Sponge Cakeを作る; (その6):世界最速で焼けるスポンジケーキの王道”ヴィクトリアスポンジケーキ”を焼いてみました。

Victoria Sponge Cake

ヴィクトリアスポンジケーキ : Victoria Sponge Cakeを作る。

略号をE: Whole Egg(全卵)、F: Flour(小麦粉)、S: Sugar(グラニュー糖)、B: Butter(バター)としたとき、E : F : S : B = 1 : 1 : 1: 1に組成配合したものの代表格がヴィクトリアスポンジケーキ(Classic Victoria Sandwich: ビクトリアサンドウイッチとも呼ぶそうです)です。この組成はパウンドケーキの組成と比率は同じ(パウンドケーキは材料をイギリスの通貨1ポンド(£)に相当する分量に統一して作るのがオリジナルレシピです)。小麦の重量を卵黄の重量と等量もしくはそれ以上使用しますのでこれぞ真のスポンジケーキと言わんばかりの重量感とナイフを入れたときにずっしりとくる独特な感じ、かむと感じるheavyなテクスチャーのすべてを備えています。バターの使用量が多いですので全量バターで仕上げるとビスケットの食感に幅寄せしていきますので私は、冷蔵庫で保管することも考慮して20-40%位をファットスプレッド(ネオソフト)で置換することが多いです。オリジナルレシピでは2つのスポンジの間にイチゴジャムを挟み、表面にスライスしたイチゴを載せてパウダーシュガーを振りかけたシンプルなレシピとなっています(これがヴィクトリア女王がお召し上がりなったレシピだそうです)。恐らく世界最速で焼き上げることのできる美味しいスポンジケーキです。

配合組成は以下のようになります。イチゴジャムは自作したほうが断然おいしいケーキになると思いますが、今回は生地のおいしさを邪魔しないようにあっさり目に植物性ホイップクリームを挟んでみました。GS: Granulated Sugar : グラニュー糖。牛乳はバッターが硬すぎるので少しだけ緩めるために使用しますのでほんの少量です(加えなくてもいいですがたいてい加えないとうまくfoldできません)。全卵は予定では180 gram前後になるはずでしたが実測値は164 gramでした。

IngredientsAmount for φ18 cm cake pan
Salted Butter120 gram
Fat Spread60 gram
Powdered Superfine Sugar (or GS)135 gram (GS 180 gram)
Whole egg (L)3 ea (164 gram)
Cake Flour170 gram
Baking Powder7 gram
Salt3 gram
Vanilla Oila few drops
Whole Milkless than 10 gram
Baking Trick170C x 45 minutes
For Filling
Whipped topping200 gram
Powdered Superfine Sugar 15 gram
Fresh Strawberry1 pack
Confectioners’ sugar for frosting

Instruction: レシピ
まず、φ18 cmの焼型(springform pan)にクッキングペーパーを貼ります。次にオーブンを170度まで予熱します。
1. バター120グラム(常温)、マーガリン60グラムと粉砕上白糖135グラムをボウルに入れホイッパーでクリーム状になるまでしっかり混ぜます。
2. 全卵3個を溶いて、混ぜます。この作業はタフですので電動ホイッパー使用します。たぶんこの時点ではいくらかき混ぜても少し卵とバターが分離しています。
3. 薄力粉ベーキングパウダーを篩います。3/1くらいずつ篩いながら丁寧にスパチュラでホールドしていきます。
4. バッターが硬いようであれば牛乳を少し加え、スパチュラで混ぜるのが困難でない程度に緩めます。
5. 粉類がバッターに十分なじんで安定した乳化状態に到達したところで焼型に注ぎます。少し爪楊枝でかき混ぜて大きめの泡を除いておきます。
6.オーブンで170℃ x 45分焼成します。途中表面の焼け具合が進みすぎるようならアルミフォイルで表面をカバーします。
7.焼き終わったらクーリングラックの上で室温でケーキを冷まします。冷めたらモールドを解除してクッキングペーパーを剥がします。半分にカットして2層のスポンジケーキにします。イチゴも縦に3分割します。真ん中のスライスになる平板状のイチゴはトッピングに使用します。
8.ボウルを冷凍庫に入れて10分以上十分に冷却します。ボウルを取り出してよく冷えたホイップクリーム200グラムに粉砕上白糖15グラムを加え、電動ホイッパーでstiff peakまで泡立てします。
9.スポンジケーキ1層目にホイップクリームを塗り、スライスしたイチゴを並べます。もう一度ホイップクリームを塗って向かい合うようにスライスしたイチゴを並べます。ホイップクリームを塗って2層目のスポンジケーキを載せます。
10.フロスティング用のパウダーシュガー(粉砕グラニュー糖にコーンスターチを重量比で3%加えたもの)を篩い、平板状のイチゴを並べます。もう一度パウダーシュガーを篩い完成です。

