番外編:川魚のオイカワ、旅立つ

30㎝水槽に引っ越したばかりのオイカワが旅立ちました。 まさに自分から出て行きました。  朝起きて、リビングに入ってすぐ、床の上で発見です。

オイカワ

随分時間が経っていたのでしょうか、煮干し状態でした。例によってガラス蓋の隙間から飛び出たのです。隙間を塞がないとと思っていた矢先の出来事でした。詰め甘でした。筆者痛恨のミスです。 とりあえず身近にある物で塞ぎました。

30㎝ものさしと、1年前にお土産でもらったマリモが棲んでいるお皿です。見栄えがちょっとあれなので、またホームセンターへ行って適当な物がないか探してみようと思います。

カワムツ

30㎝水槽はカワムツ1匹飼いとなりました。相変わらず水流から生じた泡の辺りにいることが多いです。野生の川魚は、エサとなる虫などが川に落ちるのを待っているものです。(フライフィッシングはこれを応用した釣りの形態ですね。) 少しでも自然っぽくと、エサはあえてこの辺りから投入するようにしています。 筆者の密かなこだわりです。

アルジイーター

オイカワが旅立ち、傷心中、ふと60㎝水槽の方を見ると、アルジイーターが流木の下から覗いていました。

番外編:コクワガタの産卵木に変化あり

コクワガタのメスは早々に馴染んでくれたようです。飼育ケースの蓋を開けてみるとちょうど食事中でした。葉っぱや木の下に隠れていることが多いので、自然な形で撮影することができてラッキーでした。

そして飼育ケースをセットして3日目だったでしょうか、産卵木に変化がありました!

木の端が掘られています。素晴らしい!かなり情熱的に掘っています。メスの小さな角(大アゴ)はやっぱり凄いですね。

もう産卵したのかとテンションが上がりましたが、 どうも違うようです。コクワガタの産卵痕はとても特徴的で、それが見られないからです。これは試し掘りといったところでしょうか? メスは慎重なんです。

野生のコクワガタの産卵痕、過去に撮影したものがありますので参考までに紹介したいと思います。写真中央を見てください。

円の中に点があるのが分かるでしょうか?こんな感じなんです。このマークの付近を丁寧に慎重に削って(はがして)行くと、幼虫が出てきます。

このコロッと出てきた幼虫、ちゃんと自宅に持ち帰って成虫にしていますので安心してください。立派なコクワガタになったことを覚えています。

ところで虫の幼虫にどんなイメージをもっていますか? 前出の写真のようなコクワガタの幼虫はどうでしょう? まだかわいい方だと筆者は思っています。 コクワガタは小ぶりなので筆者的には許容範囲なのです。
大きな幼虫のインパクトといったら大変なものです。身近で言えば、カブトムシの幼虫でしょうね。 白いぶりぶりした大きなカブトムシの幼虫を目の前にすると、一瞬思考が止まります。子どもの頃はそれほど抵抗なく見ていたのに…。不思議ですね。 ただ、これも、クワガタ採集中に遭遇する野生のゴキブリと同じで、だんだん慣れて行くんです。最終的には手の上に乗せることも平気になります。ホントです。
人間に備わるこの「慣れ」という感覚はほんとに恐ろしいものなのですが、場合によっては大事な能力ですね。とりあえず筆者は助かっています。

コクワガタ食事後の昆虫ゼリーの様子です。

しっかり食べていますね。着々と産卵準備が進んでいる様子です。無事の産卵を願いつつ、観察を続けたいと思います。

大原美術館:『マルリーの通り』シスレー

季節や時間、いつ頃なんでしょうね。

大原美術館
アルフレッド・シスレー(1839-1899)
『マルリーの通り』1879

【鑑賞の小ネタ】
・シスレーは典型的な印象派の画家
・人が小さく遠くまで描かれている
・画中の白っぽい三角形は何か?
・建物や人の影が長い
・他にも同じ構図の作品あり

シスレーは控えめな性格だったようです。積極的に作品を売り込むようなことはなかったそうです。父親からの経済的支援を受けることができていた間(1870年普仏戦争が始まり、父親の事業が破産)は、比較的生活に余裕があったようなのですが、生涯、貧困の中で過ごしました。

シスレーの生前、作品の価値はなかなか上がりませんでした。生計を立てる手段が作品の販売だったので、画風等、色々と模索しそうなのですが、シスレーはぶれずに印象派を貫きました。

