Strong-tasted Sachertorte ; Sponge Cakeを作る(その8) : カカオ85%ブラックチョコレートを用いて濃厚テイストのザッハトルテ( Hotel Sacher ver.)を作ってみた。

ザッハトルテ

バレンタインデーも近いですので、普段あまり手を出さないチョコレートスポンジケーキの王道”ザッハトルテ”を作ってみました。”Modern French Pastry”には、”チョコレートが苦手だという者は、単に素敵なチョコレートに巡り合っていないだけだ”とある。ならばということで、”究極のストロングテイストの”大人味チョコレートケーキを”というコンセプトでホテルザッハー風のザッハトルテを作ってみました。

Ingredients: 材料と配合組成

使用した材料は、苺(さぬきひめ:香川県産)、レモンジュース(100%レモン:サンキスト)、加塩バター(よつ葉バター:よつ葉乳業)、ダークチョコレート(ひとくちカカオ85%ブラックチョコレート:トップバリュー)、ココアパウダー(ピュアココア:VANHOUHTEN)でその他はいつもの材料です。

アプリコットジャムを使用するのがホテルザッハーのオリジナルレシピですが、今回はイチゴジャムを使ってみました。カカオのストロングテイストを満喫できる様にしました。

Strawberry JamAmount
Fresh strawberry 280 gram (2 pack)
Superfine Sugar105 gram
Lemon Juice6 gram
Strawberry Jam : When using granulated sugar, prepare a half volume (weight) of strawberries.
Sacher Chocolate Sponge CakeAmount for φ18cm cake pan
Salted butter210 gram
Powdered Superfine sugar56 gram
Egg Yolk (M)8 ea.
Dark Chocolate210 gram
Cake Flour125 gram
Bread Flour (Strong Flour)60 gram
Pure Cocoa Powder25 gram
Egg White8 ea.
Powdered Superfine Sugar56 gram
White Wine Vinegar3 gram
Vanilla Oil a few drops
Baking Trick170C x 40 minutes plus 180C x 10 minutes
Sacher Sponge Cake : The amount (weight) of salted butter equals to that of dark chocolate, to that of total volume of flour ( cake flour, bread flour and cacao powder).

チョコレートグレーズは、丁度ひとくちカカオ85%ブラックチョコレートを3パックを使い切る量で作成したためギリギリ1回分のグレーズが可能な量になっています。流動性に乏しいため1回行ける印象ですが、コーティングをきれいに仕上げることを考えるとチョコレートの量を200グラムに増量して生クリームを混ぜでグラサージュにした方がいいかもしれません。

Chocolate GlazeAmount
Dark Chocolate165 gram
Powdered Superfine Sugar125 gram
Water75 gram
Chocolate Glaze : The volume of this recipe is just only one batch for glazing. I think it better to use 200 gram dark chocolate and adjust each amount in proportion to it respectively.

Instructions: 調理法

<1>ストロベリージャムの作成

ザッハートルテのスポンジケーキにはアプリコットジャムを挟むのが常道ですが、今回はストロングテイストな大人味をコンセプトに仕上げていますのでカカオの強さを十分堪能できるよう即席のストロベリージャムを作成しました。
①シチュー鍋にイチゴを280グラム(2パック分)入れ、上白糖を105グラム加えます。
②レモンジュースを6グラム加え、しばらく室温で放置、浸透圧でイチゴから果汁がしみだして来るまで待ちます。
③木べらでイチゴを適当につぶして、木べらで混ぜながら中火で加熱して煮ていきます。どんどんイチゴが柔らかくなってきます。ハンディーブレンダーできれいにクラッシュできるレベルの柔らかさが目標です。
④沸騰したら一度500mLの耐熱カップに移し、ハンディーブレンダーでピューレにします。これを行うことで煮込み時間を短縮できますのでペクチンを使用ぜすグレーズ用のジャムを作成できます。
⑤シチュー鍋に戻し中火で焦がさないように木べらで混ぜながら濃縮します。木べらを引いてみてなべ底が瞬間的に見える程度の粘度で完成です。これ以上濃縮すると苺ジャムらしくなってしまいますので注意が必要です。
⑥使用時まで冷蔵庫で冷やしておきます。

Preparing the strawberry jam for Sacher glaze: ① Place 280 gram strawberries and 105 gram superfine sugar, 6 gram lemon juice in a saucepan. Leave it at room temperature until it gets somewhat juicy. ② Crush the strawberries roughly with a wooden spoon. ③ Simmer it over the medium heat to bring it to a boil. ④ Transfer the strawberry mixture into a 500 mL measuring cup. Electric-blend until it gets in to puree. ⑤ Get the puree back to the saucepan. Simmer it over medium-low heat with stirring continuously with the wooden spoon and concentrate until you can see the bottom of the saucepan for a second when you stir the jam.

<2>ザッハースポンジケーキの作成

作成前に、φ18cmスプリングフォームケーキ型に市販のクッキングシートを貼り付けます。今回使用するバッターは非常に硬くて粘性が高いうえにケーキ型のほぼ上端まで入る分量になっていますので側面に貼るシートの高さは8cm位必要ですので注意が必要です(スフレチーズケーキの際と同様です)。オーブンを170℃で予熱しておきます。
また生地をメレンゲと混ぜるのが非常に困難ですのでメレンゲはsoft peakに仕上げます。soft peakメレンゲ作成のためあらかじめ粉砕上白糖を作成します。
ミキサーカップに上白糖を入れてミキシングします。
②パウダー状になったら乾燥したカップに詰めます、上白糖はすぐに水分を吸収しますので粉砕上白糖は毎回使用直前に作成します。
大ボウルにバター210グラムをキューブ状にカットして入れます。
電動ホイッパーである程度クリーム状にします。粉砕上白糖を56グラムくわえて完全にバタークリームになるまで混ぜます。
⑤卵を卵黄と卵白に分けます。卵白は使用時まで冷蔵庫に入れておきます。卵黄をバタークリームに1個加えて電動ホイッパーで完全に混ざ込みます。この操作を8回繰り返してきれいに乳化した卵黄クリームを作成します。
⑤ダークチョコレート210グラムを耐熱ボウル(中)に入れて溶かします。方法はBain-marie(または電子レンジで約30秒)を用います。いずれしても85%ダークチョコレートは非常に油脂が少ないですので粘度が高くスパチュラで混ぜて均一にするのに少し難渋しました。全部解けきったら湯煎から外して少し冷まします。
⑥粘度が極めて高いチョコレート液になりますのでスパチュラで混ぜていて少し粘度が下がり始めたらすぐに卵黄クリームに投入して電動ホイッパで急いで混ぜ込みます。スパチュラでホールドしてみて均一に乳化できていることを確認します。

Making Sacher chocolate sponge cake : In advance, prepare powdered superfine sugar to electric-mix typical superfine sugar into fine powder. Line parchment paper on the bottom and the side of φ18 cm cake pan. Preheat the oven up to 170C. ① Dump 210 gram salted butter in a large bowl and electric-whisk roughly. ② Add 56 gram powdered superfine sugar and continue to electric-whisk until it gets creamy and well incorporated. ③ Separate egg yolks from egg white. Place 1 egg yolk into the butter cream to electric-whisk until well incorporated. Repeat that procedure 8 times until all egg yolks are exhausted. Do not mix all at one time. ④ Dump 210 gram dark chocolate into a middle heat-durable bowl. Melt the chocolate over simmering water in a saucepan (Bain-marie). ⑤ When the fluid chocolate gets a little thick, pour it into the egg yolk-butter mixture to electric-whisk until well incorporated.


