したほうがいいですので、躊躇せずしっかり混ぜ合わせましょう。


Apple Cake(アップルケーキ)を作る

アップルケーキ断面

Apple Cake with Apple Caramel Flake Filling を作る。

年末に小ぶりのリンゴを沢山頂きましたので、これを用いてリンゴのスポンジケーキを焼いてみました。甘さ控えめですので、下層にキャラメルフレーク状にしたリンゴを敷いてアクセントをつけてみました。

アップルケーキ
アップルケーキ:apple cake with apple caramel flake

材料/組成は下記の通りです。材料はトップバリュー製品を基本にいつものお馴染みの素材を使用しています。

IngredientsAmount needed
For Apple Caramel Flake
Apple (diced)250gram
Salted Butter70gram
Cake Syrup90gram
Heavy Cream(40% fat)100gram
For Sponge CakeAmount for φ18cm cake pan
Blend Butter(salted)85gram Butter & 95gram Margarine
Superfine Sugar105gram
Whole egg (M)3
Vanilla Oilany you want
Cake Flour170gram
Salt2gram
Baking Powder3.5gram
For Apple Filling
Apple(sliced)80gram
For frosting
Powdered Sugarany you want

レシピ(Recipe)

Apple Caramel Flake のレシピ

①リンゴの皮をむき、250gramをフレーク用に、200gramをスライス用に分けます(スライス用のリンゴは実際には80gramしか使いませんでした)。
②バターをソースパンに投入し、中火で沸騰させます。

リンゴ
Peel 4apples, and divide them into the 250gram diced apple and the 214gram sliced apple. Place butter into a saucepan over medium-high heat and bring it to a boil.

③沸騰したところでフレーク用にダイスしたリンゴを投入します。
④リンゴにバター色がついて柔らかくなるまでスパチュラでかき混ぜます。
⑤粘稠になってきたところで生クリームを100gram入れます(100gram以上入れると濃厚な味になるかもしれませんが濃縮には大分時間がかかります)。このとき泡立つ様にクリームが湧き上がって来ることがあるので火傷に注意が必要です。深さのあるソースパンを使用する方が安全です。

🍎調理課程01
When the butter boiled, dump the diced apple into the saucepan. Cook it until well incorporated.Then apply 90gram cake syrup and stir evenly.
🍎調理過程02
When the syrup gets thick, pour 100gram heavy cream. Be cautious not to touch the bubbles pop up. Stir evenly and remove from heat before the apple gets too dark. Transfer the apple flakes into a small bowl, chill it at room temperature.

⑥煮詰まってリンゴが柔らかいグミ状になったら加熱を中止、分離した透明の液体成分を捨てます。そのまま室温で冷やすか、小容器に移して冷まします。

Sponge Cakeのレシピ

①マーガリンとバターを大型耐熱ボウルに入れてクリーム状になるまでフラワーホイッパーで混ぜます。

生地01
Place butter and margarine, sugar in a large bowl. Whisk it until it gets soft and creamy. Using blend butter makes it easy to combine sugar and butter.

②全卵を3個用意し、1個投入したら電動ホイッパーで均一になるまで混ぜます。この工程をを3回行います。混ぜ終わった時点では、生地は分離していますが後で小麦粉が入るので心配無用です。

生地02
Add whole eggs one by one, and electric-whisk evenly. Although the batter has not well incorporated , no need to worry.

③薄力粉を篩い、電動ホイッパーでクリーム状で粘稠(firm stage)になるまで混ぜます。生リンゴを後で投入して焼くと水分が出てきますのでその分を見越してスポンジケーキの生地は水分控えめの配合組成にしてあります。
④ケーキパン(springform)の内側にクッキングペーペーを貼り付け、底から1cm位くらいまで生地を注ぎます。
⑤アップルフレークを均一になる様に適当に敷きます。
⑥残りの生地を全て注ぎます。
⑦リンゴを5mm厚位にスライスして、車軸状に生地内に埋め込みます。

生地03
Preheat the oven up to 170C and line a parchment paper inside a cake pan. Sieve cake flour and electric-whisk until well incorporated. When the batter gets creamy and firm, pour it into the cake pan. Pouring up to 1cm depth, place the apple caramel flake evenly. Then pour the leftover of the batter, place the apple slices like a wheel. Oven-bake at 170C for 55 minutes.

