番外編:ゆっくり成虫になったコクワガタのオス

2020年、去年の夏にコクワガタのメスを近くの山で採集したことから始まった筆者の久々の本気のクワガタ飼育。 たまたまメスだったので、もしかしたら卵を産むかと思い、産卵木を飼育ケースにセットして様子を見ていたら、たくさん卵を産んだので、ますます本気のクワガタ飼育になって行きました。そして卵から幼虫、サナギになって、やっとこの度、筆者宅にいる全てのサナギが成虫になりました!(※別の場所で様子を見ているサナギがまだ3匹います。)

最後に成虫になったのは、オスのサナギでした。

菌糸ビンの底の方のサナギ部屋に、羽化して間もないコクワガタのオスの成虫がいます👇

コクワガタのオスの羽化

この時はまだ羽が黒くなっていませんね。
1週間後、菌糸ビンから掘り出しました。

大アゴ(角)が見えます!

出て来ました!

素晴らしい✨

コクワガタのオス

右の角の先が少し欠損しています。どの段階でこうなったのか分かりませんが、サナギ部屋が何となく狭そうだったので、もしかしたら関係があるかもしれません。サナギ部屋は幼虫が自分で作るものです。考えてみれば、どのくらいのサイズにするのかは自己判断なのでちょっと難しそうです。当たり前そうに見えても、実は難解なことってよくありますよね。その部類の話なのかもしれません。

昆虫ゼリーを用意してみましたが、すぐにクヌギマットに潜って行きました。

羽がしっかり固まるまで、しばらくエサを食べずに潜ったままだと思います。本来オスの成虫は、木の裏に入って行くことはあっても、クヌギマットにあまりグイグイ潜って行かないのですが、この時期のオスは外敵から身を守るためかしっかり潜るんですね。ちなみに、菌糸ビンという人工的な環境なので掘り出しを決行していますが、本来の自然界ではまだサナギ部屋でじっとしている時期だと思います。潜って行くのも当然かもしれませんね。

ところで、オスより一足先に成虫になったメスがこちら👀

コクワガタのメス

安心してください。ゴキブリではありません。一番初めに成虫になったメスは、よく食事をしています(^-^)

小型の飼育ケースにオス1匹、中型の飼育ケースにメス4匹、別々にしています。もうしばらくこのまま飼育しようと思っています。

番外編:ヌマチチブの日常

ヌマチチブは筆者がジロジロ見ていない時は、よく水槽の前面のガラスに貼り付いています。

ピタッ

筆者が近寄って写真を撮ろうとするとすぐに移動します。そしてちょっとびっくりした様子でこっちを見てフカフカ。

何?!

ドカッと石の上に乗ったりもします。

ジー

隠れ家に入ったりもします。

そして、こんな感じで、石の後ろから体半分石の上に乗せてこっちを見ていることが多いです👇

   

この度また、スーパーのシジミを入れてみました! 川魚水槽に投入するのは初めてです。シジミはお馴染みの「宍道湖のシジミ」です。今回のシジミは、かなり大きなサイズのものも混ざっていました。向かって右側が通常サイズのシジミです。

ヌマチチブは一定の距離を保ちつつ、興味津々でシジミを観察していました。

ヌマチチブとシジミ、どんな生活になるのか見ものです。

つい最近までかわいくないはずだったヌマチチブ、気が付けばヌマチチブフィーバー🔥

ミュシャのリトグラフ(石版画):四季(1900)『春』②

ミュシャのリトグラフ、四季(1900)『春』のモデルは誰なのでしょうか?過去記事(ミュシャのリトグラフ(石版画):四季(1900)『春』①)で紹介しましたが、『四季』のモデルたちの顔や身体を比較した時、この1900年の『春』の女性だけ、様子が他と少し違うと筆者は思っています。何か特別なモデルだったのではないかと。

アルフォンス・ミュシャ(1860-1939)
四季『春』1900

芸術家には、ミューズ(本来はギリシャ・ローマ神話の芸術の女神達のこと。今日、よく耳にするミューズとは、芸術家に創作意欲を刺激する女性のことを指す。)の存在は欠かせませんよね。ミューズが誰なのか、詳細に分かっていることも多くあります。ピカソには何人ものミューズ(モデル)がいたことは周知の通りです。

1900年あたりでミュシャのモデルをよく務めた女性は誰だったのでしょうか?モデル(ミューズ)が芸術家の妻なることはよくあることなので、ミュシャの配偶者について調べてみました。1906年にマルシュカ・ヒティロヴァ―という女性と結婚しています。1903年にパリで出会ったようなので、1900年の『春』のモデルではなさそうですね。

マルシュカと結婚する前に8年間付き合っていた女性がいました! 時期的には合いますね。フランス人のベルト・ド・ラランドという女性です。職業はウエイトレスだったようです。ミュシャはベルトをモデルにして、写真やイラスト、絵画を多く残しています。

