甲状腺結節( Thyroid Nodules: TNs) : part1 ; 良性結節 (Benign Nodule)
鑑別の必要な甲状腺結節(以下TNs)は、大まかに①良性結節:濾胞腺腫、腺腫様結節(腺腫様甲状腺腫)、②悪性結節:甲状腺癌に分類されます。TNsは健診による触診では0.78〜5.3%、甲状腺エコー検査ではは6.9〜31.6%頻度で指摘されると報告されています。
<1>TNsの質的評価(良性/悪性を鑑別する)のに最も利便性の良い検査は、甲状腺エコー検査である。
一般に、10MHzのリニアーエコープローブを用いた超音波画像診断により良性/悪性結節のトリアージを行うことを海外、本邦のガイドラインで推奨されている。
基本的にBモード観察により大きさ、形状、内部エコー輝度、内部の性状、結節辺縁の性状から質的診断を行う。さらにカラードプラによる結節内部の血流やエラストグラフィーによる弾性の測定を補助診断に用いる。Bモード超音波診断の指標としては、ETA( European Thyroid Association :欧州甲状腺学会)の提唱するEU-TIRADS (Thyroid Imaging Reporting and Data System) classificationや、ATA ( American Thyroid Association : 米国甲状腺学会)の提唱するエコーパターンと悪性度を関連付けるカテゴリー分類などがある。これらを参考に、FNA (Fine Needle Aspiration: (甲状腺)穿刺吸引細胞診)の必要性のない良性結節の診断を行うことが重要となる。下記にEU-TIRADSおよびATAのエコー分類を引用した。