⑧170℃で55分焼き上げます。中心部が火に通り難いですので爪楊枝て刺してみて液体の生地が付いてこない状態まで焼きあがっていることを確認します。
⑨オーブンから取り出してクーリングラックの上に置いて常温で冷まします。
⑩モールドを外して、パウダーシュガーを表面に適当に篩います。6時間ほど冷蔵庫で冷やすとさらにおいしくなります。

🍎ケーキ完成
Remove the cake from the oven. let it cool at room temperature on a cooling rack.. Then unmold and place the cake on a dish. Sprinkle powdered sugar and chill the cake in a fridge for 6 hours or more until served..

スポンジケーキの焼きあがりの状態を確認する方法

bounce back の確認:中央を指で押してケーキが弾性で指を押し戻すかどうか?
竹串による確認:爪楊枝や竹串、または直接温度計を中心から垂直に底までに刺して引き抜いた際に液体成分が付いて来ないかどうか?中心温度は最低80℃以上に到達しているかどうか(これは衛生管理上の問題確認です)。
上記を2つともクリアしていれば完了です。表面の焼進みが先行する場合は、アルミホイルを1枚上蓋として乗せて焦げ付きを防ぎながら①、②をクリアします。

Gateau Magique (ガトーマジック)を作る; この1品シリーズ(その1): ガトーマジックケーキは、スポンジ(sponge)/カスタード(custard)/フラン(flan)の3層構造を持ち合わせたケーキ。焼成時間との3層構造の関係に迫ってみた。

ガトーマジック

ガトーマジックケーキ : Gateau Magique Sponge Cake

昨年末、仕事納めの親睦会をGateau Magique Cake(ガトーマジックケーキ)でおもてなししました。平日時間がない時でも作れるお勧めのデザートです。上から見ると外観は普通のスポンジケーキと大差ありませんが、側面は弾性硬のフランになっていて特徴があります。内面は上層からスポンジケーキ、カスタードクリーム、硬めのフランの3層構造になっています。

ガトーマジックケーキ
Gateau Magique Cake has 3layers (sponge cake, custard cream and flan, respectively).

材料/分量は以下の様になります。プリン同様に水分の非常に多いケーキですのでいつものspringform panではだだ漏れになりますので、焼き型には直径20cmのgrill pan(グリルパン)を使用します(取り出しも楽で焼き時間も短縮できますし、何より湯煎工程を回避できます)。分量はグリルパン1杯分(約95%容積率)合わせた量です(多いですが牛乳はきっちり使えます)。バターは北海道バター(含塩)、牛乳は酪農牛乳を使用しています。

グリルパン
Teflon coated grill pan φ20cm X 5.5cm depth

Ingredients : 材料と配合組成

IngredientsAmount needed
4 Egg yolks(L)120gram
Superfine sugar65gram
*Water*1tbsp(15gram)
Melted Butter(salted)120gram
Salt1gram
Cake flour1cup(120gram)
Warm whole milk500gram
4 Egg whites(L)160gram
White wine vinegar2-3gram
Superfine sugar25gram
Vanilla oilany you want
Gateau Magique Sponge Cake :

Instructions: 調理法

①まず全卵をegg yolk(卵黄)とegg white(卵白)に分けます。egg whiteは冷蔵庫で使用直前まで冷やしておきます。
②大型耐熱ボウルで、egg yolkとsuperfine sugar(上白糖)をballoon whisk(フラワーホイッパー)を用いてBain-marieで十分に混ぜます(泡立てる必要はありません)。*Bain-marieのときは水を加えなくても砂糖は解けてくれますので省略してます。
③butter(バター)を角切りにして中火で完全に溶かします。

GMC step A
Place egg yolk and sugar in a large bowl. Mix egg yolk and sugar over the double boiler with a balloon whisk. Melt butter over medium-low heat completely. Gradually pour the melted butter into the egg yolk mixture and fold it with a spatula .

④butterをegg yolk mixtureに少しずつ加えてスパチュラで十分に混ぜます。
⑤cake flour(薄力粉)をmesh strainer(篩)にかけて混ぜ込みます。均等に混ざる様数回に分けて十分にfoldします。この時塩も一緒に混ぜます。
⑥少し温かい牛乳を少しずつ加えながら均等に混ぜます。仕上がりはプリンの生地同様にliquid状です。いわば、”水分を飛ばして濃縮する前のカスタードクリーム”といった印象です。

生地の混ぜ方
Sieve cake flour through a mesh strainer over the batter, and fold it until well incorporated. Then pour warm milk gradually into the batter with folding continuously. it’s just like a custard cream, pre-vaporized and unconcentrated.