Making a Victoria Sponge Cake: In advance, grease a cake pan to line parchment paper, and preheat the oven up to 170C. ① Place 120 gram salted butter and 60 gram margarine, 135 gram powdered superfine sugar in a large bowl. Whisk until it gets creamy. ② Beat 3 whole eggs and pour them into the butter cream and whisk until well incorporated as possible. That’s a tough work so that you had better to use an electric whipper. ③Shift 170 gram cake flour and 7 gram baking powder, 3 gram salt over the egg-butter mixture in 3 batches, and fold it. If the batter is too hard, loosen it by adding some milk. ④Pour the batter into the cake pan and oven-bake at 170C for about 45 minutes. ⑤ Let it cool at room temperature. After unmoulding to rip the parchment paper, divide the cake horizontally in 2 parts. ⑥ Paste the whipped cream on the surface of the one of the divided cakes. Place sliced strawberries over it. Again, set the whipped cream and place strawberry-pieces over it. ⑦ Place another layered cake on top. Sprinkle confectioner’s sugar and place strawberry-plates on top. Chill it in a fridge until served.

ケーキカットするとザクッとした重量感を感じます。断面はきれいな黄色で質感があります。シンプルですが上品で美しいケーキだと思います。ミルクティーやウインナーコーヒーを添えてティータイムにいかがでしょうか。

Sponge Cakeを作る (その5-2); シフォンケーキを極める part 2-2 : 5種類のシフォンケーキサンプル( A→E )から、生地の断面構造と食感を比較し、最適な小麦粉/砂糖の配合比( high ratio)と卵黄/卵白混合比を決定、シフォンケーキのオリジナルレシピを完結する。

modified chiffon cake

基本的なシフォンケーキの配合比を変更してオリジナルなシフォンケーキを作成しにいきました。食感や卵黄の風味などそれぞれ好みがあると思いますので少しライトで引き締まった食感のシフォンケーキに仕上げてみました。

まずは前回の色々な卵黄:卵白の配合比から美味しそうなスポンジに発展しそうなベースの生地をチョイスします。略号はEY: 卵黄、EW: 卵白、PSS: 粉砕上白糖、CT: クリームオブターター、VO: バニラオイル、BP: ベーキングパウダーです。作成方法はシフォンケーキ標準レシピの常法に従って5種類のサンプル生地( A→E )をφ 6 cmのラメキンで焼成しました。

A→Eまでの断面を観察します。A: EY: EW =0:5、B: EY: EW =1:5、 C: EY: EW =2:5、D: EY: EW =3:5、E: EY: EW =4:5と左から右へ並んでいます。D,Eは焼き時間を延長する必要があり、Eは構造強度が強く質感があるためクッキングペーパーの隙間を破って膨張したため裂けました。

Cut-surface of sample cakes with the various combination of egg yolks per egg whites : Figures correspond sample A to E from left to right. Sample A is a typical angel food cake. The ratio egg yolks per egg whites is; 0 in A, 1/5 in B, 2/5 in C, 3/5 in D, 4/5 in E. Unfortunately, sample E ruptured during oven-bake.

5種類のサンプルからサンプルCをチョイスしました。触感がエンゼルフードケーキに近く、焼成した卵黄の食感も程よい感じでBPによる縦方向の引き延ばしでさらに口当たりの改善が得られそうな印象でした。下図の中央左はエンゼルフードケーキ、中央右は基本のシフォンケーキ(BP使用)の断面、右図がサンプルCの断面です。BPによりCの断面がどのように変化するか大まかな方向は予測できそうです。

The sample C was selected for its modification. I assumed that the sample C will change its texture into that close to a typical chiffon cake plus an angel food cake with using baking powder.