⑦メタルボウルに卵白8個分を入れ3グラムの白ワインビネガーを加えて電動ホイッパーで混ぜます。
⑧若干soft peak気味になったところで粉砕上白糖56グラムを2回に分けて投入し、電動ミキサーで攪拌してsoft peakメレンゲに仕上げます。メレンゲの硬度をこれ以上上げると粉類との混合が困難になりますので注意が必要です。
⑨go back methodに従いメレンゲを少量チョコ卵黄クリームに投入しスパチュラで丁寧に混ぜ合わせます。これをメレンゲボウルにもどします。丁寧にdown to up foldで均等になるよう混ぜ合わせます。この時香りの調整にバニラオイルを数滴滴下しておきます。
⑩薄力粉125グラム、強力粉60グラム、純ココアパウダー25グラムを一度別容器に篩い、フォークで均等になるように混ぜます。塊を極力減らすためにこれをチョコレートメレンゲの上から篩います。
スパチュラで丁寧にcenter to margin & down to up foldしていきます。こんなものを本当に混ぜることが出きるのかと思える粘度ですが、丁寧に混ぜるとheavy volumeの超粘調バッターが完成します。
⑫用意しておいたケーキ型に生地を流し込み適度に表面を整えます。この粘度では内部大きな気泡を追い出すのは困難ですが何回かトントンと机の上にケーキ型を落として気泡を追い出しておきます。170℃で40分前後焼灼したあと、竹くしで中心まで焼成できたかどうか確認(予想通り不十分です)の後、180℃で焼成10分程追加して仕上げます。
⑬クーリングラックにおいて室温で冷めるのを待ちます。

Making soft peak meringue and batching : ⑥ Place 8 egg whites and 3 gram white wine vinegar into a metal bowl. Electric-whisk roughly at low speed until it turned white and fluffy. ⑦ Gradually adding 56 gram sugar in 2 batches, electric-whisk until the soft peak form. Do not over-whisk. ⑧ According to “go back method”, mix the soft peak meringue and chocolate dough with folding it gently with a spatula. Give it a few drops of vanilla oil on folding. ⑨ Sift 125 gram cake flour, 60 gram bread flour and 25 gram cocoa powder in a large cup to stir it well with a fork. Then sieve it over the dough and fold it gently until well incorporated. Although the butter is too hard to fold well, do not surrender to intimidation. ⑩ Pour the batter in to the cake pan. Oven bake at 170C for 40 minutes and additionally at 180C for about 10 minutes. After that, leave it on a cooling rack at room temperature.

<3>チョコレートグレーズの作成

今回のチョコレートグレーズはすぐに固まってしまうほど粘調ですので先にアッセンブリングを済ませてから最後に作成します。
①小型の計量鍋(またはシチュー鍋)に水75グラムと粉砕上白糖125グラムを入れて中火でボイルさせます。ボイルしたら火を止めます。
②80℃位に下がったところで、ダークチョコレート165グラムを全部投入しフラワーホイッパーで混ぜます。
③解けて均一混ざったら完成です。この時温度は69℃でした。
この後、通常はテンパーリングを行い、融点の30℃付近になったところでグレージングするのですが、今回のチョコレートでは流動性が低すぎて60℃を下回るとかなり流れが悪くなるようなのでスパチュラで流動性が悪くなったと感じたところでグレージングしていますので何℃でグレージングしたかは分かりません。

Making Chocolate Glaze : ① Pour 75 gram water and 125 gram powdered superfine sugar in a saucepan over medium-high heat. ② When it comes to a boil, turn off the burner. Once the temperature has dropped down to 80C, dump 165 gram dark chocolate into it. Stir well with a balloon whipper.

<4>アッセンブリング

スポンジケーキ最下面のテフロンプレートは最後に外すようにします。これは中心部へ熱の伝わりが悪いとあらかじめ想定される生地を焼くときの約束事項で、側面モールド解除後に生焼けが判明した時、再度焼成を追加することで成功に持っていくためです。
①スポンジケーキの上面をカットして水平にします。このとき中心部まで熱が伝わっているか目視でも確認します(もし中心部の焼きが甘い場合、このままもしくは、再度モールドを装着してオーブンで追加焼成します。大部分の場合、プラス10℃で10分位焼成すれば十分です)。
②1/2の高さでカットしてスポンジケーキを2分します。ここでも問題なければひっくり返して下面のプレートとクッキングシートを剥がします。
③前もって作成したグレーズ用のジャムを下段のケーキの表面に十分塗ります。
④残りのカットした対になるスポンジケーキを乗せます。表面にジャムを塗ります。ここで一旦冷蔵庫に入れて表面のジャムを固めておきます。
⑤一番下に大きな平皿、その上にクーリングラック、その上にスポンジケーキを乗せます。
⑤出来上がったチョコレートグレーズを最上段からかけます。パレットナイフで表面を平らにします。この時長い大きなパレットナイフがあれば一回で表面を平らにできますのできれいな仕上がりにあります(私は持ち合わせていませんので現在使用してしているもので妥協です)。
⑥平皿に落ちたグレーズは2度目のグレーズに使用できますし、コップに集めて冷蔵庫で固めて利用することもできます。ケーキを3時間ほど冷蔵庫で冷やせば完成です。

Assembling : ① Cut the sponge cake horizontally into 2 parts of the same volume and remove irregular surface. ② Paste the strawberry jam sufficiently on the surface of the lower layered sponge cake. Put the another sponge cake on it. Similarly pour the jam on top. Lastly glaze the chocolate. ③ Chill it in a frige for about 3 hours.

強烈にカカオが効いていますので、生クリームを添えました。

編集後記
大部分のダークチョコレート(スイート)の融点は30℃前後にありますので溶解温度は50℃くらいでゆっくり行うのが定石です。今回の85%カカオチョコレートは融点がどうやら40℃を超えているような印象でした(Bian-marieで溶解した際の感触です)。通常はドロドロに解けて再び硬くなる30℃あたりまでとろとろした状態が維持されますのでテンパーリングが素人でもそこそこに可能なのですが比熱の問題なのかよくわかりませんが温度変化に対する流動性が低下が大きすぎる印象でした(たぶんもともと融解した時点での流動性が低すぎるのだと思いますが?)。悠長にテーパーリングなどやってる暇もなく、実際グレーズした際の温度は?です。電子レンジでの溶解は、油断しているととんでもないことになることがあるのでやはりBain-marieが安全で確実だと思います。

Sponge Cakeを作る (その7); キャロットケーキを作る。: キャロットケーキに使用するオイルの量はかなり多いですのでクリームチーズを使用せずヘルシーなケーキになるように工夫してみました。かなり膨らみの悪いケーキですから、ベーキングパウダー/ベーキングソーダの両方を膨張剤として使用します。ちょっぴり大人味を意識して、フロスティングに削りダークチョコレートを使用してアクセントを加えてみました。

キャロットケーキ

キャロットケーキ:Carrot Cake

キャロットケーキは、英国では伝統的なヘルシーフードといわれ、刻みニンジン、クルミ、シナモン、ナツメグ、ブラウンシュガーを用いた独特の風味と食感のあるスポンジケーキです。クルミの代わりにレトルトのむき甘栗を使用し、少し優しい口あたりに焼き上げてみました。

配合組成は以下の通りです。やや苦みのあるむき甘栗をミキサーで少しラフに粉砕してパウダー状にして使用、口あたりの優しさを意識してブラウンシュガーを上白糖に、ナツメグを省略しました。ニンジンはピーラーで削ぎ、包丁で刻みました。これで少し噛み応えのあるテクスチャーをだしてみました。クリームチーズの代わりにクレームシャンティイを使用しニンジンの風味を消さないように削りダークチョコレートで少し苦みを調整し、若干大人味を足してみました。ダークチョコレートはいつものガーナチョコレート、今回植物油は使用量が多いので、 ヘルシーリセッタ (日清)を使用しました。

