DIILDのHRCT所見としては磨りガラス陰影(Ground Glass Opacification; GGO)の出現頻度が高く、この陰影が片側または両側、斑状、多発性と様々なパターンで認められ一部浸潤影や胸水をともなった形で見られることもあります。一般論として、原因薬剤とCT所見に関連性は認められていないので、CT所見から薬剤を特定することは困難であり、同様のHRCT所見を比較しても細胞病理学所見は一致しないことが指摘されている。
頻度的には、1) Organizing Pneumonia (OP) like-patternを呈するものが多く認められるようですが、その他、2)Acute Eosinophilic Pneumonia(AEP) like-pattern, 3)Hypersensitivity Reaction(HR) like-pattern, 4)Diffuse alveolar damage( DAD) like pattern、5)Non-specific interstitial pneumonia(NSIP) like-patternなどの5〜7 パターンに分類されます。このうちDADまたはNSIPパターンを呈する症例は、その他のパターンを呈する症例より予後がを悪く、特にDADパターン症例は死亡率が40〜83.3%にまで上昇すると報告されています。
①OP like pattern:胸膜直下などの辺縁性に多発性斑状浸潤影が出現する (慢性好酸球性肺炎/特発性基質化肺炎類似の像)
②(A)NSIP like pattern1: 両側対称性に下肺野の血管気管支束に沿ってGGOが出現する
(B) NSIP like pattern3: 全肺野にびまん性に気管支束にそって短いGGOや浸潤影が出現する
③AEP like patten: GGOや小葉間隔壁肥厚、胸水貯留が出現する (急性好酸球性肺炎類似)
④HR like pattern 1: 地図状にGGOが出現する (急性過敏性肺臓炎類似)
HR like patten2: 小葉中心性に粒状陰影が出現する(亜急性過敏性肺臓炎類似)
⑤DAD like pattern: 中心性にGGOが出現し牽引性気管支拡張像などの構造改変を認める (急性間質性肺炎類似)
DIILDの治療は、まず原因薬剤の服薬を中止することが基本であるが、それ以外の薬物療法に関しては、ステロイド剤を併用すべきかどうか?、また併用するなら経口、静注、吸入のいずれの方法が適しているか、用量は?などに関してはガイドラインがなく、主治医の裁量により治療法が選択されている。