血液検査によるCOVID-19抗体測定について

Elecsys®Anti-SARS-CoV-2(RUO)(ロシュ/ダイアグノスティック株式会社)を用いたCOVID-19抗体検査が外注可能となりました。

<検査でわかること>
ここ1−3ヶ月以内にCOVID19に感染したかどうかを知ることができます。IgG抗体は発症後2週間以上経過して検出感度が上昇してきますので少なくとも感染後2週間以上しないと疑陰性と診断される率が高くなります。また最近の報告では感染後3ヶ月ほどすると抗体価が低下するのでは?とも言われています。結果の解釈は、陽性症例のみ疫学的/臨床的意味を持つことになります(陰性でも100%感染の既往なしとは断言できません)。

この検査では、採血による血液検体(血清0.5mL必要)を用いてECLIA (Electro Chemiluminescence Immunoassay : 電気化学発光免疫測定法)による発光強度測定によりCOVID-19に対するIgG抗体保有の有無を調べることができます。採血実施から報告までの所要日数は2−5日かかる見込みです。

検査諸費用(健康保険適応外)¥4,500(消費税(別途))
(要)電話予約 086-465-5118

この検査の対象として、当院の方針として以下の条件を考えます。

1. 最適と考えられる適応(下記①〜③のいずれかに該当しご自身がCOVID19感染していたのかどうかはっきりさせたいと希望される方)

①ここ1−3ヶ月の間に原因の特定できない熱発を生じたが、自然治癒した症例
原因の特定できない発熱として何らかの加療を医療機関で受け現在完全に回復している(最初の熱発日より3週間以上経過している)症例
③COVID19疑いとして保健所に相談、または、指定病院を受診したがPCR検査の適応とならず確定診断されずに対症療法と自宅待機で回復された症例(発症推定日より3週間以上経過している)

2.妥当または有益と思われる適応

①2週間以上発熱が続いている不明熱症例の除外診断
②2週間以上症状の続いている原因不明の胸痛や呼吸困難症例の除外診断
③2週間以上続く不定愁訴(頭痛、めまい、全身倦怠感など)症例の除外診断

*未報告の軽微症状COVID19既往感染者の確定と実際に把握できていない市中感染の有無をはっきりさせることにつながるのではと考えます。

3.現時点では臨床的意義が不明確であるが対象外とは言えない適応

①医療従事者、老健施設などの管理指標としての抗体保有率検査
②無症状一般人の任意検査(現時点では、臨床データ蓄積なし)

4.この検査の除外対象として、

①現在PCR検査を受けていて、結果待ちの症例
②症状発症後2週間以内に受けたPCR検査が陰性であったが現在、まだ有症状の症例
③PCR陽性症例との接触者でPCR陰性であり、経過観察中である症例
以上は、COVID-19指定医療機関で診察、経過観察を受けるべき統計報告義務のある症例です

結果に関してはご本人様に対してのみ直接面談で説明いたします。電話での結果説明や知人、職場関係の問い合わせに関しては受け付けません。

*抗体検査は、PCR検査と異なり現時点での感染を判定する検査ではありませんので急性期診断に使用することはできません。急性期診断はCOVID-19指定医療機関でのPCR検査により診断されます。

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