IngredientsAmount for φ 18cm cake pan
Cake Flour140 gram
Bread Flour140 gram
Powdered Superfine Sugar320 gram
Ground Chestnuts160 gram
Ground Cinnamon3 gram
Salt2.5 gram
Baking Powder3 gram
Baking Soda (bicarbonate)3 gram
Whole Egg (L)4 ea.
Vegetable Oil300 gram
Grated Carrots250 gram
For Frosting
Heavy Cream (40% fat)200 gram
Powdered Superfine Sugar15 gram
Grated Dark Chocolate20 gram
Baking Trick180C x 30 minutes + 170C x 50 minutes
Carrot Cake with Dark Chocolate Frosting

Instructions: 調理法

①焼型(ケーキパン)にクッキングシートを貼ります。今回は側面はチーズケーキを焼くとき同様に10cmの高さにクッキングシートを貼ります。オーブンを180℃に予熱しておきます。
②市販のレトルト天津むき甘栗を160グラム、ミキサーでラフに粉砕しました(粗びき粉くらいの感じ)。ニンジンをセラミックピーラーでそぎ落とし、包丁で小さく刻みます。すりおろしてしまうと水分過剰となりますので、換水値に注意が必要です。刻みは細切りでも角でもどちらでもいいと思いますが、甘栗粉砕粉の食感と混ざり具合を考えて細切りしたあと5mm角に刻みました。
薄力粉140グラム、強力粉140グラム、シナモンパウダー3グラム、塩2.5グラム、ベーキングパウダー3グラム、重曹3グラムを大きなボウルに篩います。甘栗の粉砕粉を加えてフォークで均一になるように十分に混ぜます。
④耐熱ボウルに全卵4個に粉砕上白糖320グラムを混ぜ、Bain-marieで砂糖が完全に解けるまでホイッパーで混ぜます。
⑤電動ホイッパーでリボンステージ(大体ボリュームが3倍で垂らすと表面に形が残るくらいの混ざり具合)まで仕上げます(中速で8分位)。
⑥食物油(ヘルシーリセッタ)300グラムを注ぎさらに低速で十分なじむまで混ぜます。

Making a carrot batter: ①lLine parchment paper on bottom and side of a cake pan. Preheat the oven up to 180C. ②Dump 160 gram Tianjin sweet roasted chestnuts into a mixing cup to crush it into the powdered. Grate 250 gram carrot with a ceramic peeler and dice into small pieces. ③Sift 140 gram cake flour, 140gram bread flour, 3 gram cinnamon powder, 2.5 gram salt, 3 gram baking powder, and 3 gram baking soda into large bowl to mix well with a fork. ④Place 4 whole eggs and 320 gram powdered sugar into a heat durable large bowl and whisk over the double boiler (Bain-Marie) until the sugar is completely melted. ⑤Remove from heat and electric-whisk until it gets pale and triple volume (ribbon stage). ⑥Pour 300 gram vegetable oil and continue to electric-whisk at low speed until it gets well incorporated.

⑦刻みニンジン250グラムを投入してホイッパーで均一になるように混ぜます。
⑧粉類を篩い、スパチュラでホールドしていきます。常法に従い、中心から外側に向かい下方から上方に回転させながら混ぜます(center to margin, down to up fold)。篩に残った少しおきめの塊は最後に混ぜます。
⑨焼型(18 cm springform pan)に注ぎます。なかなか熱が通りにくいですので忍耐を要します。4層分を一回で焼き上げますので火入れは工夫が必要です(4つの焼き型があるなら4等分して焼けば1個30分位で焼成できると思います)。まず180℃で約30分焼成します。この辺で表面の焼きが先行しますので、アルミホイルでふたをして170℃に落としてあとはじっくり焼きます。大体プラス50分位かかってやっとバウンスバックと串による確認で焼きあがったことが確認できました。
ケーキスライサーで4層に分割します。こういう時は便利な道具です。
クレームシャンティイ(作成法はその4を参考にしてください)をこしらえて、スポンジ→ホイップクリーム→ スポンジ→ホイップクリーム の順に積んでいき、最後にピーラーを用いて削りチョコを振りかけます。

⑦Dump grated carrots all into the batter and whisk evenly with a balloon whipper. ⑧Sieve dry ingredients and fold it gently with a spatula following the center to margin, and down to up fold. ⑨Pour the batter into the cake pan and oven-bake at 180C for about 30 minutes and successively bake at 170C for about 50 minutes covered on top with aluminum foil. ⑩Cool it at room temperature and cut horizontally with a cake slicer into 4 parts. Assemble the cake with Creme Chantilly and grate dark chocolate on top.

仕上がりはこんな感じです。甘栗なかなかいい食感出てました。

Sponge Cakeを作る; (その6):世界最速で焼けるスポンジケーキの王道”ヴィクトリアスポンジケーキ”を焼いてみました。

Victoria Sponge Cake

ヴィクトリアスポンジケーキ : Victoria Sponge Cakeを作る。

略号をE: Whole Egg(全卵)、F: Flour(小麦粉)、S: Sugar(グラニュー糖)、B: Butter(バター)としたとき、E : F : S : B = 1 : 1 : 1: 1に組成配合したものの代表格がヴィクトリアスポンジケーキ(Classic Victoria Sandwich: ビクトリアサンドウイッチとも呼ぶそうです)です。この組成はパウンドケーキの組成と比率は同じ(パウンドケーキは材料をイギリスの通貨1ポンド(£)に相当する分量に統一して作るのがオリジナルレシピです)。小麦の重量を卵黄の重量と等量もしくはそれ以上使用しますのでこれぞ真のスポンジケーキと言わんばかりの重量感とナイフを入れたときにずっしりとくる独特な感じ、かむと感じるheavyなテクスチャーのすべてを備えています。バターの使用量が多いですので全量バターで仕上げるとビスケットの食感に幅寄せしていきますので私は、冷蔵庫で保管することも考慮して20-40%位をファットスプレッド(ネオソフト)で置換することが多いです。オリジナルレシピでは2つのスポンジの間にイチゴジャムを挟み、表面にスライスしたイチゴを載せてパウダーシュガーを振りかけたシンプルなレシピとなっています(これがヴィクトリア女王がお召し上がりなったレシピだそうです)。恐らく世界最速で焼き上げることのできる美味しいスポンジケーキです。

配合組成は以下のようになります。イチゴジャムは自作したほうが断然おいしいケーキになると思いますが、今回は生地のおいしさを邪魔しないようにあっさり目に植物性ホイップクリームを挟んでみました。GS: Granulated Sugar : グラニュー糖。牛乳はバッターが硬すぎるので少しだけ緩めるために使用しますのでほんの少量です(加えなくてもいいですがたいてい加えないとうまくfoldできません)。全卵は予定では180 gram前後になるはずでしたが実測値は164 gramでした。

IngredientsAmount for φ18 cm cake pan
Salted Butter120 gram
Fat Spread60 gram
Powdered Superfine Sugar (or GS)135 gram (GS 180 gram)
Whole egg (L)3 ea (164 gram)
Cake Flour170 gram
Baking Powder7 gram
Salt3 gram
Vanilla Oila few drops
Whole Milkless than 10 gram
Baking Trick170C x 45 minutes
For Filling
Whipped topping200 gram
Powdered Superfine Sugar 15 gram
Fresh Strawberry1 pack
Confectioners’ sugar for frosting

