特定のスペースにおけるバイオエアロゾルによるCOVID-19感染リスクを評価することは今後の感染拡大防止対策としては極めて重要と考えられる。現在の感染拡大は感染経路不明者に対する対策≒バイオエアロゾル対策に弱点があるとも考えられる。
レストランや商業スペース、公共機関や病院の待合室などのある一定の空間に感染者が並存した場合感染リスクがどのように表現されるかをある程度、物理数学で予測値を示す必要があると思われる。Pubmedで検索可能であった範囲で若干の文献的考察を加えてUPDATEした。
①Quantum Generation Rate または、Quantum Emission Rate(ERq) : 単位時間あたりの*感染性量子放出量)とは
空気感染における感染力の大きさの数値指標として導入された単位がquantum(*感染性量子)の概念であり、1qはその場にいる感受性者の(1 − 1/e)≒0.63=63%に空気感染を引き起こすことのできる飛沫核の数と定義されている(1)(電場における電荷密度みたいなものを想像させられる)。quantumを計算するには、飛沫に含まれるウイルス量(RNA copies/ml) → 1 quntumに変換する比例定数Ciを決定する必要がある。
口(唾液)でのCOVID-19のウイルス量は、最大で10*8 〜 10*11 copies/mlに及び、Ciの域値は [0.01, 0.1]と推計されている(2, 3)。
*quantumの適切な和訳を示す文献を検索範囲で見つけることができなかったので”感染性量子”と和訳した。
ちなみに各種感染症におけるERq計算値はtable1に報告されている(4)。おおよそCOVID19がどのくらいの感染力があるのかが実感できる。