オーブンで焼く焼ドーナツ(Baked Donuts)を作る。
ドーナツは油で揚げる(fried donuts)のが主流ですが、油で揚げないドーナツは、カロリー控えめでヘルシーです。油を使用しない分あっさり仕上がりますので、ボリューム感と歯応え、口溶けの良さを意識してオーブンで焼きドーナツをこしらえてみました。ライトな仕上がりなのにボリューム感たっぷりを意識して工夫してみました。
Ingredients : 材料と配合組成
成分組成は以下の通りです。基本的なブリオッシュ(Brioche)の組成を参考に卵を増量し水分微調整に水あめを使用して作成してみました。水あめを使用しない場合は換水値に相当する水を加えてその分上白糖を増量すれば同じ組成に帰着できます。生地の砂糖の重量パーセント(W/W)は15%と甘さ少し控えめにしています。バターはいつもの北海道バター、ファットスプレッドはネオソフト、あとはほぼTopVal製品で統一しています。ドライイーストは1次発酵の必要ないfast action (or active)を使用しました。味のくどさを改善する目的でバターはファットスプレッドとの1:1ブレンドに調整しました。
Ingredients | Amount for φ12 cm x 16 rings |
Bread Flour | 300 gram |
Cake Flour | 300 gram |
Active Dried Yeast | 9 gram |
Salt | 3 gram |
Powdered Superfine Sugar | 94 gram |
Whole Egg(L) | 4(238 gram) |
Egg Yolk (M) | 1(18 gram) |
Salted Butter | 90 gram |
Fat Spread | 90 gram |
Whole Milk | 200 gram |
Sugar Syrup (“Mizuame”) | 90 gram |
Vanilla Oil | 6 drops |
Butter for surface-brush | 5 gram |
Baking Trick | 190C x 10~15 minutes |
Instructions: 調理法
①まず粉類(dry ingredients)をすべて篩います。最初に100グラムの強力粉→100グラムの薄力粉→100グラムの強力粉→100グラムの薄力粉+9グラムのドライイースト+44グラムの粉砕上白糖→100グラムの強力粉+3グラムの塩→最後に 100グラムの薄力粉+55グラムの 粉砕上白糖を大型のボウルに篩います。そのあとフォークで十分にまぜて均一に成分が分散されるようにかき混ぜます。
②500 mlの耐熱計量カップに200グラムの牛乳、90グラムのファットスプレッド、90グラムのバターを投入し湯煎ですべてが溶けて混ざりあうまで温めます。
③できたあがったバター牛乳(*(注)バターミルクではないです)を中型のボウルに注ぎます。常温でしばらく平衡しておいた全卵を1個づつバター牛乳に投入しホイッパーでかき混ぜて均一にします。
⑤ 全卵4個と卵黄1個を全部混ぜあわせた後、 大型のメタルボウルに移しかえます。
⑥前もって用意した粉類の混合物を2-3回に分けて篩ってスパチュラで混ぜます。粉が完全に見えなくなるまでcenter to margin foldで丁寧に混ぜていきます。グルテンが析出しない程度のラフな混ぜ具合です。
⑤サランラップで表面を覆い、遮光タオルをかぶせて2時間くらい常温で発酵を進めます。タオルを取り除いてドウのサイズが2-3倍になっていたら出来上がりです。この時点ではドウはドロドロしています。
⑥ドウを冷やして休ませることで硬度を回復させます。もう一度うえからタオルをかぶせて約12時間冷蔵庫で放置します。これで成形できるレベルの十分な硬さと気泡を含んだ理想的なドウになります。
⑦冷蔵庫から取り出したドウの表面に打ち粉(強力粉)をかけながらローリングピンで平板上にします(厚さは1 cmくらい)。タルト皿を作成するのと同じ要領です。
⑧φ12 cmのココット(ラメキン)で円形に打ち抜きます。次に真ん中をサランラップの芯などで打ち抜きます。これでドーナツ型が出来上がりました。
⑨このまま天板にクッキングシートを引いて焼くと裏面が焦げ付きますので、グリル調理の時と同じ要領でまず天板の上にアルミホイルを敷いて天板からの熱の直撃を緩衝できるようにします。この上にクッキングシートを敷きます。
⑩この上に形成したドウを載せます。しばらく(20~30分)遮光タオルで覆って放置して常温に戻し丈を調整します。ドウは柔らかいのでパレットナイフかターナーを使用して丁寧に移動させます。
⑪待ち時間に、各種のグレーズを用意します。基本的には牛乳または、イチゴワイン、レモンジュースなどにパウダーシュガーを混ぜたもの(いわゆるグラスアロー)、かグラスアローにココアパウダーや抹茶ミルクパウダー(8~10グラム)など加えてフォークで混ぜて簡単に作ります(焼成中に用意してもいいともいます)。好みのグレーズを用意します。
⑪ 1.5倍くらいに膨張したらオーブンで190℃ x 10~15分(表面がgolden brownに焼けるまで)焼成します。オーブンに入れる前、または途中で焼き具合確認の際に溶かしバターを刷毛で表面に軽く塗っておくと焼き上りは非常に食欲をそそる色調になります。油断して焦がさないように注意が必要です。 レンジの中で3倍くらいにボリュームアップしているのが分かると思います。
⑫焼きあがったら直ちに別皿に移して、表面をグレーズにつけます。このあと粉末ココナツや抹茶パウダー、シナモンパウダーなどを振りかけてクーリングラックの上で冷まします。すぐに冷めますのでおまちかねの試食タイムになります。
さて、ミ〇ドの店頭のようにたくさんならびました。真ん中を打ち抜いた分も美味しい円形ドーナツになりますので余すところなく焼きたくります。
高さが3 cmくらいありますのでV=36π x 3 [cm3] の体積ですから十分なボリュームが得られました。生地は適度な硬さで歯応えも十分ですが、口溶け感が非常によいのが気に入りました。とくにこのイチゴワイングレーズ仕立ては非常に満足できる一品でした。