Coronavirus Disease 2019: COVID-19 / 新型コロナウイルス感染症
県内でも 3/22、COVID-19感染症患者1症例が報告されました。スペインで感染暴露を受けた症例ですので国外からの感染者補充という事象に相当しますが、今後初期接触感染から拡大再生産という望ましくない形に移行すれば当地区にも波及してくる可能性があり得ます。国内/国外ニュースではクラスター感染とか 基本再生産数(Ro : basic production number)、ケルマック・マッケンドリック微分方程式などのあまり耳にしたことのないキーワードが飛び交い理解しがいたいところがありますので武漢の報告症例等を含めた文献検索可能な範囲で、かつ小生が理解しえた範囲での補足説明します。感染リスクと感染を疑う症状が出た際の手順に関して再認識いただけましたら幸いです(方程式導出等に関しては成書で確認くださいませ)。
①COVID-19とは、
Coronavirus Disease 2019を略してCOVID-19とWHOが命名しました。コロナウイルスはプラス鎖1本鎖RNAウイルス(ちなみに季節性インフルエンザは マイナス鎖1本鎖RNAウイルス )で、βコロナウイルス(CoV-2)に属します。これはSARSコロナウイルス(致死率10%)やMERSコロナウイルス(致死率37%)と同属ウイルスですが幸いにも現在の報告症例からは両者よりは大人しいウイルス(COVID-19 : 3.5% (WHO報告)、1.8%(国内報告)のようです。季節性インフルエンザの致死率は0.05〜0.1%と報告されていますが、インフルエンザの場合は脳症を除いてウイルス肺炎そのものが原因で死に到ることはかなり稀です。COVID-19は別名SARS-CoV-2の名称を国際ウイルス分類委員会から命名を受けるに値するだけあり、SARS同様致死性のウイルス肺炎を引き起こします。発病から1〜2W経過した時点で急激に呼吸機能が悪化し、人工呼吸器やECMO管理なしでは救命できない重症呼吸不全を生じ得ますので、季節性インフルエンザとは顔つきが全く異なるものであることは再認識頂く必要があります。50歳以上からウイルス肺炎が直接原因である死亡症例が増加し、80歳代では10%近い死亡率と報告されていますので、高齢者に感染させない対策と配慮が必要と言われている理由がお分かりになると存じます。