Case 10; AEP: 急性好酸球性肺炎の発症には、喫煙との因果関係が強く疑われている。HRCT画像では、磨りガラス陰影(GGO)を主体に斑状、結節影、胸水貯留などが認めらる。副流煙により誘発されたと考えられる1ケースレポート。

Acute Eosinophilic Pneumonia (AEP): 急性好酸球性肺炎

①AEPとは

AEPは急性呼吸不全症状を呈して外来を受診するこのとある比較的稀な肺炎で、特徴として肺に好酸球の浸潤を認める。若年男性の発症症例が多く(男女比= 20:1)、発熱、乾性咳、呼吸困難が主な症状であり、喫煙との関連が疑われる肺炎で、喫煙の開始(受動喫煙を含む)、喫煙習慣の変化(1日の喫煙本数の増加など)、禁煙後の喫煙再開などを契機に発症した症例が多く報告されている。ステロイド治療(血管内または、経口投与)が奏功し、ほとんどの症例は1〜2週間で寛解し再燃する兆候に乏しいが、喫煙再開などにより再燃する症例もある。ステロイド剤の投与量や投与期間に関する一定の基準は現在のところない。

②AEPの診断基準

AEPの診断基準(Allen)として、

⑴1週間以内の急性経過で発症
⑵PaO2 60 Torr未満の低酸素血症
⑶びまん性の肺浸潤影
⑷気管支肺胞洗浄液(BALF)中、25%以上の好酸球増多
⑸アトピー疾患がないこと
⑹ステロイド治療に良好に反応

と合致するものを急性好酸球性肺炎としている。
組織学的所見として、好酸球の肺胞腔と間質への浸潤とびまん性の肺胞浮腫がAEPの特徴とされている。

画像所見として、胸部単純レントゲン写真で両側のびまん性の磨りガラス陰影、Kerley line、胸部CTで①磨りガラス状陰影(GGO)、②浸潤影、③結節状陰影、④小葉間隔壁肥厚、⑤胸水貯留などが挙げられている。

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