サンプルCをベースにオリジナルなシフォンケーキの配合を考えました。卵黄:卵白の比率は2:5前後をチョイスします。これを軸に水分/小麦粉比(バッターの粘度とベーキングパウダーの効果に影響)、砂糖(上白糖)/小麦粉(>1(0.75)のhigh ratioに収める)に計算をして微調整します。水分比のカギになる牛乳(換水値90)の量は卵黄混合液に小麦粉を少量ずつ混合し、バッターの粘度(consistency)を見ながら少しずつ補充した結果、total 40 ml加えました(換水率からの理論値は10 ml相当です)。薄力粉の総使用量は102 g となりました。配合組成を下記に示します。今回作成したバッターをChiffon C、前回作成した基本のシフォンケーキをChiffon N, エンゼルフードケーキをChiffon Zとし、教科書的なシフォンケーキをchiffon Tとしています。C, N, Zはφ18cmのケーキパン用の用量(実測値で単位はグラム(g))で、Tは小麦粉を100とした時の配合比で示します。略号はPSS: Powdered Superfine Sugar, GS: Granulated Sugar, CT: Cream of Tartar, VO: Vegetable Oil, BP: Baking Powderです。

IngredientsChiffon C Chiffon N Chiffon Z Chiffon T
Cake Flour10213060100
PSS (GS)841046081 (108)
Whole Egg143
Egg Yolk52 (2.8 ea)74 (4 ea)
Egg White226 (7 ea)173 (5 ea)210 (5 ea)
CT31.331
VO405240
Water (Milk)(40)(104)80(88)
Salt2.02.512
BP454
Vanilla Oila few dropsa few dropsa few drops
Almond Essencea few drops
Baking Trick170C x 40 minutes 170C x 55 minutes 170C x 35 minutes
Blending Ratio of the Chiffon Cake C : Chiffon C → modified version (new), Chiffon N → conventional chiffon cake previously made, Chiffon Z → basic angel food cake, Chiffon T → basic chiffon cake (from text book)

入手した卵による誤差が微妙に出てきますので実測値だと同じ2個でも変わってきますので卵黄重量は、このシリーズの初期値である18.5 g/1個で統一してカウントしなおしています。これにあまりこだわりすぎるとお菓子作りが嫌になってきますのでほどほどの落とし所にしました。卵黄/卵白重量比では23%位になっていますので少し軽い食感に仕上がります。濃厚クリームやチョコレートグレーズなどで少しこってりしたフロスティングをしてもしつこく感じることはなさそうです。

Instruction: 調理法

シフォンケーキ作りの常法に準じますので端折ります。
①卵黄3個分、粉砕上白糖42グラム、牛乳40グラム、キャノラオイル40グラムを耐熱ボウルに入れ、Bain-marieで混合します。
②薄力粉102グラム、ベーキングパウダー4グラムを少しずつ篩い、ホイッパーで混ぜて安定した乳化状態にします。少し粘調ですがグルテンが析出してくるほどではないです。
③7個分の卵白にクリームオブターター3グラムを加えて、電動ホイッパーで泡立てします。粉砕上白糖を加えstiff peakのメレンゲに仕上げます、
④go back methodにしたがい両者を混合し、均一な生地になったら焼型に注ぎます。多すぎるようならラメキンに注いでカップケーキのように一緒に焼きます。ラメキンは170C x 20分、チューブパンの方は170C x 40分焼きます。
⑤ラメキンのケーキは熱いうちにパレットナイフで側面をぐるっと切り離してお皿にひっくり返して抜き出します。これで焼縮みは最小限になります。チューブパンはひっくり返してマグカップの上で冷まします。

Modified chiffon batter: Place 3 egg yolks, 42 gram powdered superfine sugar, 40 gram oil, and 40 gram milk into a middle bowl over Bain-marie and mix well. Shift 102 gram cake flour and 2 gram salt, 4 gram baking powder over the egg yolk mixture,and whisk until well incorporated. Place 7 egg whites and 3 gram cream of tartar in a metal bowl, and electric-whisk until soft peak form. Gradually adding the powdered superfine sugar, electric-whisk until stiff peak form. According to the go back method, combine the egg yolk mixture and the stiff peak meringue to fold it gently until it gets smooth and even. Pour the batter into the tube pan and oven-bake at 170C for 40 minutes.

