Sponge Cakeを作る (その7); キャロットケーキを作る。: キャロットケーキに使用するオイルの量はかなり多いですのでクリームチーズを使用せずヘルシーなケーキになるように工夫してみました。かなり膨らみの悪いケーキですから、ベーキングパウダー/ベーキングソーダの両方を膨張剤として使用します。ちょっぴり大人味を意識して、フロスティングに削りダークチョコレートを使用してアクセントを加えてみました。

キャロットケーキ

キャロットケーキ:Carrot Cake

キャロットケーキは、英国では伝統的なヘルシーフードといわれ、刻みニンジン、クルミ、シナモン、ナツメグ、ブラウンシュガーを用いた独特の風味と食感のあるスポンジケーキです。クルミの代わりにレトルトのむき甘栗を使用し、少し優しい口あたりに焼き上げてみました。

配合組成は以下の通りです。やや苦みのあるむき甘栗をミキサーで少しラフに粉砕してパウダー状にして使用、口あたりの優しさを意識してブラウンシュガーを上白糖に、ナツメグを省略しました。ニンジンはピーラーで削ぎ、包丁で刻みました。これで少し噛み応えのあるテクスチャーをだしてみました。クリームチーズの代わりにクレームシャンティイを使用しニンジンの風味を消さないように削りダークチョコレートで少し苦みを調整し、若干大人味を足してみました。ダークチョコレートはいつものガーナチョコレート、今回植物油は使用量が多いので、 ヘルシーリセッタ (日清)を使用しました。

IngredientsAmount for φ 18cm cake pan
Cake Flour140 gram
Bread Flour140 gram
Powdered Superfine Sugar320 gram
Ground Chestnuts160 gram
Ground Cinnamon3 gram
Salt2.5 gram
Baking Powder3 gram
Baking Soda (bicarbonate)3 gram
Whole Egg (L)4 ea.
Vegetable Oil300 gram
Grated Carrots250 gram
For Frosting
Heavy Cream (40% fat)200 gram
Powdered Superfine Sugar15 gram
Grated Dark Chocolate20 gram
Baking Trick180C x 30 minutes + 170C x 50 minutes
Carrot Cake with Dark Chocolate Frosting

Instructions: 調理法

①焼型(ケーキパン)にクッキングシートを貼ります。今回は側面はチーズケーキを焼くとき同様に10cmの高さにクッキングシートを貼ります。オーブンを180℃に予熱しておきます。
②市販のレトルト天津むき甘栗を160グラム、ミキサーでラフに粉砕しました(粗びき粉くらいの感じ)。ニンジンをセラミックピーラーでそぎ落とし、包丁で小さく刻みます。すりおろしてしまうと水分過剰となりますので、換水値に注意が必要です。刻みは細切りでも角でもどちらでもいいと思いますが、甘栗粉砕粉の食感と混ざり具合を考えて細切りしたあと5mm角に刻みました。
薄力粉140グラム、強力粉140グラム、シナモンパウダー3グラム、塩2.5グラム、ベーキングパウダー3グラム、重曹3グラムを大きなボウルに篩います。甘栗の粉砕粉を加えてフォークで均一になるように十分に混ぜます。
④耐熱ボウルに全卵4個に粉砕上白糖320グラムを混ぜ、Bain-marieで砂糖が完全に解けるまでホイッパーで混ぜます。
⑤電動ホイッパーでリボンステージ(大体ボリュームが3倍で垂らすと表面に形が残るくらいの混ざり具合)まで仕上げます(中速で8分位)。
⑥食物油(ヘルシーリセッタ)300グラムを注ぎさらに低速で十分なじむまで混ぜます。

Making a carrot batter: ①lLine parchment paper on bottom and side of a cake pan. Preheat the oven up to 180C. ②Dump 160 gram Tianjin sweet roasted chestnuts into a mixing cup to crush it into the powdered. Grate 250 gram carrot with a ceramic peeler and dice into small pieces. ③Sift 140 gram cake flour, 140gram bread flour, 3 gram cinnamon powder, 2.5 gram salt, 3 gram baking powder, and 3 gram baking soda into large bowl to mix well with a fork. ④Place 4 whole eggs and 320 gram powdered sugar into a heat durable large bowl and whisk over the double boiler (Bain-Marie) until the sugar is completely melted. ⑤Remove from heat and electric-whisk until it gets pale and triple volume (ribbon stage). ⑥Pour 300 gram vegetable oil and continue to electric-whisk at low speed until it gets well incorporated.