こんな有名なエピソードがあります。1900年頃、アンリ・マティスがカミーユ・ピサロに会った際に、マティスが「典型的な印象派の画家は誰か?」と尋ねると、ピサロは「シスレーだ」と答えたというのです。印象派のまとめ役のピサロに、シスレーは、印象派の画家として高く評価されていたことが分かるエピソードですね。

さて、「マルリーの通り」をテーマとした作品が他にもありました。

『マルリーの通りの光景』1876
『Une rueàMarly(マルリーの通り)』1876

ほとんど同じ場所から描いたのではないでしょうか。中央に描かれている屋根の作りが特徴的な建物が印象的ですね。
ところで、大原美術館の『マルリーの通り』でははっきり描かれています が、その特徴的な建物の向かって右手前に描かれている三角の形をした白っぽいもの、何だと思いますか? 建物の一部のようであり、斜め右奥に続く道のようでもあります。 『マルリーの通りの光景』1876を見てみると、これは建物の一部のように見えます。 『Une rueàMarly(マルリーの通り)』1876 では、馬車に隠れて一部しか見えませんが、大原美術館の『マルリーの通り』1879の三角形とほぼ同じ位置と大きさで描かれているように思います。この2作品は、建物なのか道なのか、見解が分かれるところではないでしょうか。

このトリックアート的な表現、ちょっと意外でした。
シスレーは、以下のように評されています。

美術史家のロバート・ローゼンブラムは、シスレーを「最も汎用的な特徴を持ち、非個性的で教科書として示すのに完璧な印象派絵画」と評している。

Artpedia   アルフレッド・シスレー / Alfred Sisley
        最も教科書的で典型的な印象派画家

筆者がイメージしていたシスレーも、非個性的で、あまり奇をてらった表現をしないタイプの画家と思っていたからです。

ところで、少し気になることがあります。制昨年が大原美術館の『マルリーの通り』だけ1879年になっていることです。シスレーが マルリ=ル=ロワ (マルリーの通り近く)に住んでいたのは、1875年から1877年で、その年(1877年)にはセーヴルに引っ越しています。もしかしたら、大原美術館の『マルリーの通り』は過去に描いたものを参考にしながら、ちょっと脚色を加えて描いたのかもしれません。もしそれがシスレーの試みだったのなら、大成功ではないでしょうか。三角形が気になって、色々想像してしまいます。典型的な印象派の風景画の中の謎の三角形、いいですよねェ。

構図は違いますが、マルリーの通りを描いた作品が他にもありました。

『street in marly』1876

1876年ですね。まだ近くに住んでいた頃です。トリックアート的な表現は見られないように思うのですが…。どうでしょう? あの上部が特徴的な建物は描かれていますね。

「これは何を描いているのかな?」という視点で鑑賞すると、やっぱりおもしろいですね。

追伸
「シスレーは道路の表面を少し高く描くことにより消失点をより興味深くしている」(引用:MUSEYオンライン・ミュージアム)とありました!あの三角形と何か関連があるのでしょうか…?

番外編:久しぶりに本気でクワガタ飼育

夏と言えばカブトムシ、そしてクワガタムシでしょう。筆者の家ではこれまで数多くのクワガタ(カブトムシも)を飼ってきました。国産はもちろん外国産も。今思えば、貴重な経験ではありましたが、ほんとに大変な日々だったように思います。

外国産のクワガタが飼育ケースから脱走した時は震えたものです。国産と比べて外国産は大型で気性も荒いんです。うっかり角(大アゴ)で挟まれたら大変です。ちょっとした流血騒ぎになることもあるんです。室内で本気のクワガタ採集、鬼気迫るものがありました。室内に昆虫ゼリーを仕掛けたことも何度かあります…。

過去に経験したクワガタとの生活について話し出すと長くなるので、ぼつぼつ思い出しながら時々書いて行こうかと思っています。

さて、今回久々に本気で飼育するのは、コクワガタのメスです。近くの山から取ってきました。クワガタを採集する時期としては8月だと少々遅いのですが、いたらいいなぐらいの気持ちで探しに行きました。案の定、なかなか探し出すことが出来なくて、そろそろ帰ろうかと思った時に見つかりました。メスなのでクワガタ特有の大きな角(大アゴ)はありませんが、 貴重な一匹です。 よく見ると小さな角がちゃんとあるのですが、遠目から見ればほとんどゴキブリでしょうね。

