番外編:夕焼け(夕日)

筆者は夕焼けを見るのが昔から好きです。

2014年10月撮影  帯状巻雲

一直線にのびる雲が印象的でした。多分、帯状巻雲だと思います。

 

2014年12月撮影 夕日

瀬戸内海です。絵に描いたような夕日でした。

 

2014年12月撮影 積雲
2014年12月撮影 日没後

瀬戸内海です。日没後、雲がスーッとなくなりました。

  

2019年1月撮影 漁船と樹木のシルエット

瀬戸内海です。行き交う漁船と手前の樹木のシルエットがポイントです。

  

2019年9月撮影 漁船出港

瀬戸内海沿いの漁港です。漁船が出港しています。美しい景色の中に日常の生活があるこの感じが好きです。

何年も前に、海の近くに住んでいたことがあるのですが、その時、赤紫色の夕焼けをよく見に行っていました。その時の写真は残念ながらないのですが、こんな感じの色でした。

2018年6月撮影 赤紫色に編集加工

ちょっと怖くなるような色だったことを記憶しています。調べたところによると、時期的に、フィリピンのルソン島西側にあるピナツボ火山の影響だったと思われます。ピナツボ山は、1991年に20世紀最大規模の大噴火を起こしています。噴き出した細かい粒子が地球全体を覆い、大気(空気)がエアロゾル(気体中に浮遊する液体または個体の粒子と周囲の気体の混合体)状態となって、その結果、いつもと違う夕焼けの色を見せていたというわけです。

小学生の頃、犬の散歩時間を夕焼けの時間に合わせていたことを思い出しました。夕焼け観賞歴は結構長いです。

2020年 美観地区の早春

全国に緊急事態宣言が出される少し前の美観地区の春です。

2020年3月撮影 旧大原家住宅付近1
2020年3月撮影  旧大原家住宅付近
2020年3月撮影   旧大原家住宅付近3 

桜とモミジの新芽がこの時期とても美しいです。そして、後景の旧大原家住宅の石垣と塀、倉敷川も絶妙です。モミジの種類は大きく3つに分けられます。イロハモミジヤマモミジオオモミジです。イロハモミジは太平洋側の暖かい地域が発祥で、ヤマモミジは日本海側に多く生息していて、オオモミジは太平洋側の標高の高い所に自生しているそうです。そうなると、このモミジはイロハモミジ系でしょうか? 秋の紅葉は赤色で、ほんとに美しいのですが、新芽のこの時期も負けず劣らすほんとに綺麗だと思います。桜とのコラボが目を引きますョ。

そして春を告げる花の1つタンポポ。

2020年4月撮影 倉敷川沿いのタンポポ

ちょっと見えにくいですが、タンポポが咲いています。人通りがほとんどなく、信じられないような静けさの中、タンポポはいつも通り咲いていました。なんだかちょっとホッとしました。

日本のタンポポは、在来種と外来種が混在している状態です。見分け方は、花を包んでいる緑色の部分が、反り返っているかいないかです。緑の部分がクルっとなっていたら、外来種のセイヨウタンポポとなります。在来種のタンポポのうち、西日本のほとんどで見られるタンポポはカンサイタンポポなんだそうです。そして早春に地面にはりついたように咲くそうなので、この美観地区のタンポポは在来種のカンサイタンポポなのかもしれません。次の機会に緑色の部分を確かめてみたいと思います。

大原美術館:『秋の海』クールベ

波の表現がすごいですね。

大原美術館
ギュスターヴ・クールベ(1819-1877)
『秋の海』1867

【鑑賞の小ネタ】
・遠くにヨット
・これから天気はどうなる?
・ノルマンディの海岸
・クールベは現実を描く画家
・波の白い部分をパレットナイフで描く

波が荒いです。嵐の前なのか後なのか。どう見えるでしょうか?遠くにヨットが描かれています。かなり沖に出ているようですが、高波で戻れないのでしょうか?何れにしても風に左右される帆船なので、この天候だと操縦が難しそうですよね。

クールベはノルマンディの海岸をテーマとした作品を数多く残しています。国立西洋美術館の『波』と構図的にはよく似ています。

国立西洋美術館
『波』1870

次の2作品は岸に船が描かれています。漁船だと思いますが、よく見ると種類も色々です。

オルセー美術館
『嵐の海』1870
フィラデルフィア美術館
『Vague(波)』1869

どの作品も嵐の雲のようですが、共通して晴れ間(明るい部分)が覗いています。ところで、ノルマンディの海岸と言えば、「エトルタの断崖」が有名です。多くの画家たちがモティーフとして取り上げた場所です。もちろん、クールベも描いています。

ベルリン国立博物館
『エトルタの岩』1869
オルセー美術館
『エトルタの崖、嵐のあと』1870

大原美術館の作品は、空と海(波)、そしてその場の空気を重視して描いてるように思います。嵐が来るのか去ったのか、どの作品もとても臨場感のある仕上がりとなっています。

まだまだ伝統的な歴史画や風俗画が良しとされていた時代に、クールベは現実をありのままに捉えて表現(写実主義)しようとしました。なかかな受け入れてはもらえなかったようですが、サロン(官展)にもどんどん発表していきました。そんなクールベは、近代絵画の重要な革新者のひとりなんだそうです。後の印象派に大きく影響を及ぼすこととなります。