膨張率から考えて、チューブパンに注ぐバッターの量は高さが2/3位に届くくらいが丁度いい感じでした。ラメキンで焼いたものは形、触感もなかなか行ける感じでしたので相性のいいフロスティングを特別に何か考えたいところです。

シフォンケーキのほうは、スポンジの味に影響しないようにパイナップルとフォンダンでトッピングしようと試みましたがちょっとした油断でフォンダンがオレンジリキュールカラメルになってしまいましたが、結果オーライということで完成です。

Final version of the modified chiffon cake

チョコレート苦手派流オリジナルシフォンケーキの配合組成は、
薄力粉 102グラム、粉砕上白糖 84グラム、卵黄 3個、卵白 7個、クリームオブターター 3グラム、植物オイル 40グラム、牛乳 40グラム、塩 2グラム、ベーキングパウダー 4グラム、バニラオイル 少々
オーブンタイム 170℃ 40分
となりました。

Sponge Cakeを作る(その5-1) ; シフォンケーキを極める part2-1: 教科書的なエンゼルフードケーキを基準に、小麦粉、砂糖、卵黄、卵白の比率を少しずつ変化させ教科書的なclassic chiffon cakeの組成になるまでA→Eの5段階のバッター(batter)サンプルを作成しオリジナルシフォンケーキの配合を決定するための予備試験を行った。

クラシックシフォンケーキ

基本のシフォンケーキ:Classic Chiffon Cake

前回シフォンケーキの原点であるエンゼルフードケーキを作成しゼロの「基準」を確認しました。今回はこの基準点から卵黄重量と保水量を少しずつ変化させながら変化の方向軸を確認に行きます。油脂にバターを加えるとテクスチャーの変化が大きすぎて方向性が分からなくなりますので油脂はオイル(キャノラオイル)に統一し、乳化に問題のない比率で加え、卵黄分量に比例させて増量します。その分保湿に必要な水分を牛乳で加えます。保水量は標準的なシフォンケーキの重量比から使用する卵黄重量に比例換算して計算しました。また今回も構造の弾性/歯ごたえに影響するベーキングパウダーは使しません。鉛直方向への膨張はメレンゲの起泡性と水蒸気圧のみを利用します。

①エンゼルケーキの立ち位置(座標)を”0″と決めましたので、個数換算(卵黄(個)/卵白(個))を基準とする水平軸(仮にX軸上に採ると)基本的なスポンジケーキの位置Sは、S=1.0(1/1)にあることになります。位置の変数xは、0<x<1にある条件でxはシフォンケーキの集合の要素を満たします。x=0.8(4/5)の位置がシフォンケーキの標準混合比となります。ちなみにx>1がカステラスポンジケーキの要素となります。まずは、エンゼルケーキ(x=0)の対極に相当するx=0.8の基本のシフォンケーキ(Classic Chiffon Cake)をΦ18 cmのシフォンケーキパンでこしらえます(ベーキンングパウダーは使用、ただし油脂はキャノラオイルに限定)。この風味と食感をよく覚えておきます。これが食感の方向ベクトルを推定するヒントになるはずです。

卵黄/卵白配合比と小麦と砂糖の配合比(ratio high / low)から分類したスポンジケーキの分類

教科書的な基本のシフォンケーキの配合組成は以下の通りです。Encyclopedia of Food and health 2016: P 582より引用させていただきました。これより上白糖を用いる場合の比率はシフォンケーキで81、エンジェルフードケーキで161と概算しました。

Chiffon Cake
(% Flour Weight)
Angel food Cake
(% Flour Weight)
Flour100100
Granulated Sugar108215
Egg White277
Whole Egg143
Cream of Tartar14
Oil40
Water 80
Salt21
Baking Powder4
教科書的なシフォンケーキとエンゼルフードケーキの配合組成:Encyclopedia of Food and health 2016: P 582より引用

ここから分量をΦ18 cmサイズのシフォンケーキ専用の焼型に合わせて計算、微調整していきます。ただし卵黄/卵白=4/5(個数比)で作成しますので少し分量修正が必要になります。卵白の換水値を80、牛乳の換水値90とし、卵白重量は1個34.6グラムでしたので卵黄より1個分多い卵白は約28グラムの水分とカウントしました。下記に今回作成した標準タイプのシフォンケーキの配合組成表を示します。
ただし以下のHigh Ratio ケーキの基本公式を使用します(焼型容積率75%で概算)。