実際、クワガタ取りをしていると、野生のゴキブリによく遭遇します。最初は衝撃的なのですが、数匹見たら慣れます。一々ゴキブリに反応していたら、クワガタ取りはできません。ホントです。

コクワガタ メス

コクワガタはオオクワガタ属です。大型のオスになると、なかなかカッコ良く、オオクワほどではありませんが、存在感があります。今回取ってきたメスは、たぶんこの夏に成虫になったものと思われます。それは符節(フセツ)欠けがないからです。符節とは、昆虫の足の先のかぎづめのことです。符節は日々生活して行くうちに、徐々に欠損して行きます。このメスは、6本の足が欠損なく全部きれいに揃っていたので、この夏に成虫になったものと考えられます。

また、メスということで卵を産む可能性があります。さらに、一夏で終わりのカブトムシやノコギリクワガタと違って、コクワガタは越冬します。(※ちなみにオオクワガタやヒラタクワガタも越冬します。) というわけで、産卵と越冬を想定して、飼育ケースをセットすることにしました。

下の土はクヌギマットです。ペットショップで普通に販売されています。霧吹きで水をかけながら敷きます。下半分は固めるように押さえつけながら敷くことがポイントです。

そして産卵木(クヌギ)です。数時間水に浸したものを使用します。産卵木の下半分くらいをクヌギマットに埋め込みます。さらっと産卵木と書いてしまいましたが、クワガタは基本的に朽ち木の中に卵を産み付けます。メスの小さな大アゴで、朽ち木に産卵用の穴を掘って、産卵管を差し込んで産卵を行うのです。この時メスの小さな大アゴは大活躍します。オスの大きな大アゴより、メスの小さな大アゴの方が、力が強いのではないかと筆者は思っています。どうにかして大アゴの力の強さを計測してみたいものです。

後は、昆虫ゼリーと枯れ葉です。枯れ葉は特に無くても大丈夫ですが、より自然に近い形ということで意味があるかもしれません。

60㎝熱帯魚水槽、30㎝川魚水槽、コクワガタ飼育ケース、リビングの一角が生き物コーナーとなってきました…。

番外編:川魚、ついに引っ越し

川魚に対する疑惑 (コリドラスの死去原因 )が晴れない日々がしばらく続きましたが、やっと引っ越しを決意することが出来ました。現在使用中の60㎝水槽の他に、何も生き物が入っていない空回しのサブ水槽が実は以前からあったんです。30㎝と小型の水槽なので、できれば60㎝の広い環境でと思ってそのまま様子を見ていたというわけです。

今持っている熱帯魚用の網で川魚をすくおうと追いかけましたが、全く網に入りませんでした。用水路の魚を網ですくおうと思ってもなかなかすくえないというあれです。さすが野生の動きといったところです。仕方がないので、大きめの網を新たに購入することにしました。

マスクの2倍とは言いませんが、かなり大きめの熱帯魚用の網です。
カワムツはすぐに網に入りました。オイカワは 大きな網にびっくりしたのか、 サッとすり抜けて外に飛び出ました。そのジャンプ力は凄まじく、水面より40㎝程の高さまで飛び跳ねたと思います。

30㎝水槽

ついに引っ越し完了です。水草アナカリスも入れました。
小型の外掛けフィルターを使用しています。水槽用ヒーターサーモスタットは設置していません。水温は25度だったので問題なしなんですが、そもそも日本の川魚なのでヒーターなしで大丈夫だと思います。

カワムツとオイカワとアナカリス

アナカリスの正式和名はオオカナダモで、理科のテストではお馴染みですね。 アクアリスト的にはアナカリスで通っていますが、テストではオオカナダモと解答しないとピンだったはず。 そしてアナカリスは南アメリカ原産の外来種です。在来種のクロモにとてもよく似ています。

出展:Wikipedia クロモ

外掛けフィルターの下は水が落ちて来るので水流が発生します。川魚たちはそこにいることが多いです。水流に逆らって泳いでいる感じで、楽しんでいるように見えます。これは結果オーライなのかもしれません。

60㎝水槽は本来の熱帯魚水槽に戻りました。 新入りの熱帯魚がいますのでまた報告したいと思います。