CTアンギオグラフィー(CT Angiography: CTA)
DCECTで収集したデータから、VR(Volume Rendering)像もしくは、MIP(Maximum Intensity Projection) 像として再構築することで全身の血管病変を評価することができます。動脈瘤や血栓塞栓症などの血管病変を評価するのに役に立つ画像です。
脳動脈CTA: MIP画像(左)およびVR画像(右)
腹部動脈/下肢動脈CTA
冠動脈CT(Coronary Computed Tomographic Angiography: CCTA)
心臓の酸素供給原となる冠動脈の撮像は、血管造影(冠動脈造影)で行われますが、MDCTの出現により超高速撮影ができるようになったことでいきなり侵襲的な冠動脈造影を行う前に、造影CT検査により冠動脈を撮像することができるようになっています。精度は冠動脈造影とほぼ同等です。撮影に用いる機械は64列MDCTが現在主流ですが、128列MDCTを導入してある施設も散見されるようになりました。ガントリー1回転が、0.5秒以下の撮影時間で、1 スライス幅0.5mmの画像データを一度にで64スライス分得られるようになったことで精度の高い冠動脈CTAが実現されたようです。
目的:心筋虚血(狭心症)が強く疑われる際の冠動脈狭窄の有無の評価、病変の存在診断
準備:造影CTに準じて絶食が必要です。
方法:施設や装置により多少方法がことなりますが、基本的に造影CT(ダイナミックCT)に準じて撮影は行われます。
脈拍が早い場合は、鮮明な画像を得るために脈拍を落とす必要がありますがこの際β遮断剤の投与が行われます。この際に使うβ遮断剤は半減期が非常に短いので蓄積効果による遷延性徐脈を心配する必要はありません。撮影後得られたデータから画像を再構築し、診断に必要な画像を構成します。
通常は、MIP(Maximum Intensity Projection)像、およびCPR(Curved planar reconstruction)像にて狭窄病変の評価を行います。
下記に症例画像を提示します。
<冠動脈CT画像>
❶MIP画像/❷CPR画像(左冠動脈)/❸CPR画像(回旋枝)/❹CPR画像(冠動脈プラーク)