③症例
[PI]:入社したばかりのフレッシュマンである。喫煙歴はなし。受動喫煙に晒される職場環境であった。入社後4〜5日目位から咳嗽が出始め、38度台の熱発と労作時呼吸困難を伴うようになった。最近新たに始めた特別な嗜好品や薬剤投与歴はない。
[Blood Gas Analysis]
pH 7.342, PO2=87.7 torr, PCO2=48.8, HCO3=26.2, BE=0.5, O2SAT=96%
[Laboratory Data}
WBC 10100 (/μL) : Eosino 37%, Neu 35%, Lymphe 25%, CRP 8.7 mg/dL, ESR 112mm/h, ANA LT 40, MPO-ANCA LT 1.3 u/mL, IgE(RIST) 10 IU/mL, KL-6 244 U/mL
[胸部レントゲン]:肺野にびまん性に磨りガラス陰影を認める
[胸部CT] : 胸部CTでは地図状の不規則な磨りガラス陰影と小葉中心性の浸潤影を広範に認める。微量の胸水貯留あり。
HRCT:小葉間隔壁の肥厚を認めるが牽引性気管支拡張は指摘できない。
紹介入院の上、BALF所見より急性好酸球性肺炎の確定診断を得る。
このような症例を診ると、改めて喫煙エリアの限定隔離を含め、施設内禁煙の重要性を痛感させられた。
Uploaded on October 25, 2018.
参考文献
1. Allen JN, Pacht ER, et al. Acute eosinophilic pneumonia as a reversible cause of non-infectious respiratory failure. N Engl J Med 1989; 321: p569-574.
2. Rhee CK, Min KH, et al. Clinical characteristics and corticosteroid treatment of acute eosinophilic pneumonia. Eur Respir J 2013; 41: p402-409
3. 鈴木 慎太郎, 相良 博典. 急性好酸球性肺炎 特集 医薬品による重篤副作用への対処法と救済制度. 昭和学士会誌 2015; 75(4): p414-420.
4. 川本 仁, 神辺 真之, 他. 急性好酸球性肺炎の軽症例と考えられた1例. 日呼器会誌 1998; 36(9): p 809-812
個々の症例のデータ、画像の引用または転載を一切許可しない。