Instruction: レシピ
まず、φ18 cmの焼型(springform pan)にクッキングペーパーを貼ります。次にオーブンを170度まで予熱します。
1. バター120グラム(常温)、マーガリン60グラムと粉砕上白糖135グラムをボウルに入れホイッパーでクリーム状になるまでしっかり混ぜます。
2. 全卵3個を溶いて、混ぜます。この作業はタフですので電動ホイッパー使用します。たぶんこの時点ではいくらかき混ぜても少し卵とバターが分離しています。
3. 薄力粉ベーキングパウダーを篩います。3/1くらいずつ篩いながら丁寧にスパチュラでホールドしていきます。
4. バッターが硬いようであれば牛乳を少し加え、スパチュラで混ぜるのが困難でない程度に緩めます。
5. 粉類がバッターに十分なじんで安定した乳化状態に到達したところで焼型に注ぎます。少し爪楊枝でかき混ぜて大きめの泡を除いておきます。
6.オーブンで170℃ x 45分焼成します。途中表面の焼け具合が進みすぎるようならアルミフォイルで表面をカバーします。
7.焼き終わったらクーリングラックの上で室温でケーキを冷まします。冷めたらモールドを解除してクッキングペーパーを剥がします。半分にカットして2層のスポンジケーキにします。イチゴも縦に3分割します。真ん中のスライスになる平板状のイチゴはトッピングに使用します。
8.ボウルを冷凍庫に入れて10分以上十分に冷却します。ボウルを取り出してよく冷えたホイップクリーム200グラムに粉砕上白糖15グラムを加え、電動ホイッパーでstiff peakまで泡立てします。
9.スポンジケーキ1層目にホイップクリームを塗り、スライスしたイチゴを並べます。もう一度ホイップクリームを塗って向かい合うようにスライスしたイチゴを並べます。ホイップクリームを塗って2層目のスポンジケーキを載せます。
10.フロスティング用のパウダーシュガー(粉砕グラニュー糖にコーンスターチを重量比で3%加えたもの)を篩い、平板状のイチゴを並べます。もう一度パウダーシュガーを篩い完成です。

Making a Victoria Sponge Cake: In advance, grease a cake pan to line parchment paper, and preheat the oven up to 170C. ① Place 120 gram salted butter and 60 gram margarine, 135 gram powdered superfine sugar in a large bowl. Whisk until it gets creamy. ② Beat 3 whole eggs and pour them into the butter cream and whisk until well incorporated as possible. That’s a tough work so that you had better to use an electric whipper. ③Shift 170 gram cake flour and 7 gram baking powder, 3 gram salt over the egg-butter mixture in 3 batches, and fold it. If the batter is too hard, loosen it by adding some milk. ④Pour the batter into the cake pan and oven-bake at 170C for about 45 minutes. ⑤ Let it cool at room temperature. After unmoulding to rip the parchment paper, divide the cake horizontally in 2 parts. ⑥ Paste the whipped cream on the surface of the one of the divided cakes. Place sliced strawberries over it. Again, set the whipped cream and place strawberry-pieces over it. ⑦ Place another layered cake on top. Sprinkle confectioner’s sugar and place strawberry-plates on top. Chill it in a fridge until served.

ケーキカットするとザクッとした重量感を感じます。断面はきれいな黄色で質感があります。シンプルですが上品で美しいケーキだと思います。ミルクティーやウインナーコーヒーを添えてティータイムにいかがでしょうか。

Sponge Cakeを作る (その4); シフォンケーキを極める part 1: シフォンケーキの基準点となるエンゼルフードケーキを一般公開されているBoston Cooking Schoolの標準レシピに忠実に作成、high ratio cakeの神髄に迫ってみました。

エンジェルフードケーキ

 エンゼルフードケーキ: Classic Angel Food Cake

Swiss Roll用のスポンジケーキの黄金比を前回捻出しましたが、この比率は非常にシフォンケーキの組成に酷似しています。これは単においしい生地はシフォンケーキであると肯定したにすぎません。そこでシフォンケーキの原点であるクラシックエンゼルフードケーキ(卵黄混合なし、油脂混合なし、ベーキングパウダー混合なし)から少しずつ卵黄/油脂を混合していきオリジナルなシフォンケーキの混合比とHigh ratio cake(砂糖の添加量が小麦粉に比べて相当多いケーキ)に関して極めてみたいと思います。

まず、ゼロに値するもの(卵黄なし)をまず作成してその食感を確かめる必要がありますが、これには①エンゼルフードケーキ(油脂、ベーキングパウダー混合なし)と②ホワイトスポンンジケーキ(バター(混合比 小麦の重量の約1/2)、ベーキングパウダー混合)があります。いずれも基本レシピは周知されていますが、前者はhigh ratio cake(1:2)になります。断面は両方ともピュアーな白色調ですが前者は高級食パンをさらにモフモフにした食感(今回確認)で、後者は柔らかめのスポンジケーキのような食感(以前に確認)になります。油脂(バター)を加えることでの食感の方向性は前回のSwiss roll同様で重量感と保湿感を加える方向にベクトルが向きます。油脂の方向軸は見当がつきますが、砂糖を増量(high ratio)することに対する方向軸は現時点では確認できていません。

Ingredients: 基本のエンゼルフードケーキの配合組成は以下の通りです。原本(Boston Cooking School Cook Book, 1986) では、11個の卵白とグラニュー糖を用いていますが、グラニュー糖よりも卵白に親和性のより高い上白糖(superfine sugar)をさらにミキサーで粉砕したpowdered superfine sugarで統一しました。さらに10 inch(φ25 cm)相当からφ18 cmに減量換算し、卵白重量(実測値)にあわせて焼き時間も微調整しました。 φ18 cm のシフォンケーキ専用の焼き型を使用します。

IngredientsAmount for φ18 cm tube pan (chiffon cake pan)
Egg white (L)5 ea (210 gram)
Cream of Tartar3 gram
Salt1 gram
Powdered superfine sugar60 gram
Vanilla oila few drops
Almond extracta few drops
Cake flower60 gram
Powdered superfine sugar60 gram
Baking time170℃ x 35 minutes
Classic Angel Food Cake : The recipe is adjusted to a φ18 cm cake pan.

Instructions :
①上白糖120グラムをミキサーで砂粒状に粉砕します(8分位)。これでコーンスターチを含まないパウダーシュガーを作成します。
②薄力粉60グラムと作成したパウダーシュガー60グラムを混ぜて、これもミキサーにかけます。薄力粉を粉砕して細粒化/均質化することでメレンゲとの混合時に気泡消失を最小限に抑えるためです。

エンジェルフードケーキ01
The pictures show powdered superfine sugar and refined flour mixture.
Put superfine sugar into a blender to be crushed into fine powder. Mix the shifted cake flour and the powdered superfine sugar in a cup. Again, put the flour mixture into a blender to be fine powder so as not to deflate the meringue on folding.

③卵黄と卵白を分けます。(余った卵黄はカスタードクリームにしました。今回はsuper gigantic roll を作成してみました)。卵黄は冷蔵庫に保管しますが、今回は卵白は室温でしばらく放置しておきます。
④卵白210グラム(5個分)をメタルボウルに入れ、クリームオブターターを3グラム加えて電動ホイッパーで低速攪拌します。
③3分位でsoft peakに到達しますので30グラムの砂糖を加えてfirm peakまで高速回転で持っていきます。ここでバニラオイル/アーモンドエクストラクトで香りを加えておきます。この辺でオーブンを170℃に予熱しておきます。
④残りの30グラムの砂糖を加えてstiff peakまで持っていきます(ボウルをひっくり返しても動かなければstiff peakに到達していると判断します)。常温から泡立てしたメレンゲの仕上がりは色調も食感もマシュマロののような感じで低温から泡立てしたメレンゲとは仕上がりの感じは異なりますが、小麦粉を抱き込むだけならこちらのほうがかなり扱いやすいです。最後に粉を抱きかかえる工程で終了する場合はこの方法で泡立てしています。

エンジェルフードケーキ02
The pictures show “cream of tartar” (left), beginning of electric mixture (center), and soft peak form (right).
Separate egg yolks from egg whites, and leave egg whites at room temperature for a while. Place 5(210gram) egg whites and 3gram cream of Tartar in a metal bowl. Electric-whisk the egg whites. In a few minutes, it comes to a soft peak form. Adding a half volume of the powdered superfine sugar, continue to whisk at high speed until a firm peak form.
エンジェルフードケーキ03
The pictures show flavors (vanilla oil/ almond extract) (left), firm peak form (left-center), stiff peak form (center-right) and sieving flour mixture (right).
Then, put a few drops of flavor( vanilla oil and almond extract) into the meringue, and continue whisking until it gets to a stiff peak form. I think it somewhat differs from the stiff peak of the beaten with chilled egg whites. Sieve the flour mixture in 2 batches over the meringue.