⑦刻みニンジン250グラムを投入してホイッパーで均一になるように混ぜます。
⑧粉類を篩い、スパチュラでホールドしていきます。常法に従い、中心から外側に向かい下方から上方に回転させながら混ぜます(center to margin, down to up fold)。篩に残った少しおきめの塊は最後に混ぜます。
⑨焼型(18 cm springform pan)に注ぎます。なかなか熱が通りにくいですので忍耐を要します。4層分を一回で焼き上げますので火入れは工夫が必要です(4つの焼き型があるなら4等分して焼けば1個30分位で焼成できると思います)。まず180℃で約30分焼成します。この辺で表面の焼きが先行しますので、アルミホイルでふたをして170℃に落としてあとはじっくり焼きます。大体プラス50分位かかってやっとバウンスバックと串による確認で焼きあがったことが確認できました。
ケーキスライサーで4層に分割します。こういう時は便利な道具です。
クレームシャンティイ(作成法はその4を参考にしてください)をこしらえて、スポンジ→ホイップクリーム→ スポンジ→ホイップクリーム の順に積んでいき、最後にピーラーを用いて削りチョコを振りかけます。

⑦Dump grated carrots all into the batter and whisk evenly with a balloon whipper. ⑧Sieve dry ingredients and fold it gently with a spatula following the center to margin, and down to up fold. ⑨Pour the batter into the cake pan and oven-bake at 180C for about 30 minutes and successively bake at 170C for about 50 minutes covered on top with aluminum foil. ⑩Cool it at room temperature and cut horizontally with a cake slicer into 4 parts. Assemble the cake with Creme Chantilly and grate dark chocolate on top.

仕上がりはこんな感じです。甘栗なかなかいい食感出てました。

Montblanc Cream(モンブランクリーム)を作る

モンブランクリーム

モンブランクリームを自作してみました。

Montblanc(モンブラン)を作る時には、Chestnut Paste(マロンペースト )を用いるのが普通だと思いますが、近所のスーパーではマロンペーストは手に入りませんのでこれを自作する必要があります。となると原材料のChestnuts, fresh(生栗)を手に入れなければなりませんが、これもなかなかお目にかかる事はない様に思います。そこで今回Tianjin sweet roasted chestnuts(天津甘栗)からマロンペーストを作ってみました。

最近スーパーでよく見かける天津甘栗のレトルトパックを使用してみました。

sweet roasted chestnuts
天津甘栗の外包装(左)、内包装(中央)、取り出した甘栗(右)

外装を開けると120gram入りのレトルトパックが2袋出てきました。これを開けると16個くらいの天津甘栗が入っていました。真空パックで保存されていました。食べてみると渋味が結構あり、ゴムの様な弾性の食感でした。

marron diced
刻み甘栗

このままミキサーで粉砕すればどうにかなる感じは全くありませんでしたので、まず5mm角くらいに刻んでホワイトソースの要領で牛乳と等量混合して熱を加えてPurée(ピューレ)に仕上げてみました。

配合組成は、
① 170gram Tianjin sweet roasted chestnuts(天津甘栗)
② 170gram Whole milk(酪農牛乳)
③ 30gram superfine sugar(上白糖)
火力は Medium-Low heat
加熱時間は約20分くらい balloon whisk(フラワーホイッパー)でクリーム様に濃縮されるまでかき混ぜました。この砂糖の量ではかなり甘さ控えめのかなり濃いめの栗の味がしました。
とりあえずピューレになった様なので焦げ付かないレベルで出来る限り水分を飛ばして500ml計量カップに移しました。total volume 約240gramのピューレが取れました。

marron paste
甘栗/牛乳のピューレ(左)、ブレンダーでの粉砕作業(中央)、完成品の代替マロンペースト(右)

次にElectric blender(電動ブレンダー)で固形物を粉砕し、2回mesh strainer(篩)で裏ごししてtexture(キメ)を整えました。
得られた最終生成物は、total volume 210gramで水分が十分引けたpaste(ペースト)といえるものになっていました。味と香りはかなり強めの印象でした。

ここからどうするかですが、よくわかっていない代物の混ぜ物を作るわけですから、まずheavy cream(生クリーム(fat 40%))の用量を200 gram(丁度1pack分)に固定し、superfine sugar(上白糖) 20 gram(10%)加えてソフトpeakまで泡立てしました。次に25 gramずつ代替マロンペーストを加えてelectric mixture(電動ホイッパーで低速攪拌)して馴染ませていきました。heavy cream 200 gramに対して、代替マロンペースト 100 gram加えて攪拌したところで求める粘度と硬度(stiff peak form)が得られました。甘みは非常に控えめで仕上がっていましたので10 gram上白糖を加えtotal 30 gramとしたところで上品な香りと甘さになりました。
最終的な配合比率は、
① 200 gram Heavy cream
② 100 gram replaced Chestnut Paste
③ 30 gram Superfine sugar
で上品なMontblanc Creamと言えるものが出来上がりました。
十分安定した硬度でしたのでバターやブランデーは加えていませんが、ブランデー風味は少し加えてもいいかと感じました。

モンブランクリーム
Montblanc Cream

今回はこれをprofiterole(プチシュー)に充填し、Xmas cakeを作成しました。モン・サン・ミシェルをイメージして作ってみましたが、仕上がったものはバベルの塔(ピーテル・ブリューゲルの天国への階段)の様に見えました?土台は甘栗の粉砕粉を加えたチョコレートサブレ、ケーキ部分はシャルロット風ティラミス、周囲はプロフィッタロールのカラメル積みで作成してみました。

クリスマスケーキ2019
Xmas cake 2019