大型シュークリームを作ってみました。
エンゼルフードケーキのような極端な卵黄/卵白比のスイーツを作るといつも困るのが余ったほうの材料をどうするかです。今回卵黄が5個(100グラム)残りましたのでカスタードクリームにしました。クレームパティシエールを作成しますが、実際のところFrench ChouxとJapanese Chouxでは少し成分が異なります。French Chouxではカスタードを作成して別容器に移した際にバターを加えて濃厚さを出しに行きます。今回カスタードはFrench Chouxに合わせて作成しました。これはまだ配合組成表を載せていませんでしたのでここで記載しておきます。
Ingredients for French Custard | For about net 650 gram custard |
Egg Yolk (L) | 5 ea(100 gram) |
Superfine Sugar | 90 gram |
Cake Flour | 20 gram |
Cornstarch | 18 gram |
Whole Milk | 500 gram |
Salted butter | 20 gram |
さらに余った100グラムの生クリームに上白糖10グラムを加えて泡立てしクレームシャンティイを作成し出来上がったフレンチカスタードと混合してクレームディプロマットとしました(*ゼラチンは混合してません)。クレームディプロマットを作るときのカスタード:ホイップクリームの混合比ですがこれがオリジナルがどういう比率で混ぜるものなのか全く分かりません。多いのが今回の比に近い5:1前後のように思いますが3:1や2:1のレシピもあるようですので基本の配合比がどれくらいなのかを本場フランス人パティシエにでも聞きたいところでもあります。はっきり言って目的によって適当にまぜているのが現実です。結局750グラム前後あるカスタードクリームを作ってしまったわけですからこれを通常のシューに小分けすると30-40個分のシュー皮を作成する必要が出てきますのでこれは嫌です。そこで10 cmの円で4個分絞れる程度のシュー生地を作成しビックシューを作成してみることにしました。
Ingredients for big choux | Amount for φ15cm x 4 |
Water | 100 gram |
Salted Butter | 60 gram |
Superfine sugar | 8 gram |
Bread Flour | 60 gram |
Whole Egg beaten | 3 |
Baking Powder | 2 gram |
Instructions:
ビッグシュー皮( Giant Choux)の作成手順
以前にも記載しましたが、シュー皮作りで気を使うところは、(1)小麦粉を鍋に投入して混ぜる工程、(2)(1)で作成したドウに卵を混ぜて乳化させる工程の2点にさえ注意すれば今回tryしたような桁外れの大きさのシュー皮でも必ずきちんと膨らみます。
①まず別容器に強力粉(bread flour)をあらかじめ篩っておきます。今回はある程度の構造強度が必要ですのでPlain flourではなくStrong flour(Bread flour)を使用します。
②ソースパンにバター60グラムと砂糖8グラム、水100グラムを入れて中火でじわじわ沸騰させバターが完全に溶けたことを確認します。沸騰したところで篩った強力粉60グラムを一度に全部投入します。
③投入後、一旦バーナーを止め、木製しゃもじでかき混ぜながら水分を吸収させます。水分を吸収して塊化してきたところでもう一度中火に曝します。
④焦げ付かないように木製しゃもじで転がしながら余分な水分を飛ばします。ドウがまとまって、鍋底に薄皮1枚ほど引くくらいのところが適切な保湿量となります。強力粉は吸水性が高いですのでplain flourを使用する際よりも少し柔らかめのドウになります。
⑤耐熱ボウルに移してできるだけ平にして表面積を大きくして熱を逃します。これはこれ以上焼き進みしないようにすることと、次の工程で混ぜる全卵がスクランブルエッグにならないようにするためです。
⑥しばらく室温で放置して卵を混ぜても問題ない温度まで放熱させます。
⑦溶き卵を用意します。溶き卵を少量加えてはしゃもじで十分に混ぜる工程を何回か繰り返します。最初は分離していますが、ある一定量以上全卵を加えたところで安定した乳化状態に達します。今回は最後の卵1回分を加えるときにベーキングパウダー2グラムを加えました。炭酸ガスの力で膨張を補助するためです。
⑧特別な目的がない限り全部卵を混ぜる必要はありませんので、しゃもじで垂らした際に三角形の形にたれ止まりするレベルの粘稠度が最適なドウの仕上がりの目安になります。
絞り袋に移します。移さずにスプーンやディッシャーですくって半球状に天板に載せても結果は同じことになりますが、形を円形に整えるのは少し難しい作業になります。
⑨天板にクッキングペーパーを敷いて、その上にφ10cmの円を描くように絞ります(普通サイズはφ3cm位になります)。霧吹きをして、表面が乾かないように適度に水分を加えて、200℃ x 30分でオーブン調理します。
焼き始めて10分で少し高さに変化が起こりはじめ、15分で縦方向の膨張がはっきりと確認でき、25分で膨張はピークに到達します。経験的に、この化学反応はどうも大きさ、小麦粉の種類には関係しない一定の時間変化であるように思えます。逆に焼き始めの3分ぐらいまでならオーブンを開けてドウの修正が可能で、この後25分過ぎるまではオーブンの蓋を開いて内部温度を低下させてはならないということを暗示していることにもなると考えます。
この後クレームディプロマットを作成しましたが、カスタードは半日以上冷蔵庫に保管していましたので少し硬めでした。stiff peakのクレームシャンティイを投入して電動ホイッパーで混合して仕上げました。出来上がったシューは、Φ15cmもありクリーム充填量は1個250グラムにも及びました。あまりにも大きい。これ大学生にでもあげたら、キャッキャ言って喜びそうだね。