MRアンギオグラフィー(MR Angiography: MRA)

MRアンギオグラフィー(MR Angiography: MRA)

動脈造影のゴールドスタンダードは直接動脈を穿刺して目的の動脈付近までカテーテルという細長い管を挿入し、造影剤を急速動注して撮像する血管造影検査ですが、MRIを用いて非侵襲的に全身の血管の2Dまたは3D画像を得ることができます(MRアンギオグラフィー)。MRAは非造影MRAと造影MRA(MRI専用の造影剤を用いる)の2通りの撮影方法がありますが、スクリーニングに前者、精査に後者が向いています。脳ドックなどでは非造影MRAにより動脈瘤の有無や血管狭窄の有無をスクリーニングできます。しかしながら狭窄病変の詳細な画像や3D画像が必要な場合は造影MRAを行います。

<頭蓋内動脈の非造影MRA画像>

Brain-MRA

 正常なMIP再構築画像         右前大脳動脈に1cm大の脳動脈瘤

MRAの目的:全身の血管病変の評価、狭窄病変、側副結路の同定など

準備:造影MRAの際は、ダイナミックMRIに準じて絶(飲)食が必要です。

撮影方法:造影MRAは、ダイナミックMRI同様に生理食塩水100mlで前腕の静脈に血管確保の上、造影剤を投与し種々の条件で撮影を開始します 。使用する造影剤は、細胞外液性Gd造影剤です。造影後の画像から造影前の画像を差し引きした差分画像(サブトラクション)を得た後に、MIP(Maximum Intensity Projection)像またはVR(Volume Rendering)像で再構築します。 

造影MRA画像

造影MRA

腎・骨盤動脈の造影MRA (MIP/VR)          大動脈弓のMRA(VR)

MRアンギオポルトグラフィー(MR Angio-Portography: MRAP)

MRAの撮影方法を、腹部領域に適用することで肝臓に出入るする血管を描出できます。これより静脈瘤の発達具合や巨大シャントを評価することができます。CTAからもポルトグラフィーを再構築できますので両者を比較することで正確な存在部位を特定できます。

MRAP(正常症例)/MRAP(門脈圧亢進症症例)/CT Portography

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