美観地区:森田酒造の杉玉

阿智神社の南参道口にある「森田酒造」。
軒下の杉玉の1つがきれいな緑色をしていました。

2023年12月25日撮影 森田酒造場

筆者の杉玉のイメージは、歴史のある家屋の軒下によく吊り下げられている丸い物体というものでした。しかも色は灰色に近い茶色。緑はなんだか珍しい!と思いました。

よく見ると「酒林」という札が下がっています👇

「杉玉(すぎたま、すぎだま)」とは、スギの葉を集めてボール状にした造形物で、「酒林(さかばやし)」とも呼ばれるそうです。そして、調べてみると杉玉には新酒が出来たことを知らせる大事な意味がありました。なんだか様子の良い造形物というわけではなかったんですね。

「酒林」の札の裏には👇

「令和五年十二月吉日 重量二十五キロ」とあります。「森田酒造」では、毎年12月下旬に新酒しぼりたて生酒『萬年雪荒走り』が発売されるそうなので、この緑の杉玉はそのお知らせということで大丈夫だと思います。

ちなみに、「森田酒造」は倉敷美観地区内で唯一の造り酒屋です。設立は1909年(明治42年)という歴史ある造り酒屋なんです。聞いた話なんですが、「森田酒造」の杉玉(酒林)は、森田酒造の代表者の方がご自身で作られるそうですョ。

吊るされたばかりの杉玉はフレッシュな緑で、そのうち薄い緑になり、だんだん枯れて茶色になって行きます。この杉玉の色の変化が、新酒の熟成具合を伝えているそうで、とても味わい深いなと思いました。

倉敷美観地区のクリスマス

2023年12月24日の散歩中に見つけたクリスマス🎄を紹介します。
まずは阿智神社。

阿智神社の能舞台

サンタ、リース、ベルが見えます。神社は神道の神を祭る(祀る)所です。神道の神はとても数が多いので、八百万(やおよろず)の神といわれます。神社でクリスマスの飾り⁈とちょっとびっくりもしますが、この柔軟性が日本人らしいなと思います。そもそも八百万の神を祀るのですから、キリスト教も大丈夫そうですね。

次は、本町のクラシキクラフトワークビレッジの猫。

サンタの帽子をしっかりかぶってますね(^-^)

次はこのお店👇

「一年中クリスマス」のお店です。筆者も何度か入店したことがありますが、本当に一年中クリスマスです。所狭しとクリスマスグッズが並んでいますョ。

そして、倉敷アイビースクエアです🎄

野外ピアノの側に設置してあるクリスマスツリーです。

倉敷アイビースクエア館内のツリーがこちら👇

倉敷アイビースクエア館内フロントのクリスマスツリー
レストラン「蔦」付近のクリスマスツリー

       

 
  

倉敷アイビースクエアで見つけたもの

筆者は散歩中、倉敷アイビースクエアによく立ち寄ります。レンガや季節ごとに変化を見せるアイビー(ツタ)はとても美しく、中庭広場の周辺にはベンチも置いてあるので、ちょっと休憩するのにぴったりです。毎回じろじろ見ているのは、池の中の睡蓮やコイ、カメ等なのですが、クリスマスシーズンは館内エントランスや「レストラン蔦」付近のディスプレイが素晴らしく、そちらも見に行きます。

今回まず注目したのはこちら👇

ドイツ・シンフォニオン社の『シンフォニオン ディスクオルゴール 1890年代』 です。このディスクオルゴールは、この時期のみというわけではなく常設です。ただ、クリスマスシーズンが一番映えると筆者は思っています。

ディスクオルゴールは、1885年又は1886年にドイツのシンフォニオン社(ディスクオルゴールの発明者はシンフォニオン社のパウル・ロッホマン)によって製品化されたそうです。その後、1887年にドイツのポリフォン社、1894年にアメリカのレジーナ社が創業しています。この3社がディスクオルゴールの3大企業で、その売上はオルゴール市場の約90%を占めていたということです。

どんな音がするのか興味ありますよね。

なんとワンコイン(500円)で聴けるんです👍 筆者はまだその瞬間に出くわしていません。またいつか、筆者なりの理由をつけて、ワンコイン投入してみたいと思います。ちなみに、現在聴くことができる演奏は、マスカーニのカヴァレリア・ルスティカーナです♪

   

倉敷アイビースクエアのマンホールも洒落てます👇

    

そして、こちら👇

中庭広場で見つけました✨ こんなところにニコニコ顔が!です。隠れミッキーを見つけた気分でした。 すぐには見つからないと思います。ヒントは、壁側のレンガではなく地面側です。そして西側中央辺り…。 あまり言い過ぎるとおもしろくないので、この辺で止めておきます(^-^)