⑤②で調整した粉類を1/2量ずつメレンゲに篩い、スパチュラで抱き込みます。混ぜにくいですので基本に忠実に中央から辺縁にむけて丁寧に混合(center to margin fold)を行い粉類の痕跡がなくなるまで混ぜます。
⑥シフォンケーキ用のセンターチューブのある焼き型に注ぎます。注いだ後、竹串で底にたまった空気や大きな気泡を追い出しておきます。ケーキパンの側面についた生地はできる限りキッチンペーパーで拭き取ります。焼くと生地は焼き型の側面を這いあってきますのでそれを邪魔しないためです。
⑦170℃で35分オーブン焼きします。焼き始めて15分くらいで表面がgolden brownに到達しますので表面割れ防止もかねてこの時上からアルミフォイルでカバーします。

エンジェルフードケーキ04
Going by the down to up fold method, fold the flour into the meringue until no grainy. Pour the batter into the cake pan and remove air bubbles with a skewer. Wipe out the protruding part of the batter. Oven-bake at 170C for about 35 minutes. If the surface of the batter comes to dark early, cover the top with aluminum foil.

⑧さかさまにしてマグカップの上に置いて室温で冷やします。重力を利用して縮みを最小限に抑えます。
⑨パレットナイフで辺縁を切り離して筒と一緒にケーキを抜きます。底面と中央を切り離してケーキをひっくり返して外します。これで完成です。

エンジェルフードケーキ05
Cool the cake upside down with the center tube on a mug. Then, release the margin with a palette knife and pick up the center tube. Release the bottom and center fall. Flip down the mold and drop the cake.
エンジェルフードケーキ06
The angel food cake is done.

このまま置いておくと私が一人で始末することになりますのでクレームシャンティでフロスティングしてキーウィとラズベリーをのせました。さすがにラズベリーは渋いので今回は10%ゼラチンと30%上白糖でナパージュを作成し2回塗りしました。
断面も食感もまるで”天使の羽”のような感じに思えました。これを最初に考え出した人、天才だ。

エンジェルフードケーキ07
The cut surface of the angel food cake looks fluffy and super-white like an angel’s wing.

<クレームシャンティイを簡単に速攻で作成する方法>

クレームシャンティイを作成する際、氷水で冷やしながらとほとんどのauthorが指南していますが氷も結構必要ですし煩雑です。これを簡素化する方法を私は用いています。
①使用する耐熱ボウルの内面を軽く水に浸し、軽く水切りします。
②電動ホイッパーのパドルも軽く水に浸し耐熱ボウルに入れてこのまま冷凍庫に入れます。
③10分ほどして取り出すと表面は完全に氷結して曇っています。
④パドルをセットしてすぐにボウルに冷蔵庫にある生クリームを注ぎます。
⑤粉砕した上白糖(powdered superfine sugar)を分量入れて、即座に低速攪拌開始します。
⑥3分間でstiff peakのホイップクリームができます。
(注意)耐熱ボウルの曇りが消失するまでに素早く作業は完了してくださいね。

編集後記
Swiss Rollの生地の極みが、単にシフォンケーキの生地にすり替えただけのような形で収束することにはなかなか受け入れがたい所が残ります。もう一つの選択肢となりそうなタンパク濃度11%位の”これぞスポンジケーキ”という配合組成からまたいつか改良を加えてみたいと考えています。

Sponge Cakeを作る (その3); スイスロール(Swiss Roll)を極める part 2: 前回決定したスイスロールの生地のタンパク濃度(6~7%)をベースに充填油脂として植物油の代わりにバターを加えることで口当たりを改善、重厚感あるオリジナルな配合黄金比を決定

改良スイスロール

スイスロール(Swiss Roll)を極める part 2

前回、見栄えと巻きやすさから求めた小麦のタンパク濃度は、6~7%と暫定しましたので、sample C (タンパク濃度6.2%)をベースにして口どけと重厚さを改善しに行きました。

したがって、全卵E: Egg)、上白糖S: Superfine sugar)、小麦粉F: Flour)、油脂O: Oil (vegetable oil))、保湿用の水分L: liquid)と略号設定すると

基本骨格の黄金比(重量比(gram ratio))は、E : S : F : O: L = 16 : 6 : 6 : 3: 3

と暫定しました。使用する卵の重量の1/3~1/4量の砂糖(上白糖ですので注意)と小麦粉(厳密には粉類全体)を等量混合し、さらに粉の重量の1/2量の植物油と希釈液(保湿確保のための液体;牛乳、水、生クリームなど)を加えたものが美味しいロールケーキに値する生地ということで、この辺のさじ加減がセンスとして身に着けばレシピの束縛から解放され素人でも自由度の高いオリジナル作成に踏み出せるのではないかと思いました。

タンパク濃度6.2Pロール
<前回作成した小麦粉のタンパク濃度を6.2%に調整して作成したSwiss Roll>
Previously baked Swiss roll, the sponge cake of that was adjusted it’s protein concentration into 6.2 percent,

さらに小麦粉のタンパク濃度を変更することで歯ごたえ(テクスチャー)を調整することができタンパク濃度が高いほど歯ごたえがよく、低いほどふわふわ感がでることもわかりましたが、断面の見栄えのよいスポンジ構造が得られるタンパク濃度は6~7%にあるようです。見栄えもよく歯ごたえも重厚さもあるものを作り出すにはこのタンパク濃度から改良していくのが近道と考えます。前回の断面像を見てどう改善すれば重厚な味が得られるかを考えるとき、このハチの巣状の気泡構造の中に重厚感を押し出す要素を詰め込むのが最も簡単な解決手段と考えられます。何を詰めるかですが、重量保持ができて濃厚さが保てるもの、おあつらえ向きなのがバターです。おまけに冷蔵庫に入れると少し硬度が上がるはずですので歯ごたえも改善することが予想されます。

そこで今回オイルをバターに置換してみました。置換量は小麦粉の重量(粉類の全重量ではありません)と等量にしてみました。バターを加えることで脂質の薄層が形成されスポンジ内部の水分蒸発が抑制されるはずですので加えるのであれば粉全体ではなく、使用する小麦粉の重量と等量混合で十分に効果を引き出したいと考えます。ただし、パウンドケーキのように全卵と等量置換すると明らかに焼き上がりの生地は硬化しますのでせいぜい全卵の半分重量が最大用量と考えました。卵の重量実測値から計算の簡略化をかねて、 小麦粉のタンパク濃度を7%に引き上げました。使用する薄力粉の重量=バターの重量(実質上の100%等量置換)となるように置換しますと、結果的にはオイル+保水分画(=粉の重量)の75%をバターで置換するきれいな置換率となりました。実際の焼く前の生地の流動性から評価すると保湿水は加える必要なく”0″でもよかったかな?という印象でした。

Ingredients: 材料と配合組成

材料配合組成は下記のとおりです。上記のごとく、小麦タンパク濃度は7%に調整しました。卵はegg yolk 4個で77グラム、egg white 4個で136グラム、 total 213グラムでしたので砂糖は80グラム, 粉類(薄力粉60グラム、コーンスターチ20グラム), 牛乳20グラム、バター60グラム、塩2グラムで配合しました。 バターの略号をB(Butter)として、計算上最終的な配合比 は、E : S : F : B: L = 10.5 : 4 : 4 : 3: 1となりました。

MaterialsAmount: for 26 x 26 x 2cm square pan
Egg Yolk4 ea
Superfine Sugar60 gram
Whole Milk for dilution liquid20 gram
Salt2 gram
Cake Flour60 gram
Cornstarch20 gram
Salted butter60 gram
Egg White4 ea
White Wine Vinegar3 gram
Superfine Sugar20 gram
Baking time180C x 10minutes
Original Swiss Roll Batter Recipe: When it’s assumed that Egg Yolk →E, Sugar →S, Flour →F, , Butter →B, Liquid →L,, E : S : F : B: L equals to 10.5 : 4 : 4 : 3: 1.

