Case 24-2; COVID-19 part2: 感染症の数理モデルの基本であるケルマック・マッケンドリッモデル(連立微分方程式)、感受性人口、感染力(感染伝播係数)、隔離率、マルサス係数、基本再生産数(Ro)等のテクニカルワードについての説明とベイズ推定(Bayesian inference)から逆算された武漢のアウトブレークにおける無症状または軽微症状のCOVID19罹患者の感染力の強さに関して

②マルサス係数と基本再生産数

この方程式からわかることは、

λo <0であれば感染患者は、自然に減少して収束
● λo >0であれば感染患者は指数関数的に増加する ことになります。


ここで、Ro(基本再生産数:basic reproduction number)として、 Ro = βS(0) /  γ  とおくと、

Ro <1であれば感染患者は、自然に減少して収束 → 流行収束
● Ro >1であれば感染患者は指数関数的に増加する
 → 流行拡大 
と書き直せます。

このときRoは感受性人口の集団Sに侵入した一人の感染者が、その全感染期間で引き起こす二次感染患者数(=期待値)を示すことになります。COVID-19の基本再生産数は、Ro=1.4~2.5と見積り(WHO)されていましたが最近イタリアではRo=4.7~6.6と再評価されたようです。東京では、実効再生産数R (effective reproduction number)>1であることから一時的首都封鎖のような考えも出てきたのだと思います。現段階のように有効性のあるワクチンも、治療薬もない状況でRoを低下させる方法は、①感染期間中にある感染者(可能であればsuper spreaderのみを選別して)の隔離によりβI(t)(=driving force)を可能な限り低下させることと、②感染者が感受性集団Sに接触する機会を減らすこと以外に効果が期待できる即席の手段はなさそうに思えます。

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