Case 15; AFPGC: AFP産生胃癌は、国内の胃癌症例の1.3〜5%を占めると報告されている稀な胃癌であるが、一般の胃癌症例と比較してリンパ節転移や血管浸潤、肝転移を来たしやすい。現時点では治療法に関してもコンセンサスが得られたものがない。1ケースレポート

Case
[PI]HCVの駆逐療法導入が目的であったが、導入前スクリーニング検査で胃癌が認められた。特に自覚症状はなく、血液検査所見もC型活動性肝炎に由来すると考えられるAST/ALTの軽度上昇と軽度の血小板減少以外異常値は指摘できなかった。AFP, CEA,CA19-9共に正常範囲内であった。

 [ID]:
①GIS (胃透視検査) : 立位および腹臥位充盈像 ではShatten plus in minusを指摘できていないが、二重造影法にて前庭部大弯側に壁硬化所見と2cm大の隆起および中心に不整形の陥凹を指摘できる。圧迫造影法では周堤形成と内部の陥凹病変(潰瘍形成)が 明瞭に指摘できる。

上部消化管透視画像

②EGD (上部消化管内視鏡検査) : 下部幽門前庭部大弯側に直径20mm大のBorrmann3型の周堤を伴う潰瘍性病変を認める。周堤の幅が狭く、立ち上がりが急峻な印象を受けるが通常の進行胃癌と明らかに異なるような形体的特徴は指摘できない。生検診断では、低分化型腺癌(Tub2>Por2)の診断が得られた。

上部消化管内視鏡画像

③DCECT (腹部造影CT) : No14vの1cm大のリンパ節転移(3群)および腹腔動脈周囲所属リンパ節の軽度の腫大が散見される。明らかな肝転移巣は指摘できない(肝内のLDAは肝嚢胞)。

DCECT画像

Uploaded on February 18, 2019

術後病理診断によりAFP産生胃癌と確定診断を受ける。

参考文献:

1. Sun N, Sun Q, et al. α-fetoprotein-roducinh gastric carcinoma: a case report of a rare subtype and literature review. Once Letters 2016; 11: p3101-3104 DOI: 10.3892/ol.2016.4372
2. Chun H, Kwon SJ. Clinicopathological characteristics of alpha-fetoprotein-producing gastric cancer. J Gastric Cancer 2011; 111(1): p23-30 DOI : 10.5239/jgc.2011.11.1.23
3. Tsung SH. Literature review of gastric cancer producing alpha-fetoprotein. Gastrointest Cancer Res Ther 2017; 2(2): p1019-1024
4.Takahashi Y, Mai O, et al. Clinicopathological study of AFP producing gastric cancer. J Jpn Surg SOC Clin Surg. 1987; 88: p696-700. 

個々の症例のデータ、画像の引用または転載を一切許可しない。

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