Case 14; DIILD: 薬剤性間質性肺炎は、薬剤に対するアレルギー反応を起点として発症し、多くはCT検査で肺野にすりガラス陰影(GGO)を認める。補助診断として薬剤リンパ球刺激試験(DLST)陽性の場合、因果関係を強く疑う根拠となる。HRCTで認められる画像所見の特徴に関してのUPDATEと因果関係のはっきりしたDIILDの3ケースレポート

Drug Induced Interstitial Lung Disease (DIILD) : 薬剤性間質性肺炎

DIILDの発生頻度は、年間4. 1〜12.4症例/100万人で間質性肺疾患患者の3〜5%を占めると考えられています。350種類以上の薬剤がDIILDを引き起こすこが報告されていますが、必ずしも用量依存性に発症リスクが高くなるわけではありませんのでしきい値を設けることが困難なのも事実です。基本的にDIILDは、除外診断となりますが、報告件数に地理的格差(日本の報告症例が多い(全体の1/3ほどを占める))や、その他の交絡因子により国際的な診断基準が定められていませんので、重症度に関してはNational Cancer Institute(NIH)のCETP(version 5.0)、高分解能CT(High Resolution CT:HRCT)診断に関しては既存の特発性間質性肺炎(IIPs)の分類を適用する形となっています。薬剤アレルギーを疑う際に行う血液検査の一つに、薬剤リンパ球刺激試験( Drug-induced Lymphocyte Stimulation Test : DLST)は陽性の場合は因果関係を強く疑いますが、陰性の場合でも否定できないことに難点があります。

DIILDを伴いやすい薬剤として、抗がん剤、抗リウマチ薬(DMARDs)、非ステロイド系消炎鎮痛剤(NSAIDS)、抗精神薬、抗不整脈薬が挙げられます。中でも、ブレオマイシン、ゲムシタビン、メトトレキサート(抗がん剤)、ゲフィチニブ(EGFR阻害薬)、レフルノミド(抗リウマチ薬)、ニトロフラトイン(抗生剤)、アミオダロン(抗不整脈薬)は発生頻度の高い薬剤に相当しますので服薬中は常に注意が必要です。

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