当院かかりつけの皆様に感冒症状が出現した場合の受診手順/時間帯について下記のように設定しました( 下記①〜③)。
①発熱/感冒症状のある患者と定期受診患者ができるだけ同じ空間に存在しないようにするため、感冒症状が出現した場合は、11:30 ~ 12:30の時間帯(月、火、水、金)で完全予約診察を行う方針としました。この時間帯は基本的に感冒症状のない定期受診の方は受診を控えてくださいますようお願い申し上げます。*もし、同時受診となった場合はロールスクリーンで待合を分離します。
②発熱、または、ひどい咳症状が出現された場合はすべて予約診察としますので、来院前に必ずお電話頂き上記時間帯内にご予約くださいますようにお願いいたします。また、電話受診の際必ず症状を受付にお伝えください。バイオエアロゾル感染によるクラスター発生防止のため、くれぐれも自己都合で来院されませんようご協力願います。
③問診を含めた簡易トリアージは、基本的に院外(駐車場)で院長がフル装備をして行います。簡易トリアージが終わるまで勝手に館内にお入りになりませんようご協力願います。また付き添い、介助者の院内への同行は特例を除き、原則1名までとさせてください。
当院に到着されてから:
到着されたら携帯で受付(086-465-5118)にご連絡願います。問診票記入の準備を行います。接触感染防止のため当院が配布する簡易ビニール手袋を装着していただきます。館外でもマスク着用は義務化します。指示に従えない方は診察をお断りすることがあります。
①まず、トリアージ用問診票で発熱者を大まかに2パターンに分類します。
パターン1 : ほぼ、ウイルス感染と推測される愁訴を示すグループ
<典型症状>
◯弛張熱 ( remittent fever :熱幅の日内変動が1℃以上あるが平熱(37℃以下)までは下がらない)
◯関節/筋肉痛
<随伴症状>
◯全身倦怠感
◯頭痛、結膜炎
◯鼻汁、咽頭痛、咳(空咳)
◯下痢、嘔吐、腹痛
◯39℃近い熱発のみでその他の症状なし
上記の典型症状の1つ以上に随伴症状2つ以上(特に太字は重要)が愁訴の場合、インフルエンザ、アデノウイルス、RSウイルス、ノロウイルスなどの冬季に流行するウイルス感染に罹患している可能性がまず考えられます。COVID19スーパースプレッダーとの濃厚接触でもないかぎり初日から派手な熱発と全身倦怠感を伴う場合は、インフルエンザなどの既存のウイルス感染がまず疑われます。
*COVID19感染者のほとんどは軽微症状者ですので最初は微熱か軽度の咽頭痛程度しか生じない方がほとんどだと思われ、しかも1週間ほどで軽快します(接触歴やその他に疑わしい症状がない限り軽微症状では現時点では、残念ながらPCR検査を公費で行う適応にはなっていません。逆にこのことは、野放しによる現在の家族、職場内感染拡大の根本原因に繋がっていると考えます)。
これに加えて、下記の非典型症状や付帯条件が加わると新型コロナウイルス(COVID19)に罹患している可能性が非常に高くなります
非典型症状 ◯味覚/嗅覚異常
(コーヒーの味が分からないなど)
◯労作性呼吸困難(動くと息切れ)
◯胸が痛い
付帯条件 ◯流行地域へ出張、旅行等
◯COVID19患者らしい人との接触者
パターン2:細菌感染を疑う愁訴を示すグループ
<典型症状>
◯間欠熱 ( intermittent fever : 熱が上がったり平熱まで下がったりする:日内変動)または稽留熱 ( continuous fever : 日内変動が1℃以内の持続熱)
◯湿性咳嗽 (喀痰の絡む咳)、膿性喀痰
<随伴症状>
◯食欲不振
◯扁桃腫大/嚥下困難症状
◯後鼻漏を伴う鼻閉感、こもり声、嗅覚/味覚低下
(典型的な副鼻腔炎の症状)
◯下痢、嘔吐、腹痛
◯発症後1,2日でどんどん症状増悪
典型症状の1つ以上、随伴症状の2つ以上を満たすと細菌感染症による熱発の可能性が高くなります
●パターン1に該当する方は、COVID19に罹患している可能性が否定できません。
パターン1のケース:症状に応じてインフルエンザまたは、COVID19迅速抗原定性検査をまず玄関先のPCRブースで行い、その場で判定を行います。陰性の場合、咳嗽の激しい方は特製フェイスシールド着用していただいた上、院内で確定診断のための検査を追加します。その上でやはりCOVID19が疑わしい場合、再度PCRブースでPCR用鼻腔検体を採取します。この場合はCOVID19専用の問診票に再度記入をお願いいたします。
*現時点では、PCR検査は当院かかりつけの皆様への限定プレミア対応です。
●パターン2に該当する方は、肺炎やその他の細菌感染に伴う敗血症を生じている可能性がありますので暫定診断を行った後、後日、または当日午後に通常外来時間帯で時間予約/対応させて頂く予定です。
以上が、COVID19院内クラスターや地域クラスターを予防するための最低限の仕分け作業(受診前トリアージ)となりますので、発熱等感冒症状でご受診の際は最低限上記のルールに従っていただき安心して受診いただけますようご協力をお願いいたします。
**飛沫感染が主体の病気は感染学的常識から、他人への感染力は下記のようになります。咳嗽の有無が他人への感染を起こしやすいかどうかの決定要因となります。
①咳嗽+発熱(高熱)症状:感染力大 > ② 咳嗽+軽微な上気道症状(微熱咽頭痛など):感染力中 >> ③咳嗽(-)で発熱:感染力小
ですので咳症状のある方は、院内で特製フェイスシールドの着用を約束事項としました。帰院の際に廃棄していただく方針ですが家族内感染を心配される方は、フェイスシールドをお持ち帰りいただき感染拡大防止に用いられてもよろしいかと存じます。特に自宅でPCR検査結果待ちになった方はぜひ、有効利用いただきたいと考えます。
簡易トリアージ問診票をダウンロード頂き予め記載して来院時提出下さればさらに診察時間の短縮が可能です。
COVID-19の検査、治療は現在公費負担で行われています。皆様の税金が余分に投入されておりますかぎり全国民が感染拡大防止に協力する義務が生じます。来院後は、他の来院者に感染させないよう十分に配慮いただくとともに当院での感染対策に従って行動してください。