「嵐」の絵が多いのも、すこし分かったような気がします。クールベが今後の展開を予感していたかどうかは分かりませんが、これから印象派という大きな波が、確実に押し寄せて来るのですから。

阿智神社の参道からの景観

2年前に撮影したものです。

2018年1月撮影 阿智神社の西側の参道1

2018年のお正月です。阿智神社の西側の参道から撮影しました。阿智神社へ向かう途中、ちょっと振り返ったらこの景色だったんです。写真編集をしていないのですがセピア色で、ノスタルジックな気分になりました。新海誠監督の『君の名は。』の世界みたいと言った人がいます。筆者は、宮崎駿監督の『千と千尋の神隠し』かなと思ったり。

出展:倉敷物語館前の立て看板
岡本直樹「倉敷川畔美観地区鳥瞰絵図」の一部 使用

赤色の楕円辺りに立って、赤色の矢印の方向を撮影しました。夕暮れ時です。参道の明りは、年末年始等、祭事の時に灯っているように思うのですが、どうなんでしょうか?灯る明りの数が状況によって違うのかな?何れにしても、筆者が撮影した時は年始でしたのでしっかり灯っていました。

少し西へ降ると、こんな感じです。

2018年1月撮影 阿智神社の西側の参道

これもなかなか良いかなと思うのですが、筆者は参道の段々と樹木のシルエットが絶妙だと思っているので、少しもの足りない感じがします。

参道を降った先は、倉敷えびす通商店街になります。

2018年1月撮影 阿智神社の西側の参道

それにしても、美観地区なので撮影ポイントはいっぱいです。同じ場所でも季節や時間帯によってまた違った景色を見せてくれます。ずっと楽しめて、有難いことだと思っています。

番外編:夜空の小ネタ

何でもないことなんですが、夜空の身近な小ネタです。

1⃣ 私たちはいつも月の同じ側を見ている。
知っている人も多いと思います。「餅をつくウサギ」っていつも見えていますよね。これは、月の自転周期(月が自ら回る周期)と公転周期(月が地球のまわりを回る周期)が同じだからなんです。ちなみに、この月の模様、地域によって見え方が違っています。南ヨーロッパではカニ、南アメリカではワニやロバ、東ヨーロッパや北アメリカでは髪の長い女性など色々でおもしろいですね。

2⃣ 満月が昇ってくる時間はほぼ18時頃
東から大きな満月が昇ってくるのを見たことがあると思います。山際や建物の間から昇ってくる月は、ほんとに大きくてまん丸ですよね。でも、東から三日月や半月が昇ってくるのを見たことはないはず。「満月の月の出は18時」と覚えておくとちょっといいですョ。※時間は季節によって多少前後します。

3⃣ 上弦の月下弦の月は、西の空の状態で判断。
「弦」は弓に張る糸の部分のことですね。月のまっすぐな部分に当たります。弦の位置は月が動くと当然変わります。となると、上弦、下弦って何?!ってことになります。そこで、西の空、沈む頃の月の形に注目です。この時、上側がまっすぐだったら上弦の月、下側がまっすぐだったら下弦の月となります。

4⃣ 北極星も少しは動いている。
理科で必ず習う北極星。どちらが北か、この星を見つけることで分るんでしたよね。地球の自転軸を北極側に延長したところにある星が北極星ということなんですが、現在の北極星はピッタリ延長上にあるというわけではないんです。他の星たちと同じように、小さく日周運動をしています。

5⃣ 天の川の正体は銀河系
七夕でお馴染みの天の川。実は我々の銀河系を見ている形になります。地球は太陽系の惑星ですが、太陽系は銀河系に所属しています。天の川を見るということは、銀河系の中心を見ているということになるんです。周りが明るいとなかなか難しいのですが、天の川は一年中見ることができますョ。

6⃣ 金星の明るさは変化している。
「明けの明星」「宵の明星」「一番星」と呼ばれ、とても身近な存在の金星。いつもより明るく見えるなと思ったことはありませんか?夕暮れ時、飛行機かな?と思うくらい。金星は月と同様、満ち欠けしています。となると、まん丸の時が一番明るく見えているのかなと思いがちですが、まん丸の時は位置的に地球から遠くにいてむしろ暗めなんです。欠けてる時の方が地球の近くにいて、明るく見えているんです。これは金星が内惑星だからなのですが、難しい話はともかく、欠けてる金星は地球の近くにいるのでより明るく輝くということです。

7⃣ 「すばる」はおうし座のプレアデス星団
「すばる」は有名ですね。冬を中心に、秋から春先にかけて見ることができます。肉眼でも5~7個の星の集まりが確認できます。おうし座に中にあって、丁度、雄牛の首辺りで輝いています。和名が「すばる」で、プレアデス星団と言います。特徴的で目立つので、季節が合えば必ず見つかるはずです。ぜひ見てみてほしいものです。実際目にするとちょっと感動しますよ。清少納言も枕草子で、「星はすばる・・・」と紹介していますしね。

シドニーホール(1788-1831)
『ウラニアの鏡 おうし座』1825