① 卵の総用量(グラム)+ ミルクの総用量(グラム)>グラニュー糖の総用量

今回は卵黄74グラム+卵白173グラム=247グラム(実測値)、換算値は74 + (173-34.6)=212.4(=212グラム)の全卵総重量としました。全卵重量/小麦粉重量=1.63 (オリジナル1.43より14%誤差あり)

ミルク用量は換算値で104グラムなので トータル316グラム、上白糖総用量uはその3/4以下の分量なので237グラム未満と計算できる。(*多いほど仕上がったケーキの保湿が良好となり、長持ちする。)
換算値は、u=104グラムであるからこの条件を十分満たしている。

②小麦粉の総用量<砂糖の総用量 上白糖では小麦粉値との重量比0.75以上
104/130 = 0.81 > 0.75 これも条件をみたしている。

以上の約束定理を考慮した上で作成した成分配合表は以下のようになりました。これもある意味では結果的にオリジナルな配合組成になります。比較的きれいな数値になっているのではと思います。

IngredientsFor Φ18 cm tube pan
Egg Yolk4 e.a (74 gram)
Powdered Superfine Sugar52 gram
Vegetable Oil (canola)52 gram
Whole Milk104 gram
Cake Flour130 gram
Salt2 gram
Baking Powder5 gram
Egg White5 e.a.(173 gram)
Cream of Tartar2 gram
Powdered Superfine Sugar52 gram
Baking Trick170C x 55 minutes
Basic Chiffon Cake Recipe

Instructions: これはほぼエンジェルケーキと同じですので端折ります。
①卵黄、砂糖、オイル、牛乳をBain-Marieで混合します。
②小麦粉、塩、ベーキングパウダーを篩い、①と混合し安定した乳化状態にします。
③卵白にクリームオブターターを加えて、電動ホイッパーで泡立てし砂糖を加えながらメレンゲを仕上げます。
④メレンゲと卵黄混合液を混ぜてバッターを完成し、焼型に注ぎ170℃で55分オーブンで調理します。

Making chiffon batter: Place 4 egg yolk, 52 gram sugar, 52 gram oil, and 104 gram milk into a middle bowl over Bain-marie and mix well. Shift 130 gram cake flour and 2 gram salt, 5 gram baking powder over the egg yolk mixture,and whisk until well incorporated. Place 5 egg whites and 2 gram cream of tartar in a metal bowl, and electric-whisk until soft peak form. Gradually adding sugar, electric-whisk until stiff peak form. According to the go back method, combine the egg yolk mixture and the stiff peak meringue to fold it gently until it gets smooth and even. Pour the batter into the tube pan and oven-bake at 170C for 55 minutes.

オーブンで170度で55分焼いていく際のシフォンケーキが膨らむ過程を示します。焼き始めて5分ほどで表面が膨らみはじめ、10分で明らかに上に凸、20分で焼型の側面の高さを超えてしまったので表面にヒビが見え始め、25分で膨張はピークに達し接触面を失った生地の頂部は割れました(少しバッターが多すぎたことが原因でしょうね、容積率は55~60%でいい印象)。いずれにせよ表面はカットして平らにしますので結果的にはこのことはどうでもいいことにはなります(少しははみ出ないとカット出来ない)。

Thermal expansion of the batter: In 5 minutes baking at 170C, the batter begins to show its elevation. In 10 minutes, the apparent lentiform elevation appears. In 20 minutes, the elevation of the batter gets over the side wall of the tube pan to cause disruption of the surface. In 25 minutes, it reaches the peak elevation with marked crack.

オーブンから取り出した後は、焼型をひっくり返しマグカップなどの上に乗せて室温で冷ませます。上部の焼型からはみ出した部分をカットし表面を平らにします。保管する場合は水分が蒸発しないようにラップで包んで冷蔵庫に入れておきます。今回はスポンジの味にあまり影響がでないように植物性ホイップクリームであっさりとフロスティングしました。標準の4:5混合のシフォンケーキ、流石に公式化されて公表されているだけあって一部の隙もない食感の完成度です。ここから卵黄の混合比を変えてオリジナルな配合黄金比を探りにいきます。

