Case :
[PH]:高血圧症加療中
[FH] : 特に心臓病や突然死の家族歴はない。
[CC] : 労作時呼吸困難および胸痛。
[UCG : 心室中隔21mmと著明な肥厚を認め、左室流出路圧格差が安静時でPGmax =137mmHgと顕著であった。
基幹病院にてPTSMAによる治療を施行いただき症状は改善した。
[画像所見]:
①中隔心筋焼灼術前後の心電図(ECG):術前に認めていた胸部誘導でのT波増高は焼灼術後減高している。中隔性Q波も目立たなくなっている。
②術前心エコー(UCG):
著明な左室壁肥厚(LVWd=21mm)と左室拡張末期径(LVDd)の縮小を伴い、僧帽弁短軸Mモード撮影では収縮期僧帽弁前尖前方運動(Systolic Anterior Movement: SAM)を認める。同部位では安静時で、流出路圧格差が137mmHg認められた。
③術後UCG ( 1 year later):
LVWd=15mmに退縮しており、LVDdが術前よりも大きく確保できるようになっている。短軸像ではSAMは消失している。
流出路圧格差は、安静時20mmHg以下に改善された。
④術後DCEMRI(2 years later):
中隔の壁肥厚が改善している。T2WBBでは左室前壁〜側壁にやや高信号な領域を疑う。焼灼治療部位は高信号となっている。
参考文献
1. Falicov RE, Resnekov L. Mid ventricular obstruction in hypertrophic obstructive cardiomyopathy. New diagnostic and therapeutic challenge. Brit Heart J 1977; 39: p701-705
2. 土居 義典. 市田 みち子, 他. 肥大型心筋症の診療に関するガイドライン(2012年改訂版). 循環器病の診断と治療に関するガイドライン(2011年度合同研究報告). 日本循環器学会 2012: p1-56
3. 濵田 希臣, 泉 直樹, 他. 肥大型心筋症の臨床. J Cardiol Jpn Ed 2009; 4(1): p1-19.
4. ten Cate FJ, Soliman OII, ea al. Long-term outcome of alcohol septal ablation in patient with obstructive hypertrophic cardiomyopathy. Circ Heart Fail 2010;3: p362-369.
5. Matsumori A. Hepatitis C virus infection and cardiomyopathy. Circ J 2000; 64: p679-683
6. Choudhury L, Mahrholdt H, et al. Myocardial scaring in asymptomatic or mildly symptomatic patients with hypertrophic cardiomyopathy. J am Coll Cardiol 2002; 40: p2156-2164.
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