⑦metal bowlに卵白を入れて、meringue(メレンゲ)を立てます。白ワインビネガーを注いで電動ホイッパーで泡だてします。soft peakに達したところで砂糖を加えます。stiff peak formまで泡立てします。適切なstiff peakの見極めはボウルをひっくり返してもびくともしない状態にある事で確認します。
⑧メレンゲを仕上げた生地に注ぎます。フラワーホイッパーで大きなメレンゲの塊がないくらいにラフに混ぜます。この時、バニラオイルを加えて好みの香りをつけます。

meringue mixture
Place egg whites into a metal bowl and add a few drops of white wine vinegar. Electric-whisk until it gets to the soft peak form. Then gradually adding sugar Iin two batches, continue whisking until the stiff peak form. When the meringue reaches the stiff peak form, it dose not move even if flipping the metal bowl down. Preheat the oven up to 150C. Then dump the meringue into the batter, and whisk roughly with a balloon whipper. The surface of the batter looks like Antarctic Sea. Pour the batter into the grill pan. Oven-bake at 150C for 45 to 60 minutes.

⑨グリルパンに注いで150度で約50分くらい焼き上げます(このボリュームで湯煎だと1時間以上)。焼きすぎると2層目のカスタードがフランと区別困難になって2層構造になります。長串をさして最下層に弾性があり中間層がカスタードとして串についてくる時相で焼き止めする必要があります。焼き時間は単なる目安にしかなりませんので頻回確認が重要なポイントとなります(これを湯煎で何回もチェックしていると火傷のリスクに曝されますのでグリルパンに置き換えています)。

⑩取り出して常温で1時間位冷ました後、ひっくり返すか、横から少しずつスライドしてグリルパンから取り出しできます。3時間以上冷蔵庫で冷やすとケーキカットした際にガスタードクリームが流れ出る事なく綺麗に切れます。

左下図は、確認しながら55分焼き上げたもので厚いカスタードクリーム層が得られています。期待通りの仕上がりになっています。中央は62分焼き上げたもので3層構造にはなっていますがカスタード層が薄くなっています。この様に焼き時間によりカスタード層の厚さが変わりますので45分焼いたあたりから油断は禁物です。また、右図の様に仕上げに表面にアプリコットジャムを塗ってみるのも良いかなと思いました。

ガトーマジック焼き時間による変化
(left) optimally baked. (center) over-baked. (right) apricot jam coated.





Montblanc Cream(モンブランクリーム)を作る

モンブランクリーム

モンブランクリームを自作してみました。

Montblanc(モンブラン)を作る時には、Chestnut Paste(マロンペースト )を用いるのが普通だと思いますが、近所のスーパーではマロンペーストは手に入りませんのでこれを自作する必要があります。となると原材料のChestnuts, fresh(生栗)を手に入れなければなりませんが、これもなかなかお目にかかる事はない様に思います。そこで今回Tianjin sweet roasted chestnuts(天津甘栗)からマロンペーストを作ってみました。

最近スーパーでよく見かける天津甘栗のレトルトパックを使用してみました。

sweet roasted chestnuts
天津甘栗の外包装(左)、内包装(中央)、取り出した甘栗(右)

外装を開けると120gram入りのレトルトパックが2袋出てきました。これを開けると16個くらいの天津甘栗が入っていました。真空パックで保存されていました。食べてみると渋味が結構あり、ゴムの様な弾性の食感でした。

marron diced
刻み甘栗

このままミキサーで粉砕すればどうにかなる感じは全くありませんでしたので、まず5mm角くらいに刻んでホワイトソースの要領で牛乳と等量混合して熱を加えてPurée(ピューレ)に仕上げてみました。

配合組成は、
① 170gram Tianjin sweet roasted chestnuts(天津甘栗)
② 170gram Whole milk(酪農牛乳)
③ 30gram superfine sugar(上白糖)
火力は Medium-Low heat
加熱時間は約20分くらい balloon whisk(フラワーホイッパー)でクリーム様に濃縮されるまでかき混ぜました。この砂糖の量ではかなり甘さ控えめのかなり濃いめの栗の味がしました。
とりあえずピューレになった様なので焦げ付かないレベルで出来る限り水分を飛ばして500ml計量カップに移しました。total volume 約240gramのピューレが取れました。

marron paste
甘栗/牛乳のピューレ(左)、ブレンダーでの粉砕作業(中央)、完成品の代替マロンペースト(右)