クラシックシフォンケーキ完成

②次に、ミニチュア版のカップケーキサイズのサンプルA〜E(ベーキングパウダーなし)で卵黄の含量による食感の変化を探りにいきます。サンプルはA: zero(卵黄混合0)、B: 卵黄:卵白-1:5相当(個数比)、C: 卵黄:卵白-2:5相当 、D: 卵黄:卵白-3:5相当 、E: 卵黄:卵白-4:5相当 (標準のシフォンケーキ配合)、 として設定しすべてφ6cmのラメキンで作成しました。焼き時間は170℃x20分を目安としました。配合組成表は以下の通りです。略号はEY: 卵黄、OI:オイル、MI:ミルク、EW:卵白、CT:クリームオブターター、SA:塩、PS: 粉砕上白糖、CF:薄力粉、TE:使用した卵黄混合物、TM: 使用したメレンゲー薄力粉混合物、TV: total volume、BT: Baking Time(焼き時間)です。卵黄混合物は今回卵黄5個で81グラムでしたので卵黄1 個20グラムを使用する際の用量に修正しました。これにより数学的に美しく目視でわかりやすい配合に組み上げました。最終比率(卵黄/卵白パーセント)は、A=0%, B=11.7%, C=23.5%, D=35.2%, E=47.0%となります。基本のシフォンケーキに使用されている卵黄:卵白の重量比は、1:2~3であることがわかります。

IngredientsABCDETV
EY048121640/81(5)
PS0246820
OI03691230
MI0510152050
TE014284256140
EW3434343434170(5)
CT0.60.60.60.60.63
SA0.20.20.20.20.21.0
PS121212121260
CF121212121260
TM5959595959354
BT2020202530
Blending Ratio of the Sample Batter : Abbreviations are as follows; EY: egg yolk, OI: oil, MI: milk, EW: eg white, CT: cream of tartar, SA; salt, PS: powdered superfine sugar, CF: cake flour, TE:; total egg yolk mixture, TM: total meringue flour mixture, TV: total volume, BT: baking time

だいぶ長編記事で複雑化してきたのでここで一旦切ります。次回この結果と、結果からチョイスした配合でΦ18cm大のオリジナルシフォンケーキを焼いてみます。

Epic Giant Chouxを作る

大型シュークリーム

大型シュークリームを作ってみました。

エンゼルフードケーキのような極端な卵黄/卵白比のスイーツを作るといつも困るのが余ったほうの材料をどうするかです。今回卵黄が5個(100グラム)残りましたのでカスタードクリームにしました。クレームパティシエールを作成しますが、実際のところFrench ChouxとJapanese Chouxでは少し成分が異なります。French Chouxではカスタードを作成して別容器に移した際にバターを加えて濃厚さを出しに行きます。今回カスタードはFrench Chouxに合わせて作成しました。これはまだ配合組成表を載せていませんでしたのでここで記載しておきます。

Ingredients for French CustardFor about net 650 gram custard
Egg Yolk (L)5 ea(100 gram)
Superfine Sugar90 gram
Cake Flour20 gram
Cornstarch18 gram
Whole Milk500 gram
Salted butter20 gram

さらに余った100グラムの生クリームに上白糖10グラムを加えて泡立てしクレームシャンティイを作成し出来上がったフレンチカスタードと混合してクレームディプロマットとしました(*ゼラチンは混合してません)。クレームディプロマットを作るときのカスタード:ホイップクリームの混合比ですがこれがオリジナルがどういう比率で混ぜるものなのか全く分かりません。多いのが今回の比に近い5:1前後のように思いますが3:1や2:1のレシピもあるようですので基本の配合比がどれくらいなのかを本場フランス人パティシエにでも聞きたいところでもあります。はっきり言って目的によって適当にまぜているのが現実です。結局750グラム前後あるカスタードクリームを作ってしまったわけですからこれを通常のシューに小分けすると30-40個分のシュー皮を作成する必要が出てきますのでこれは嫌です。そこで10 cmの円で4個分絞れる程度のシュー生地を作成しビックシューを作成してみることにしました。

Ingredients for big chouxAmount for φ15cm x 4
Water100 gram
Salted Butter60 gram
Superfine sugar8 gram
Bread Flour60 gram
Whole Egg beaten3
Baking Powder2 gram

Instructions:
ビッグシュー皮( Giant Choux)の作成手順
以前にも記載しましたが、シュー皮作りで気を使うところは、(1)小麦粉を鍋に投入して混ぜる工程、(2)(1)で作成したドウに卵を混ぜて乳化させる工程の2点にさえ注意すれば今回tryしたような桁外れの大きさのシュー皮でも必ずきちんと膨らみます。

