新型コロナウイルス(COVID-19)迅速抗原定性検査/PCR検査:公費負担による有症状者の保険適用検査について−地域住民の皆様へ

新型コロナウイルス感染症の市中拡大が少し顕著となってきましたこともあり、現在は軽微症状(咽頭痛、微熱、倦怠感など)の症例に対しても公費負担による抗原定性検査およびPCR検査が容認されております。昨年提示されておりましたような厳しい検査制限は緩和されておりますので、できるだけ抗原定性検査/PCR検査、または抗原定性検査で評価に難渋する様な発色パターンを示す場合はPCR検査の追加による確定診断を受けていただけますようお願い申し上げます。

① COVID19 迅速抗原検査

当院では大塚製薬のクイックナビ-COVID19 Ag 抗原検出キットを使用しております。この検査の利点は、①インフルエンザ迅速抗原検出を同時に行えること、②15分間で感染の有無を判断できることにあります。現在PCR検査が県内でも多数行われており変異種解析のため岡山医学検査センターへの検体提出が非常に多くなっておりますのでPCR検査の結果が出るのに遅れが出てきております。したがって有症患者(時に顕著症状のある方)に関しては迅速抗原定性検査による迅速診断を主体に検査を行なっております。ただし抗原定性検査はPCR検査に比べて感度が非常に低いですので陰性と出た場合も完全にCOVID19に感染していないと確定することはできません。怪しい場合はPCR検査の追加で判断させて頂いております。

ちなみに、下記に熱発37.5℃前後でその他の自覚症状がない症例の迅速抗原定性キットの発色パターンを示します。

COVID-19迅速抗原定性キットで検出限界と思われる発色パターン

わずかにTにラインが発色検出されているのがわかると存じます。この症例はPCR検査でも陽性が確認されましたのでこの程度の発色が検出限界と考えます。実際これ以下の薄いラインの(出ているかどうかはっきり確信できない)症例は現在までのところ全てPCR検査陰性でした。

今後、感染拡大にともないPCR検査の結果判定に遅延が生じると推定されますので有症状者に対しては抗原定性検査を主軸におく方針に切り変えますので地域住民の皆様にはご周知願います。

②鼻咽頭検体を用いたPCR検査

鼻咽頭検体は、唾液に比べて最大200倍近いウイルス量であることが明らかとなっています。唾液は採取者が本人であるためコンタミネーションや不適切検体による疑陰性/偽陽性が鼻咽頭検体よりも起こりやすいと考えられます。上記を考慮した上で、当院ではPCRブースを用いた鼻腔咽頭検体採取を行ない、PCR検査に提出しております。上述いたしました様、PCR検査の結果が出るのは最短で検査翌日の午前中ですので検査結果が出るまで有症状者は自宅待機を義務化しております。結果が陽性の場合、保健所より以後の処遇に関して電話連絡がありますのでそれまでおとなしく自宅待機くださいませ。

COVID-19専用のPCRブース:検体採取の場合は右図の様にもう一枚ビニール製の長手袋を着用します。

抗原定性検査/PCR検査は院内感染防止のため上図にあるPCRブースを用いて屋外の換気の良い場所で行います。手袋はラテックスゴム手袋の上にディスポーザブルのビニール手袋を装着して検査を行い、被験者1人ずつに各ビニール手袋は交換しますのでこのブースによる採取で2次感染が生じることはまずありません。安心してご利用いただけます。

(注意)公費負担されるのは抗原定性検査、またはPCR検査にかかる費用のみです。その他(画像検査、血液検査、投薬など)は通常の健康保険の適用となります。

また迅速抗原検査/PCR検査を受ける場合、HER-SYS専用の問診票を記載していただく必要があります。陽性の場合は、問診票に基づき報告しますので保健所のコンタクトトレーシングが容易に行える様にできるだけ詳しく記載願います。

COVID-19専用問診票

*有症状の方は必ず、まずお電話で相談の上、発熱外来の専任の時間帯(11:00-12:00または、指示された時間)に来院くださいます様お願い申し上げます。特に高齢者の方は自己都合で連絡なしに突然来院されません様くれぐれもご協力くださいます様お願い申し上げます。

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