次にElectric blender(電動ブレンダー)で固形物を粉砕し、2回mesh strainer(篩)で裏ごししてtexture(キメ)を整えました。
得られた最終生成物は、total volume 210gramで水分が十分引けたpaste(ペースト)といえるものになっていました。味と香りはかなり強めの印象でした。

ここからどうするかですが、よくわかっていない代物の混ぜ物を作るわけですから、まずheavy cream(生クリーム(fat 40%))の用量を200 gram(丁度1pack分)に固定し、superfine sugar(上白糖) 20 gram(10%)加えてソフトpeakまで泡立てしました。次に25 gramずつ代替マロンペーストを加えてelectric mixture(電動ホイッパーで低速攪拌)して馴染ませていきました。heavy cream 200 gramに対して、代替マロンペースト 100 gram加えて攪拌したところで求める粘度と硬度(stiff peak form)が得られました。甘みは非常に控えめで仕上がっていましたので10 gram上白糖を加えtotal 30 gramとしたところで上品な香りと甘さになりました。
最終的な配合比率は、
① 200 gram Heavy cream
② 100 gram replaced Chestnut Paste
③ 30 gram Superfine sugar
で上品なMontblanc Creamと言えるものが出来上がりました。
十分安定した硬度でしたのでバターやブランデーは加えていませんが、ブランデー風味は少し加えてもいいかと感じました。

モンブランクリーム
Montblanc Cream

今回はこれをprofiterole(プチシュー)に充填し、Xmas cakeを作成しました。モン・サン・ミシェルをイメージして作ってみましたが、仕上がったものはバベルの塔(ピーテル・ブリューゲルの天国への階段)の様に見えました?土台は甘栗の粉砕粉を加えたチョコレートサブレ、ケーキ部分はシャルロット風ティラミス、周囲はプロフィッタロールのカラメル積みで作成してみました。

クリスマスケーキ2019
Xmas cake 2019

Chocolate Ciffon Cake (チョコレートシフォンケーキ)を作る

チョコレート苦手といいつつ、いきなりチョコレート系の作品からスタートです。シフォンケーキの基本レシピをもとにオイルをバター&マーガリンに置換して作成してみました。パウンドケーキの様な生地の固さはなく、シフォンケーキの様なパサパサした食感もなく少し締まったスフレチーズケーキの様なテクスチャーの仕上がりになっています。我が家はこれくらいのの硬さが好みです。

Chocolate Chiffon Cake : 33cm x 7cm x 7cmの大型ケーキです

組成は、以下の通りです。

Ingredientsfor 33cm x7cm x 7cm amount
Butter Blended(Butter & Margarine)100gram B + 85gram M
Superfine Sugar225gram
70%Cocoa Powder30gram
Whole Milk150gram
Dark Chocolate30gram
Egg Yolk4(80gram)
Egg White4(140gram)
Plain Flour(C:B=1:1)150gram
Salt0.7gram
Baking Powder7gram
Baking Trick180℃ x about 40minutes

バターは四つ葉バター(含塩)、マーガリンはネオソフトを使用しています。
ダークチョコレートは、いつものガーナチョコレート(板チョコ)です。
表面はチョコレートグレーズでフロスティングしました。
33cmは我が家のオーブンに入りきる最大の長さになります。牛乳パックを二つ合わせたものをアルミホイルで2回覆ってこしらえたカスタムのケーキ型を使用します。

マーガリンが40%ほど混ざっていますので冷蔵庫保存で丁度いい硬さになります。冷蔵庫に入れることが前提であれば低温でも軟度が保たれるマーガリンの混合することを考えます。混合比はバターの風味をどれだけ効かせたいかと、どれくらいの硬さに仕上げたいかに依存しますのでほとんどアドリブになります。バターは最近高値ですので、コストダウンにはマーガリンは有効ですが全置換するとべとつき感が出てきますのでかなり仕上がりの印象が異なります。50%を超えるなら全部マーガリンに置換しても同じ仕上がりかもしれません。