ベルト・ド・ラランド
『ベルト・ド・ラランドの肖像』1902年頃

どうでしょう? 『春』の女性と似ているような似てないような…。モデルがベルトとは断言できないのですが、多分ベルトではないかと思われる素描をもう1点。こちらです。

『少女と鳩』1899

この素描の女性がベルトではないかと判断した理由は、白鉛筆を効果的に使用した画風とサインです。ミュシャのサインの形状は色々あります。例えばこちら。

薄い紙に鉛筆、白鉛筆の予備スケッチ 1905

そして前出のベルトがモデルと思われる素描のサインがこちら。

違いがよく分かるのではないかと思います。

   

ということで、改めて比べてみます。
少女漫画風のパッチリ目というよりはスッとした目元。目と目の間は程よい間隔。(ミュシャの描く女性の目と目の間隔は、結構広めではないかと筆者は思っていて、その点、1900年の『春』の女性はどちらかというと狭い方なのかもしれません。)顎のラインはシャープですっきり。そして、鼻筋と口元がとても似ているように思います。

ミュシャの妻マルシュカと結婚する前8年間交際していたベルト。交際が重なった時期もあるようです。 ミュシャ結婚後、再び会うことはなかったと言われていて、引き際の潔さを感じます。 ミュシャと別れた後は、一度も結婚することなく1957年に亡くなったそうです。 少し悲し気ではありますが、とても意志の強い女性だったのではないでしょうか。1900年『春』の女性の目力にも通じるような…。

以上のことから、1900年『春』のモデルは、筆者的にはベルト・ド・ラランド推しです。

ミュシャのリトグラフ(石版画):四季(1900)『春』①

ミュシャの装飾パネル画のなかの1つです。

アルフォンス・ミュシャ(1860-1939)
四季『春』1900

この『春』を初めて見たのは、どこかの展示即売会だったと思います。その展示会では、ミュシャではない他の画家の作品も展示されていましたが、ミュシャがメインだったと思います。オリジナルのリトグラフ(石版画)作品も何点かあって、感動したことを覚えています。

『春』は、数ある展示作品の中で一際目を引きました。ミュシャの官能的に表現された女性のあの雰囲気とはちょっと違うなと思ったんです。かなりの美形であることは間違いないのですが、それだけでなく、目力があって意志の強さがにじみ出ているなと。

この作品は、『春』『夏』『秋』『冬』の4枚セットの中の1枚です。

『四季』(1900年)

『春』だけ比較的身体がまっすぐなのが分かるでしょうか?首もスッと伸びていて、顔も正面を向いていますよね。

『四季』はこの他にも2パターン制作されています。

『四季』(1896年)
『四季』(1897年)

どうでしょう? 筆者が取り上げた1900年の『春』だけ、雰囲気が他と違うように思いませんか?

『四季』の中の女性は、「コントラポスト」(体重の大部分を片脚にかけて立っている状態を指す)きつめですよね。コントラポストをさらに強調して、身体を曲がりくねらせたものを「S字曲線」といいます。ウイリアム・ホガース(1697-1764)によれば、直線が少なく、曲線が多いほど美しいということのようです。

1900年の『春』はどうなっているでしょうか? 左脚が曲がっているので、右脚に体重がかかっていることが分かります。コントラポストですね。そして腰が少し傾いているので、ゆるーくS字曲線にもなっています。筆者的には、あまりくねくねするより、これぐらいが良いです。

      

筆者が立ち寄った展示会では、当時の製法になるべく近付け、使用するインクにもこだわった複製リトグラフを販売していました。『春』も見事な色合いで複製されていました。大きさは縦が1mくらいで、価格もそれなりに高額だったと思います。販売員の方が熱心にミュシャについてレクチャーして下さったことを覚えています。結局購入せずに帰ってしまいましたが、今では色んな思い出が甦る作品となっています。

番外編:ヌマチチブの隠れ場所

あまりかわいくないはずのヌマチチブ。 なぜか最近気になって、よく観察しています。いつの間にか夢中…?

こんな風に貼り付いたりします👇

2021年5月25日撮影 ヌマチチブ

腹びれが吸盤状になっているので上手にピタッです。

石の3分の2くらいの大きさに成長しています。8㎝くらいかな?

あれ?石の左下が掘られているような…。

これは故意に掘られていますねェ。石の横にあるスポンジも、こんな位置にあったかな? ヌマチチブがこの穴に入ったらいいのになーと思って見ていたら、

ササッと入ってくれましたヌマチチブ! じっとこっちを見ています。しばらくにらみ合った後、特に危険はないと判断したのか、体を大きく動かして穴を整えていました。 間違いなくヌマチチブが自分で作った隠れ家だと思います。

水の入れ替えの時、石も取り出して磨くことが多いのですが、しばらくそのままにしておこうと思います(^-^)