スフレチーズケーキ : Soufflé Cheesecake as Japanese Soufflé Cheese cake part1
スフレチーズケーキは、正式にはJapanese Soufflé Cheesecakeと呼ばれオリジンは日本だそうです。ベークドチーズケーキに使う生クリームを牛乳に変更して湯煎で焼き上げることでふんわりと仕上がるのが特徴です(カロリーも控えめになります)。スフレチーズケーキの焼成は、ほとんどのオーサーが湯煎で160℃ x 50~60分(表面が狐色に焼けるまで)を標準手法としているようです。
ブリオッシュが基本生地で中央にカスタードを挟む様ですが, オリジナルのレシピでは、カスタードにはバニラとレモンクリームの混ぜ合わせたものを使用する様です(Alex Ledsom: A brief history of the tarte tropezienne, the french riviera’s favorite dessertを参照しました)。表面をクリスタルシュガーでコーティングする様ですがこれだけではインスタ写真で投稿されている様な表面のメロンパン様の凸凹模様ができません。いろいろ調べていると、どうもこれはcraquelin(クラクラン)を使用する様でした(クリスピーシューを作るときに使用するドウですからこれは有名ですね(一安心))。そもそもこれが日本のメロンパンのオリジンの様ですからこれを刻んで上から振りかければあの様な美しい凸凹模様となるのも納得がいきます。あとケーキシロップにorange blossom waterというのをほとんどのレシピで使っているのがわかりましたがこんなものは見たことも聞いたこともありませんので、国産のカクテルベースTUMUGIとレモンゼスト、レモンエッセンス混ぜてlemon syrupをこしらえてコンバートしてみました。
Basic Brioche Dough Ingredients : Keep it in a fridge overnight.
For Craquelin
Amount
Butter(salted)
20
Powdered Superfine Sugar
15
Cake Flour
10
Bread Flour
10
Basic Craquelin Dough : Mix the same volume of butter, sugar and flour.
For Lemon Syrup
Amount
Water
120 gram
Superfine Sugar
45 gram
Lemon Essence
8 drops
Lemon Zest
1 ea.
Vanilla Oil
6 drops
TUMUGI
8 gram
Original Lemon Syrup : The Japanese cocktail base “TUMUGI” is converted.
For Tropezienne Custard
Amount
Whole Milk
265 gram
Lemon Syrup
15 gram
Superfine Sugar
60 gram
Egg Yolk
4 ea. (80 gram)
Cornstarch
20 gram
Cream Cheese
200 gram
Vanilla Oil
a few drops
Powdered gelatin
5 gram
Water (cold)
25 gram
Tropezienne Custard: Original recipe requires Mascarpone. Unfortunately, I coudn’t get it. So I applied a typical cream cheese instead of Mascarpone. For stabilizing the pastry cream, add 2 to 3 percent (W/W) gelatin with 5-fold volume of cold water.
⑦刻みニンジン250グラムを投入してホイッパーで均一になるように混ぜます。 ⑧粉類を篩い、スパチュラでホールドしていきます。常法に従い、中心から外側に向かい下方から上方に回転させながら混ぜます(center to margin, down to up fold)。篩に残った少しおきめの塊は最後に混ぜます。 ⑨焼型(18 cm springform pan)に注ぎます。なかなか熱が通りにくいですので忍耐を要します。4層分を一回で焼き上げますので火入れは工夫が必要です(4つの焼き型があるなら4等分して焼けば1個30分位で焼成できると思います)。まず180℃で約30分焼成します。この辺で表面の焼きが先行しますので、アルミホイルでふたをして170℃に落としてあとはじっくり焼きます。大体プラス50分位かかってやっとバウンスバックと串による確認で焼きあがったことが確認できました。 ⑩ケーキスライサーで4層に分割します。こういう時は便利な道具です。 クレームシャンティイ(作成法はその4を参考にしてください)をこしらえて、スポンジ→ホイップクリーム→ スポンジ→ホイップクリーム の順に積んでいき、最後にピーラーを用いて削りチョコを振りかけます。