生地の作成法はは前回同様で標準的な別立て法に基づき作成しましたので詳細は割愛します。ただし今回はバターが加わりますので、バターは湯煎で完全に液化し、メレンゲと卵黄混合液を混合した最終段階で加え、丁寧に混合しました。その後オーブンで180℃x 10分焼き上げました。

タンパク濃度7.0%の生地
<タンパク濃度7.0%に調節し、バターを60グラム加えた生地のオーブン調理前後>
The batter, adjusted it’s protein-percentage into 7.0 with adding 60gram butter, was oven-baked at 180C for 10minutes until the color of the surface got golden brown.

完成した作品は、蜂巣構造がタンパク11%の時に見られるのと同じくらいにしまっていましたが保湿感も弾力性も6.2%のロールケーキを上回っていました。いわゆる”モフモフ”でかつ重量感がずっしりとあります。しかしながら、スポンジ骨格を支えるタンパク濃度が7%ですと壁面の重量が不釣り合いに増加したことにより円筒状に巻いても最終的には楕円形の底面に至る様でした。巻く際には充填するフルーツを減らしてクリームを少し薄層にしたほうが綺麗に巻けるものと思われました。最終バージョンのロールケーキ において焼き色、重量感、保湿感の全てが改善され、濃厚さが加わっていました。十分満足のいく改善が得られたものと自己評価しました。下図写真左はタンパク濃度6.2%、右は7.0%およびバターに油脂を置換して食感の改善を試みた作品です。蜂巣構造内にバターが充填されたのがはっきりと見て取れると思います。

ロールケーキ の断面比較
スイスロールの拡大断面比較:(左)タンパク濃度6.2% (右)タンパク濃度7% + バター
蜂巣構造の中にバターが入りこんで重量感と保湿が改善されているのが見てとれます。
Cut surface of the Swiss roll: The left picture shows the cut surface of the roll containing 6.2 percent protein in its sponge cake, and the right does that of 7.0 percent protein and additional butter. Butter displaced the pneumatic space, and that attained moist and rich bulky taste.

食べごろサイズにカットしてみると、色調も変化(黄色調から白色調に)、表面の焼き上がりも食欲をそそる褐色調となっています。

ロールケーキ 断面比較2
スポンジが黄色調の方が6.2%、白色調の方が’7%+バター
Converting the previous recipe(6.2%) into the present(7.0% plus butter), the color of cut surface turned yellowish to pale and the color of surface got more brownish that stimulates the appetite.
最終バージョン
一番黄色調なのがタンパク濃度11.2%, 中間が6.2%, 褐色調なのが7.0%+バター
3 types of the rolls’re shown. The most yellowish corresponds to 11.2 percent protein concentration, and the most brownish does to 7.0% plus butter.

以上より、チョコレート苦手派流オリジナル定理としてのロールケーキ生地の材料配合黄金比を、
E : S : F : B: L = 10~11 : 4 : 4 : 3: 1
と決めました。

簡単には、卵(Mサイズ)4個、薄力粉60グラム、コーンスターチ20グラム、上白糖80グラム、バター60グラム(含塩)、牛乳20グラム、塩2グラムが基本骨格となります。

Sponge Cakeを作る (その2); スイスロール(Swiss Roll)を極める part 1: 究極のスイスロールの生地を求める予備実験として小麦粉のタンパク濃度に注目、その他の材料の配合比と焼成時間を一律固定して作成した生地のタンパク濃度の変化に伴う断面構造の変化と折り曲げに対する強度を比較してみた。

スイスロールケーキ

ロールケーキ: Cake Roll ( Swiss Roll または Gateau Roule)

ロールケーキの正式名称(英語)はSwiss Rollで、フレンチペーストリーではGateau rouleに相当するようです。前回スポンジケーキの基本骨格の配合重量(gram)黄金比として、全卵(E)、砂糖(S)、小麦粉(F)の比率をE : S : F = 2: 1: 1 と暫定しました(これは多くの海外、国内のauthorのサイトを参照して最頻値と考えられたことを根拠としました)。ただしこれはグラニュー糖を用いた比率ですので、上白糖に置換しなおして修正黄金比は、E : S : F = 8 : 3 : 3と暫定しました。油脂の混合比もオイルであれば小麦の半分量バターでを使用するのであれば小麦の10~20%位ジェノワース相当)のように大体の混合比に落ち着いているように見て取れます。今回は油脂(オイル)の混合比を小麦の重量の半分に固定して小麦粉のタンパク(グルテン)濃度を濃い方向から低い方向に変化させて巻きやすさと食感の極値に幅寄せしてみました。人間の感覚として1%の違いははっきりと認識できない可能がありますので簡易計算できるレベルで2~3%づつ濃度を落としてみました。

Ingredients: 材料と 配合組成

配合組成は以下の通りです。以下、たんぱく濃度(protein percentage)はPPと略します。すべてgram表記です。Aが前回のスポンジケーキ(今回検証の基準点です)。まずB, Cを同じ条件で火入れできるように天板に同体積の紙型を2つ乗せ1度に焼けるように1/2の分量で作成しました。材料や混ぜ具合で差がでないように卵黄から塩を混ぜるまでの過程と卵白からメレンゲを起こすまで過程は卵3個分の分量でAと同様に1つにまとめて作成し小麦粉を加える時点で卵黄混合液を2分(約80 gramずつに2分)、メレンゲは約58 gramづつに2分して最終段階の生地を作成し紙型に注いで目立つ気泡を追い払ったあとすぐにオーブンで調理しました。使用した材料はいつもの材料です。Cake Flourは薄力粉、Bread Flourは強力粉(Topval)を示します。

A: PP=11.2B: PP=9.3%C: PP=6.2%
Egg Yolk31.51.5
Superfine Sugar402020
Vegetable Oil301515
Whole Milk301515
Salt211
Cake Flour303020
Bread Flour3000
Cornstarch0010
Egg White31.51.5
White Wine vinegar6drops33
Superfine Sugar201010
Baking time170C x 22min180C x 10min180C x 10min
D: PP=11.2% E: PP=3.1%
Egg Yolk 1.51.5
Superfine Sugar 2020
Vegetable Oil 1515
Whole Milk 1515
Salt 1.51.5
Cake Flour 1510
Bread Flour 150
Cornstarch 020
Egg White 1.51.5
White Wine Vinegar 33
Superfine Sugar 1010
Baking time 180C x 10min 180C x 10min
Ingredients are shown in the figures above. The concentration of protein has been adjusted into 9.3% in B, 6.2% in C, 11.2% in D, and 3.1% in E, individually. All cakes were treated in the same way and condition through cooking. I assumed that the best concentration would exist in between 6 and 7 percent. Considering that, upper limit in 11.3%, and lower limit in 3.1% are selected for the extreme value.