阿智神社のしめ縄

筆者の散歩コースには阿智神社があります。いつものようにお参りしていた時、しめ縄(注連縄)が青いのに気が付きました。

阿智神社では、毎年12月の第2日曜日に「注連(しめ)縄奉張祭」が行われ、拝殿などのしめ縄が張り替えられているそうです。青いワラの色が新鮮で、「」と呼ばれる3つの房の模様も、下から見ると花のようでした。

神社のしめ縄は、鼓胴(こどう)型・一文字(いちもんじ)型・牛蒡(ごぼう)型に分けられるそうです。(※鼓胴型→中央が太く端にかけて細くなっていく形。一文字型→端から端まで同じ太さで一本の線のような形。牛蒡型→ゴボウのように片方が太くもう一方が細くなっている形。)阿智神社のしめ縄は、きっと鼓胴型でしょうね。

しめ縄によく垂らされている白い稲妻状の紙、これ「紙垂(しで)」と言います。阿智神社のしめ縄には2つ垂れ下がっています。この紙垂、神社(神道)関係のものによく使用されていますよね。なぜこの形状なのか少し調べてみました。どうやら落雷があると稲が育ち豊作となるそうで、稲妻や雷光の形をした紙垂を垂らすことにより、邪悪なものを追い払うという意味があったようです。

   

帰りの南参道で、いいものを見つけました!

南参道の鳥居です👆 鳥居の上に注目してみてください。 筆者の好きなツメレンゲ(過去記事:2020年元日のツメレンゲ美観地区:植物の冬姿(倉敷川沿い)②美観地区の道端で見かけた植物(秋))が生えているのが分かるでしょうか? これまで、美観地区の色んな所で目にしてきましたが、鳥居の上にもしっかり生えていたんですね✨

  

次の年を迎える準備が着々と進んでいる阿智神社でした(^-^)

大原美術館:『二人のブルターニュ人と青い鳥』セリュジエ ~その2~

大原美術館
ポール・セリュジエ(1864-1927)
『二人のブルターニュ人と青い鳥』1919

次に気になるのは、やはり「青い鳥」ではないでしょうか。メーテルリンクの童話『青い鳥』が思い出されます。チルチルとミチルが登場するあのお話です。ただ、チルチルは兄、ミチルは妹、しかもどちらも子どもということで、この絵の二人にはどうも当てはまりもせんね。

中世の女性と鳥の絵がないか探していたところ、見つけました👇

ガースベーク城
『ブルゴーニュのマリアの肖像』
マグダラの伝説の巨匠

この女性はブルターニュではなく、ブルゴーニュのマリアとなっています。でもこの鳥は青くなく、なんだか結構黒い…。お腹がまだらに色が付いていますね。一瞬ハトかなと思ったのですが、少し前に阿智神社の参道で見かけた鳥に似ていることを思い出しました。この鳥は何⁈と思って、写真も撮っていました👇

調べたところによると、この鳥はイソヒヨドリのメスのようです。過去記事(お出かけ:春の海釣り)でイソヒヨドリのオスを紹介したことがありますが、イソヒヨドリのオスはなんと青色なんです👇

出典:Wikipedia イソヒヨドリ

地域によっては、「幸せの青い鳥」と呼ばれます。なんだかちょっと大原美術館の『二人のブルターニュ人と青い鳥』の青い鳥に近付いてきました!ただ、イソヒヨドリのお腹が結構茶色なのが気になります。お腹まで青い鳥はいないかと探したら、いました。ヨーロッパやヒマラヤ周辺に生息するイソヒヨドリの亜種、アオハライソヒヨドリという全身が青色の鳥です。

絵の中の鳥の名前は、どちらもはっきりはしませんが、幸せの青い鳥のオスとメスだったらいいなぁと筆者は思っています。(※ 大原美術館の『二人のブルターニュ人と青い鳥』の青い鳥 の尾は結構長いのですが、アオハライソヒヨドリの尾はそれほど長くはありません。)

     

ところで、前出の「ブルゴーニュのマリア」とは、マリー・ド・ブルゴーニュのことで、14世紀から15世紀に栄えたブルゴーニュ公国の最後の君主だったようです。その1で紹介した、アンヌ・ド・ブルターニュブルターニュュ公国最後の女公でしたね。そしてなんと、二人ともマクシミリアン1世(神聖ローマ皇帝)の配偶者でもあるんです。
〖マクシミリアン1世の配偶者〗
 1477年―1482年 マリー・ド・ブルゴーニュ
 1490年―1492年 アンヌ・ド・ブルターニュ
 1494年―1510年 ビアンカ・マリア・スフォルツア

    

結局、詳細はなに一つ不明のままですが、色々繋がっていそうでとても興味深かったです(^-^)