A→Eまでの断面を観察します。A: EY: EW =0:5、B: EY: EW =1:5、 C: EY: EW =2:5、D: EY: EW =3:5、E: EY: EW =4:5と左から右へ並んでいます。D,Eは焼き時間を延長する必要があり、Eは構造強度が強く質感があるためクッキングペーパーの隙間を破って膨張したため裂けました。
サンプルCをベースにオリジナルなシフォンケーキの配合を考えました。卵黄:卵白の比率は2:5前後をチョイスします。これを軸に水分/小麦粉比(バッターの粘度とベーキングパウダーの効果に影響)、砂糖(上白糖)/小麦粉(>1(0.75)のhigh ratioに収める)に計算をして微調整します。水分比のカギになる牛乳(換水値90)の量は卵黄混合液に小麦粉を少量ずつ混合し、バッターの粘度(consistency)を見ながら少しずつ補充した結果、total 40 ml加えました(換水率からの理論値は10 ml相当です)。薄力粉の総使用量は102 g となりました。配合組成を下記に示します。今回作成したバッターをChiffon C、前回作成した基本のシフォンケーキをChiffon N, エンゼルフードケーキをChiffon Zとし、教科書的なシフォンケーキをchiffon Tとしています。C, N, Zはφ18cmのケーキパン用の用量(実測値で単位はグラム(g))で、Tは小麦粉を100とした時の配合比で示します。略号はPSS: Powdered Superfine Sugar, GS: Granulated Sugar, CT: Cream of Tartar, VO: Vegetable Oil, BP: Baking Powderです。
Ingredients
Chiffon C
Chiffon N
Chiffon Z
Chiffon T
Cake Flour
102
130
60
100
PSS (GS)
84
104
60
81 (108)
Whole Egg
143
Egg Yolk
52 (2.8 ea)
74 (4 ea)
Egg White
226 (7 ea)
173 (5 ea)
210 (5 ea)
CT
3
1.3
3
1
VO
40
52
40
Water (Milk)
(40)
(104)
80(88)
Salt
2.0
2.5
1
2
BP
4
5
4
Vanilla Oil
a few drops
a few drops
a few drops
Almond Essence
a few drops
Baking Trick
170C x 40 minutes
170C x 55 minutes
170C x 35 minutes
Blending Ratio of the Chiffon Cake C : Chiffon C → modified version (new), Chiffon N → conventional chiffon cake previously made, Chiffon Z → basic angel food cake, Chiffon T → basic chiffon cake (from text book)
シフォンケーキ作りの常法に準じますので端折ります。 ①卵黄3個分、粉砕上白糖42グラム、牛乳40グラム、キャノラオイル40グラムを耐熱ボウルに入れ、Bain-marieで混合します。 ②薄力粉102グラム、ベーキングパウダー4グラムを少しずつ篩い、ホイッパーで混ぜて安定した乳化状態にします。少し粘調ですがグルテンが析出してくるほどではないです。 ③7個分の卵白にクリームオブターター3グラムを加えて、電動ホイッパーで泡立てします。粉砕上白糖を加えstiff peakのメレンゲに仕上げます、 ④go back methodにしたがい両者を混合し、均一な生地になったら焼型に注ぎます。多すぎるようならラメキンに注いでカップケーキのように一緒に焼きます。ラメキンは170C x 20分、チューブパンの方は170C x 40分焼きます。 ⑤ラメキンのケーキは熱いうちにパレットナイフで側面をぐるっと切り離してお皿にひっくり返して抜き出します。これで焼縮みは最小限になります。チューブパンはひっくり返してマグカップの上で冷まします。
教科書的な基本のシフォンケーキの配合組成は以下の通りです。Encyclopedia of Food and health 2016: P 582より引用させていただきました。これより上白糖を用いる場合の比率はシフォンケーキで81、エンジェルフードケーキで161と概算しました。
Chiffon Cake (% Flour Weight)
Angel food Cake (% Flour Weight)
Flour
100
100
Granulated Sugar
108
215
Egg White
277
Whole Egg
143
Cream of Tartar
1
4
Oil
40
Water
80
Salt
2
1
Baking Powder
4
教科書的なシフォンケーキとエンゼルフードケーキの配合組成:Encyclopedia of Food and health 2016: P 582より引用
ここから分量をΦ18 cmサイズのシフォンケーキ専用の焼型に合わせて計算、微調整していきます。ただし卵黄/卵白=4/5(個数比)で作成しますので少し分量修正が必要になります。卵白の換水値を80、牛乳の換水値90とし、卵白重量は1個34.6グラムでしたので卵黄より1個分多い卵白は約28グラムの水分とカウントしました。下記に今回作成した標準タイプのシフォンケーキの配合組成表を示します。 ただし以下のHigh Ratio ケーキの基本公式を使用します(焼型容積率75%で概算)。