バイオレット、スーパーバイオレットのタンパク濃度を考慮した上で、B-Cの間に理想的なタンパク濃度があると推定していますので両極限としてAと同じPPのものD(PP=11.3%)とCをさらにコーンスターチで希釈したものE (PP=3.1%)をB,Cと同じ条件で作成し仮に上方極限、下方極限値と仮定して比較サンプルのロールケーキの生地を4種類作成しました。

Procedure: 手順

紙型は、14.5 cm x 24 cm x 3 cmを2つ作成しホッチキスで止めて合体させました。これで2種類の生地に対してほぼ同じ条件で火入れすることができます。オーブンは180℃で予熱し、生地を注いですぐに焼き工程にはいりました。生地作成方法は別立て法で、いつもの通りseparation forming methodに従いメレンゲを作成し、最終段階で卵黄混合液とメレンゲを混合しました。foldの回数はきちんと混合されたと確認できる最低限の回数(ほぼ30回)に限定しました。

簡単に工程を説明しますと
Bain-Marieで、耐熱ボウルに卵黄3個(B+C=58グラム, D+E=61グラム)に上白糖40グラム、キャノラオイル30グラム、牛乳(酪農牛乳)30グラム、塩2グラムを投入し砂糖が解けて全体がスムースになるまでフラワーホイッパーで攪拌、火から離します。
②ホイッパーで卵黄混合液がクリーム状でやや蒼白調になるまで攪拌します。
③ここで卵黄混合液を均等に2分します。ほぼ80グラムずつになります。
④それぞれの小麦粉分量相当を振るってスパチュラで混合し安定した乳化状態にしておいておきます。
⑤卵白をメタルボウルに投入し白ワインビネガーを3グラム注ぎ、電動ホイッパーで低速で泡立てします。3分ぐらいでsoft peakに到達しますので、ここで砂糖20グラムを全量投入し高速で泡立てstiff peakで完成です。
⑥メレンゲと卵黄混合液を混和し約30回スパチュラで混ぜて生地完成としました。
⑦完成後、即座に型に注ぎオーブン焼きします。

作業工程 B-C
The pictures show the sequence of making the batter of B and C.
作業工程 D-E
The pictures depict the sequence of making the batter of D and E.

B, C, D. Eすべて180℃ X 10分加熱し目視でいわゆる” golden brown”といわれる最適な焼き加減に到達したことを確認しました。タンパク(グルテン)濃度の差(11.3~3.1%)に対して、焼き時間はほとんど依存しない形で終了しています。左上段 PP=9.3%、 左下段6.2%、右上段11.2%、右下段3.1%。

記事と焼きあがり
Both of them receive oven-baking at 180C for 10minutes. Pre and post-baking batter has shown alternately. In the left picture, 9.3% PP batter is on the upper, and 6.2% PP on the lower. In the right picture, 11.2% batter is on the upper, and 3.1% on the lower.

焼きあがったケーキの表面と断面を見てみますと表面はタンパク濃度が低いほうが濃い色調に焼きあがっています。裏面のシートのはがしやすさはタンパク濃度が低いほど楽で高いと表面が一緒に剥がれます。断面はタンパク濃度が低いほど蜂巣構造(スポンジ)が荒く、一つ一つが大きくなってきています。左端PP=11.2%、左中央9.3%、右中央6.2%、右端3.1%。

生地の構造の変化
The cross sectional image reveals that the lower is the protein percentage of batter, the more brown-colored it has baked. Conversely, honey comb pattern is more rough and more remarkable of the lower percentage of protein. The baking sheet can be easily removed of the lower percentage of protein.

巻きに対する柔軟性は11.3%でも3.1%でもそれほど困難な感じはなく90度折り曲げに対しても即ひびが入るような印象はありませんでした。火入れを温度180度に上げ焼き時間を10分に短縮したことで、表面が早く焼けることによる生地の内部の水分蒸発とタンパク質の変性が抑えられた結果と考えられました(ステーキ焼くのと同じですね)。

生地の弾力性
All sponge cakes are durable against bending at a right angle. No intimidation is felt.

ロールケーキ用の生地は基本組成は普通の台座のスポンジケーキとほぼ同じですから、以上の結果から高温での短時間調理(180℃ X 10分前後)が必須のbaking trickであると再認識しました。ロールケーキにもいろいろな焼き方のレシピがありますが、再現性や簡便性を考えたうえで180℃ x 数分というのは公式化していいのではないかと考えました。

Swiss Roll 焼き時間の公式: 

180℃ x 数分(表面がgolden brownになるまで)
               目安10分前後

次に食感ですが、ふわふわ感はタンパク濃度が下がるほど感じられますがそれとともになにか物足りなさというか重量感(ずしっと来る歯ごたえ)は失われていきます(日ごろ私がプロテインを愛用しているせいかもしれません?)。6%前後まで下がるとなにか一味足りない感じがします。フィリング(中の詰め物)が加わると食感は変わりますが、グルテン含量が下がると今一つ物足りなさを感じてきます。

断面の構造を見てみますと、濃度が下がるほど蜂巣構造が荒くなってきています。見た目は6%位が最も美しいように感じます。3%濃度ではやはり巻きに対して脆弱さがあり巻き目の下段部位が冷蔵庫にいれておいた間に裂け目が入っていました。たんぱく3%はだれでも初回で簡単に巻けるという点では除外項目に入るようです。下図で左上はタンパク11.2%(これも見方によっては美しい)、右上が9.3%(若干メレンゲ の量が少なめだったかも)、左下が6.2%(蜂巣構造は最も美しい)、右下が3.1%(ここまでくるとスカスカに見える)になります。

スイスロールの断面
Here show the cut surfaces of various types of Swiss rolls (left upper: 11.2% PP, right upper: 9.3% PP, left lower: 6.2% PP, right lower 3.1% PP). According to decreasing in the percentage of protein, the honey comb pattern gets widen and clear, as you can see.

以上から、見た目と巻きやすさはタンパク6-7%位、味と巻きやすさはタンパク9-10%位と今回は結論しました。次回この6%生地の見た目の美しさに旨さを加えることを考え、オイルをバターに置換して工夫してみます。ということで次回はSwiss Roll part2です。

タンパク濃度の違うスイスロール
I figured that the sponge cake of 9.3%PP has good texture, but instagrammable is the cake of 6.2%PP. I’ll try to add the chewy and rich in flavor to the sponge cake of 6.2%PP in the next corner.

Sponge Cake を作る (その1); 基本のスポンジケーキを作る: 美味しいスポンジケーキの配合組成を考えるにあたり、まず等温不可逆過程における卵白の泡起性と水蒸気圧によるスポンジケーキの膨張性変化、配合組成の関係から探って黄金比決定の足掛かりを作る。

sponge cake tower

基本のスポンジケーキ : Basic Sponge Cake

スポンジケーキは全てのケーキの土台となる基本ですが、これが美味しいかどうかにより出来上がり作品に大きく影響しますので、妥協のできない重要なアイテムです。トッピングやフィリングとの相性を考えつつ、いかにして、口溶けの良い、美味しいものを持ってくるかと常に悩むところでもあります。という事で、今回から美味いスポンジケーキを作る方法を探っていきたいと思います。自由度の高い配合組成を追求して行きます。

