<2>良性結節(benign nodule)のエコー診断
良性結節は、①嚢胞、②腺腫様甲状腺腫(過形成)、③濾胞性腺腫(良性腫瘍)の3つに分類される。腺腫様甲状腺腫の結節が1〜数個しかない場合に腺腫様結節と呼称する。基本的に、内部が均一な無エコーの嚢胞、横断する方向に走る隔壁により微小嚢胞に分劃されたスポンジ嚢胞、辺縁境界明瞭で薄い低エコー被膜で囲まれた内部が等エコーまたは高エコーの綺麗な楕円形結節のパターンを呈するものは全て含まれる。
①EU-TIRADS分類:実際の典型例の提示がないとイメージが湧いてこないので慣れるまで少し戸惑うが表記法が統一してあるのでレポートにはしやすい。リスクスコア(table 1)を加えると鑑別はより信頼度が上昇する。
②ATA分類:直感として良性→悪性の段階的変化をイメージしやすい分類。low SuspicionまでがFNAの積極適応を回避できるイメージとなっている。
[Case Presentation]
TIRADS 2〜4相当のエコー画像を提示する。
TIRADS 4相当になると低エコー被膜の肥厚を伴うものや結節表面に細かい凸凹を伴う様な判断に迷う形状の症例が認められる様になるのでFNAを依頼する症例が増加してくる。腫瘍内出血は結節の経過観察中に生じることがある(結節性腺腫の1.3%)が、大部分は良性腫瘍であると言われている(稀に乳頭腺癌のこともあるので注意が必要ではある)。