①まず別容器に強力粉(bread flour)をあらかじめ篩っておきます。今回はある程度の構造強度が必要ですのでPlain flourではなくStrong flour(Bread flour)を使用します。
②ソースパンにバター60グラムと砂糖8グラム、水100グラムを入れて中火でじわじわ沸騰させバターが完全に溶けたことを確認します。沸騰したところで篩った強力粉60グラムを一度に全部投入します。
③投入後、一旦バーナーを止め、木製しゃもじでかき混ぜながら水分を吸収させます。水分を吸収して塊化してきたところでもう一度中火に曝します。

Place 60 gram butter and 8 gram superfine sugar, 100 gram water in a saucepan over medium-high heat, and bring it to a simmer. When the butter is completely resolved, dump 60 gram shifted bread flour all at once. Turn off the burner and stir with a wooden soon until the dough gets chunky. Again turn on a burner and stir the dough vigorously to remove excess water.

④焦げ付かないように木製しゃもじで転がしながら余分な水分を飛ばします。ドウがまとまって、鍋底に薄皮1枚ほど引くくらいのところが適切な保湿量となります。強力粉は吸水性が高いですのでplain flourを使用する際よりも少し柔らかめのドウになります。
⑤耐熱ボウルに移してできるだけ平にして表面積を大きくして熱を逃します。これはこれ以上焼き進みしないようにすることと、次の工程で混ぜる全卵がスクランブルエッグにならないようにするためです。

When the thin membrane appears on the bottom of the saucepan (as you can see in the third picture), transfer the dough in to a middle bowl. Flatten the dough to stop over-baking and let it cool at room temperature for a while.

⑥しばらく室温で放置して卵を混ぜても問題ない温度まで放熱させます。
⑦溶き卵を用意します。溶き卵を少量加えてはしゃもじで十分に混ぜる工程を何回か繰り返します。最初は分離していますが、ある一定量以上全卵を加えたところで安定した乳化状態に達します。今回は最後の卵1回分を加えるときにベーキングパウダー2グラムを加えました。炭酸ガスの力で膨張を補助するためです。

Adding beaten eggs little by little, combine the dough and the beaten egg with confirming that the dough gets creamy in emulsion. This process needs tough work. It may be helpful to use a wooden spoon of long stick.

⑧特別な目的がない限り全部卵を混ぜる必要はありませんので、しゃもじで垂らした際に三角形の形にたれ止まりするレベルの粘稠度が最適なドウの仕上がりの目安になります。
絞り袋に移します。移さずにスプーンやディッシャーですくって半球状に天板に載せても結果は同じことになりますが、形を円形に整えるのは少し難しい作業になります。

The optimal consistency is shown in the third picture. The dough scooped with a spoon hangs down with forming a triangle shape. Transfer the dough into a pastry bag.

⑨天板にクッキングペーパーを敷いて、その上にφ10cmの円を描くように絞ります(普通サイズはφ3cm位になります)。霧吹きをして、表面が乾かないように適度に水分を加えて、200℃ x 30分でオーブン調理します。

Pipe an estimated φ 10 cm round on a parchment paper on a cooking plate, and spray water to prevent the surface of the dough from getting dry. Oven-bake at 200C for 30 minutes. As you can see in the pictures, the dough starts ballooning in a 10 minutes and in 15 minutes, shows an apparent elevation, in 25 minutes reaches the maximum elevation.

焼き始めて10分で少し高さに変化が起こりはじめ、15分で縦方向の膨張がはっきりと確認でき、25分で膨張はピークに到達します。経験的に、この化学反応はどうも大きさ、小麦粉の種類には関係しない一定の時間変化であるように思えます。逆に焼き始めの3分ぐらいまでならオーブンを開けてドウの修正が可能で、この後25分過ぎるまではオーブンの蓋を開いて内部温度を低下させてはならないということを暗示していることにもなると考えます。

The final version of the choux has 15 cm in a diameter which is filled with 250 gram cream diplomat. I’ve never made such an incredible big choux like this.

この後クレームディプロマットを作成しましたが、カスタードは半日以上冷蔵庫に保管していましたので少し硬めでした。stiff peakのクレームシャンティイを投入して電動ホイッパーで混合して仕上げました。出来上がったシューは、Φ15cmもありクリーム充填量は1個250グラムにも及びました。あまりにも大きい。これ大学生にでもあげたら、キャッキャ言って喜びそうだね。