まずはスポンジケーキの基本組成から根本的に考えます。スポンジケーキは、卵、小麦粉、砂糖を攪拌ー混合することにより出来上がる生地(batter : バッター)を加熱調理することにより形成されるスポンジ状の焼き菓子で、その生成に卵の起泡性を利用して得られた空気の熱膨張と水蒸気圧を利用します。スポンジケーキの材料で泡気性を示すものは卵白のみでありその他は全て気泡維持を抑制する方向に作用するはずですので適切な混合比が存在するはずです。いろんなサイトで汎用スポンジケーキのレシピを散見しますと、ほとんどは重量比で卵(E):小麦粉(F):砂糖(S)=1:1:1〜2:1:1くらいの範囲に収まっていてよほど変則的な作品でない限り小麦粉(F)と砂糖(S)の分量は同じで、卵(E)の分量をこれに対して増やすかどうか程度のアレンジに留まっている様です(ただし卵黄、卵白の配合分量は様々です)。これに油脂としてBatter(バター)を加えることでほとんどのauthorは口どけが良くなると表現されていて卵の重量の10-30%程度のバターを加えたバタースポンジケーキに仕上げている様に伺います。美味しいスポンジケーキというサブタイトルで色々サイトアップしてある中で最も頻繁に見る配合比は、E:F:S:B = 10 : 5 : 5 : 2前後のジェノワーズスポンジケーキを踏襲した配合でこれに保湿のための水分としてミルクや生クリームなどを加えたものである様でした。そこで恐らく流行の美味しいスポンジケーキの配合黄金比は、E : F : S : B =10: 5 : 5 : 2と考えて良いのだろうと考えました。ジェノワーズを踏襲しているのでバターの比率が低いのだろうと推定しましたが、シフォンケーキでオイルを置換する際に最初の投稿記事で油脂の含量比を5くらいにまで引き上げると口溶けと香ばしさが圧倒的に良くなることは経験していますのでベーキングパウダーを加えてバターの含量比を小麦粉の60〜100%位まで上昇させてみても良いのかなとも考えました。ちなみにE : F : S : B = 1 : 1 : 1: 1に組成配合したものの代表格がビクトリアスポンジケーキです。今回は材料配合の基本骨格の黄金比を公式化する?を考えてみました。

基本骨格となる黄金比を利用してロールケーキ(Swiss Roll)用の角形のスポンジケーキを焼いてみました。

Ingredients: 材料と配合組成

材料はいつもの使用しているものです。小麦粉はplain flour (薄力粉:強力粉=1:1のブレンド)で統一しました。卵の総量が約165gramでしたのでグラニュー糖換算で約82gramの糖を加えることになりますが上白糖換算で60gramに減量できますので、小麦粉=上白糖=60 gramとしました。油脂はキャノラオイルを30gram使用し水分調整に牛乳(酪農牛乳)30 gramを加えシンプルで綺麗な比率での配合組成に設定しました。

VanillaChocolate
Egg Yolk (M)33
Superfine Sugar40 gram40 gram
Whole Milk30 gram30 gram
Vegetable Oil30 gram30 gram
Dark Chocolate12 gram
Salt2 gram2 gram
Vanilla Oilany you wantany you want
Cacao Powder12gram
Plain Flor60 gram48 gram
Egg White (M)3 3
White Wine Vinegar3 gram3 gram
Superfine Sugar20 gram20 gram

Procedure: 手順

①クッキングシートから26 cm x 26 cm x 2 cmサイズの正方形の底面を持つ紙型を作成します。オーブンを170℃で予熱しておきます。
②冷蔵庫に冷やしておいた全卵を卵黄と卵白に分け、卵白は出番まで冷蔵庫に冷やしておきます。先に60グラムのplain flour(薄力粉:強力粉=1:1混合)を振るっておきます。カカオパウダーを加える場合はカカオパウダーを12グラム、その分plain flourを減らして48グラム混合して前もって別容器に振るっておきます。
③卵黄3個分(約60グラム)、上白糖60グラム、常温の牛乳30グラム、塩2グラムを中型耐熱ボウルに入れBain-marieでフラワーホイッパーを用いて攪拌します。
④卵黄混合液に30グラムのキャノラオイルとバニラオイルを数滴加えて十分に混ぜます。ダークチョコレートを生地に混ぜたい場合はキャノラオイルに12グラムのダークチョコレート(カカオパウダーと同量)を混ぜて湯煎で溶かして混ぜに行きます。
⑤メレンゲ混合時のロスを最小限にするため、ここで小麦粉(または小麦粉ーカカオパウダー)を篩って卵黄混合液に混ぜに行きます。乳化を安定した状態にしておいて次のメレンゲ作成に移ります。

procedure1
Pictures of upper row : for chocolate sponge cake, lower row: for vanilla sponge cake
① Make a square-shaped paper mold which has 26 cm x 26 cm x 2 cm (hight) in size with using a cooking paper. Preheat the oven up to 170C. ② Prepare cold eggs chilled in a fridge. Separate egg yolks from egg whites. In advance, shift 60 gram plain flour in a bowl. If applying cacao powder, mix 12gram cacao powder and 48 gram plain flour. ③ Place 3 egg yolks and 60 gram superfine sugar, 2 gram salt in a middle bowl over the saucepan with simmering water ( Bain-marie), and beat until the sugar is completely dissolved. ④ Remove from heat. Add 30 gram vegetable oil (Canola) and a few drops of vanilla oil and mix well. If mixing dark chocolate, melt 12 gram chocolate into the vegetable oil in a double boiler. ⑤Sieve the flour over the egg yolk mixture and whisk until well incorporated to get stable in emulsion.


⑥メレンゲはseparation forming methodで泡立てします。 メタルボウルに卵白3個分(約120グラム)に白ワインビネガーを3グラムほど混ぜ、電動ホイッパーで低速でsoft peakまで攪拌します。残りの1/3量にあたる30グラムの上白糖を2回分に分けてメレンゲに加えながら中速~高速で電動ホイップします。stiff peakに到達した時点で完成です。

procedure02
⑥ According to the separation forming method, pour 3 egg whites and 3 gram white wine vinegar into a metal bowl. Electric-whisk at low speed until soft peak form. Gradually adding 30 gram sugar in 2 batches, continue to electric-whisk until stiff peak form.

⑦go back methodでメレンゲと卵黄混合液を混ぜていきます。最初の1/3量のメレンゲを卵黄混合液に投入し十分にスパチュラで混ぜます。次にメタルボウルのメレンゲに全量戻して丁寧にスパチュラで均等になるまで混ぜます。
⑧天板に紙型を置き、生地を流し込みます。何回か天板を軽く小突いて大きな気泡を追い払っておきます。表面が落ち着いたら直ちに170℃で25分ほどオーブン焼きして完成です。

prodedure03
⑦Following go back method, dump 1/3 volume meringue into the egg yolk mixture and fold it until well incorporated. Then, return it to the meringue in a metal bowl, and gently fold evenly. ⑧ Set the paper mold on a cooking plate and pour the batter into it. Flip it several times to remove large bubbles. Immediately oven-bake at 170C for about 25 minutes.

この作成法では問題点が生じました。香ばしさは問題ないですが仕上がりの生地が硬すぎです(保湿の問題もある様でした)。慎重にタオルを用いて筒型をつけようとしてもヒビが入るレベルのでしたのでロールケーキの生地としては不合格です。焼く前の生地の水分量は適度だと思えましたが、焼きあがったものはパサつき感がありましたので次回この問題点を克服に行きます。問題点を改善するには、①火入れの温度を180~190℃に上げて短時間(半分の10分前後)で焼き上げることで水分の蒸発を減少させる。②小麦粉のタンパク濃度を6%台(バイオレット相当)まで段階的に落とすことを試みる予定です。割れずに誰でも簡単にきれいに巻ける美味しい生地の公式を導きに行きたいと思います。

sponge cake fv
Here is the final version shown. The left picture corresponds to the chocolate sponge cake, right does to the vanilla (plain) sponge cake, respectively. They’re well done, but a little bit firm to make a roll. I figured it’ll require lowering the protein concentration to add cornstarch and shortening the baking time to expose higher temperature.

ということで今回はタワー状に2種類のスポンジケーキを積み上げてみました(単に建設中のマンションが目線に入ったせいです)。中央にはクレームシャンティを用いて、バナナとキウイの薄切りの抱き合わせをフィリングに使いました。生地の接着には冷蔵庫に転がっていたアプリコットジャムを使用しました。なかなか面白い味に仕上がりました。

sponge cake tower
The sponge cake towering.