Case 24-2; COVID-19 part2: 感染症の数理モデルの基本であるケルマック・マッケンドリッモデル(連立微分方程式)、感受性人口、感染力(感染伝播係数)、隔離率、マルサス係数、基本再生産数(Ro)等のテクニカルワードについての説明とベイズ推定(Bayesian inference)から逆算された武漢のアウトブレークにおける無症状または軽微症状のCOVID19罹患者の感染力の強さに関して

Coronavirus Disease 2019: COVID-19 / 新型コロナウイルス感染症

基本再生産数(Ro : basic reproduction number)ケルマック・マッケンドリック微分方程式に関して補足します。現在、当県は3/22にCOVID-19感染症患者第1号報告が行われたばかりの状況ですので ケルマック・マッケンドリック の第一論文で提起されたモデル ( Kermack-McKendrick model)の1階常微分方程式に当てはめて考えるに適した状況と考えられます。

ケルマック・マッケンドリック微分方程式

時刻tにおける感受性人口をS(t)(Susceptables: 現在県内ではそのほかの患者報告ありませんのでほぼ全員が感受性人口に相当すると考えられます)、感染人口をI(t)(Infecteds)、回復ないし隔離された人口をR(t) ( Recovered or removed class )、感染力(または伝播係数)をβ隔離率をγとおくと、

① dI(t) /dt = βS(t)I(t) − γI(t) 
(実際には3本の連立微分方程式があります)
と表すことができるという仮定です。時間tにおける感染患者I(t)が感受性人口S(t)に対して、S(t)の単位集団に対し1人あたりβ person/s の感染率で浸淫するとして、単位時間あたりに生み出す感染被害者数はβS(t)I(t)ですが、同時に隔離率γ(初期はたぶん全隔離収容)の割合で収容される(または回復する)分が差分として生じますのでこの様な式で表現できるということです。
t=0における感受性人口をS(0)(現状では県人口全体に相当)とおくと、①の微分方程式は、t=0近傍( t≧0 )で、微小の感染人口I(0)が生じたとして、微分は関数のある点近傍を接線で置き換える操作であることを念頭に置いて考えると、

② dI(t)/dt = βS(0)I(t) -  γI(t) = ( βS(0) -  γ )I(t) と書き換え可能です。
ここで、λo= βS(0) -  γ (マルサス係数)とおくと、
上記線形1階微分方程式(y’=cyタイプ)の一般解は、
I(t)= C exp ( λot) (Cは任意定数)である。
 
初期条件t=0→I(0)(当県の現状ではI(0)=1)とおくと
   I(t)= I(0) exp ( λot) と近似できます。

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