Blending Ratio of the Sample Batter : Abbreviations are as follows; EY: egg yolk, OI: oil, MI: milk, EW: eg white, CT: cream of tartar, SA; salt, PS: powdered superfine sugar, CF: cake flour, TE:; total egg yolk mixture, TM: total meringue flour mixture, TV: total volume, BT: baking time
Swiss Roll用のスポンジケーキの黄金比を前回捻出しましたが、この比率は非常にシフォンケーキの組成に酷似しています。これは単においしい生地はシフォンケーキであると肯定したにすぎません。そこでシフォンケーキの原点であるクラシックエンゼルフードケーキ(卵黄混合なし、油脂混合なし、ベーキングパウダー混合なし)から少しずつ卵黄/油脂を混合していきオリジナルなシフォンケーキの混合比とHigh ratio cake(砂糖の添加量が小麦粉に比べて相当多いケーキ)に関して極めてみたいと思います。
まず、ゼロに値するもの(卵黄なし)をまず作成してその食感を確かめる必要がありますが、これには①エンゼルフードケーキ(油脂、ベーキングパウダー混合なし)と②ホワイトスポンンジケーキ(バター(混合比 小麦の重量の約1/2)、ベーキングパウダー混合)があります。いずれも基本レシピは周知されていますが、前者はhigh ratio cake(1:2)になります。断面は両方ともピュアーな白色調ですが前者は高級食パンをさらにモフモフにした食感(今回確認)で、後者は柔らかめのスポンジケーキのような食感(以前に確認)になります。油脂(バター)を加えることでの食感の方向性は前回のSwiss roll同様で重量感と保湿感を加える方向にベクトルが向きます。油脂の方向軸は見当がつきますが、砂糖を増量(high ratio)することに対する方向軸は現時点では確認できていません。
Ingredients: 基本のエンゼルフードケーキの配合組成は以下の通りです。原本(Boston Cooking School Cook Book, 1986) では、11個の卵白とグラニュー糖を用いていますが、グラニュー糖よりも卵白に親和性のより高い上白糖(superfine sugar)をさらにミキサーで粉砕したpowdered superfine sugarで統一しました。さらに10 inch(φ25 cm)相当からφ18 cmに減量換算し、卵白重量(実測値)にあわせて焼き時間も微調整しました。 φ18 cm のシフォンケーキ専用の焼き型を使用します。
Ingredients
Amount for φ18 cm tube pan (chiffon cake pan)
Egg white (L)
5 ea (210 gram)
Cream of Tartar
3 gram
Salt
1 gram
Powdered superfine sugar
60 gram
Vanilla oil
a few drops
Almond extract
a few drops
Cake flower
60 gram
Powdered superfine sugar
60 gram
Baking time
170℃ x 35 minutes
Classic Angel Food Cake : The recipe is adjusted to a φ18 cm cake pan.
材料配合組成は下記のとおりです。上記のごとく、小麦タンパク濃度は7%に調整しました。卵はegg yolk 4個で77グラム、egg white 4個で136グラム、 total 213グラムでしたので砂糖は80グラム, 粉類(薄力粉60グラム、コーンスターチ20グラム), 牛乳20グラム、バター60グラム、塩2グラムで配合しました。 バターの略号をB(Butter)として、計算上最終的な配合比 は、E : S : F : B: L = 10.5 : 4 : 4 : 3: 1となりました。
Materials
Amount: for 26 x 26 x 2cm square pan
Egg Yolk
4 ea
Superfine Sugar
60 gram
Whole Milk for dilution liquid
20 gram
Salt
2 gram
Cake Flour
60 gram
Cornstarch
20 gram
Salted butter
60 gram
Egg White
4 ea
White Wine Vinegar
3 gram
Superfine Sugar
20 gram
Baking time
180C x 10minutes
Original Swiss Roll Batter Recipe: When it’s assumed that Egg Yolk →E, Sugar →S, Flour →F, , Butter →B, Liquid →L,, E : S : F : B: L equals to 10.5 : 4 : 4 : 3: 1.