8月の中庭(大原美術館)の睡蓮

晴れの国岡山も、連日暑い日が続いております。
大原美術館の中庭の睡蓮は元気かなと思い、行ってみました。

2022年8月2日撮影 大原美術館中庭の睡蓮

8月2日撮影なので、少し前の睡蓮たちです。まだまだ見頃でした(^-^)

睡蓮の花に注目しがちですが、葉っぱもなかなか良いと筆者は思っています。何もない水面と葉っぱと花のバランスが絶妙です。年間通しての行き届いた管理の賜物だと思います。水面に映り込む瓦壁も良い味を出していますね。

せっかくなので、倉敷川沿いも歩いてみました。すると、

よくこれを見つけたと自分でも驚きです。
写真中央、分かるでしょうか?

スッポンです🐢 水面から頭が出ています。
見ていたら、岸に上がろうとしていました!

上手に一段は上がることができました。スッポンはクサガメなどのカメと比べて、水中生活に適応していて、水中で長時間活動できるカメなんだそうです。普段は水中にいることが多いタイプのカメということです。そういえば、ぼーっと甲羅干しをしているアカミミガメやクサガメはよく見かけますが、スッポンの優雅な甲羅干しは筆者的にはあまり見かけたことがありません。大抵、人影を感じたら、シャッと水中に入って行きます。

そうしてみると、人目の多い昼間の美観地区で、このスッポンの上陸は、ちょっと珍しいのではないかな?

近くに寄って二段目の挑戦を見守っていたら、

段が高すぎて、仰向けに倒れて水中へ潜って行きました。

甲羅干しなら、一段目までで良かったと思うのですが、二段目も這い上がろうとしたところを見ると、よほどの理由があったのではないかと思いました。調べてみると、産卵期が6月上旬~8月下旬ということが分かりました。地面に穴を掘って直径20~24mmの卵を産むそうです。

仮に産卵が目的だったのなら、あのスッポンの頑張りは納得です。

過去記事でも時々スッポンは登場しています。今回気付いたのですが、見かける場所が大抵この辺りのような気がします。もしかしたら、スッポンにとって重要な場所なのかもしれませんね。

ルネ・マグリットの『光の帝国』

最近のお気に入りポスターです👇

ベルギー王立美術館
『光の帝国』1954
ルネ・マグリット(1898-1967)

熱帯魚水槽の右横に展示しています。

ルネ・マグリットはシュルレアリスム(超現実主義)を代表する画家です。美術の教科書でもお馴染みだと思います。生涯のほとんどをベルギーで過ごしました。

『光の帝国』の第一印象はどうでしょう? 筆者は風景画のなかでも建物の絵が好きなので、最初から惹かれるものがありました。中心に位置する街灯、そして窓から漏れる暖色系の明り、いい感じですよね✨ 建物の周辺(絵の下半分)は夜の雰囲気で描かれています。

ところが、興味深いことに空は昼間なんです。青空に白い雲が浮かんでいて、とても不思議な風景画となっています。まだ薄暗い明け方に似たような景色を見たことがあるような気もしますが、ここまではっきりとした夜と昼の共存は難しいと思います。ありえない風景なのになぜか落ち着くこの感じ。何なんでしょうかねぇ。人は、ありえない物や事に対して、ざわざわするはずなんですが…。

『光の帝国』はシリーズもので、主に1953年から1954年にかけて制作されているようです。

ソロモン・R・グッゲンハイム美術館
『光の帝国』1953-54年
マグリット美術館
『光の帝国』1954
ニューヨーク近代美術館
『光の帝国Ⅱ』1950

街灯が効いてますね。マグリットは身近にあるものを絵の中に描き込むことが多かったようです。この街灯も、マグリットが1930年から1954年の24年間暮らしたブリュッセルの家の前にあった街灯なんだそうですョ。

『光の帝国』シリーズ、どの作品を見ても、昼と夜が共存しているのが分かると思います。これは、シュルレアリスムの表現手法の1つで、デペイズマンと呼ばれます。フランス語で「異なった環境に置くこと」を意味します。昼と夜が共存することは本来ないので、「あれ?」ってなりますよね。感覚が揺さぶられるわけです。人の心に衝撃を与えることがねらいのデペイズマンです。

筆者的には何だか落ち着く絵なのですが、人によっては、異世界に導かれるようなざわざわする絵になるのかもしれませんね。

大原美術館:中庭の睡蓮

やっと大原美術館の睡蓮を撮影することができました。2022年7月1日より、入場制限が緩和され、以前のように中庭まで自由に入ることができるようになってました!開門されている間は、どなたでもご覧になれます。

この中庭の睡蓮は、倉敷アイビースクエアの睡蓮(過去記事、倉敷アイビースクエアの睡蓮)と同じく、モネゆかりの睡蓮です。

筆者と同じく、写真撮影されている方、結構いました(^-^)

見頃はまだまだ続くと思いますので、ぜひ足を運んでみてください。美術館内のモネの睡蓮(過去記事、大原美術館:『睡蓮』モネ)と併せてご覧になると、一層楽しめると思います👍

番外編:クワガタシーズン到来

クワガタシーズン到来です❕ 

カブトムシ・クワガタといえば、夏本番の7月、8月というイメージではないでしょうか?カブトムシはそんな感じで大丈夫だと思いますが、クワガタは6月からなんです。夏休みの自由研究にクワガタをテーマに選ぶなら、6月からそわそわしなくてはなりません。8月の終わり頃になると、クワガタ採集はかなり難しくなります。

先日、里山を歩きました。
出発地点近くの桜の木のうろ(樹洞)をちょっとチェックしてみました。(このシーズンになると、それらしい木のうろを見つけたらついつい覗いてしまいます。)

コクワガタのメス

クヌギではなく桜の木だったので、あまり期待はしていなかったのですが、コクワガタのメスを発見‼ 樹液が出ている辺りに頭を突っ込んで食事中でした。おしりをちょこっと突いてみたら、少しビクッとしましたが、すぐに食事に戻りました。

里山歩きが終了し、もう一度うろを見てみると、全く同じ状態で食事してました。2~3時間は経過していたと思います。所要を済ませ、帰宅する前、最後にもう一度見てみると、

コクワガタのメスも移動中でした(^-^) 昼間は鳥に突かれたり、採集者に見つかったりと危険なので、素早く物陰に移動しなくてはなりません。頑張れコクワ👍

            

里山にはきれいなアザミが咲いていました。

倉敷アイビースクエアの屋根

下からでは見えない倉敷アイビースクエアの屋根。実はとても特徴的なんです。写真を撮ろうとぐるぐる回ったのですが、撮りたい屋根はやはり見えませんでした。
倉敷アイビースクエアの西側入り口付近では、音声なしの倉敷アイビースクエア空撮映像が随時流れています(筆者が気づいていなかったのかもしれませんが、以前は流れていなかったと思います。)ので、その映像の一部で紹介したいと思います。

工場でよく見られるノコギリ屋根になっています。倉敷アイビースクエアはそもそも倉敷紡績所(現:クラボウ)の本社工場だったので納得ですね。興味深いのは次の内容です👇

ノコギリ屋根

現在国内の工場で多く見られる構造とは異なり、北側が垂直ではなく、やや水平気味になっています。イギリスの工場の設計をそのまま再現したものですが、日本はイギリスより緯度が低いため、春分から秋分にかけ北面の採光窓から直射日光が入ってしまい、特に夏場は暑さに苦しみました。

KURASHIKI IVY SQUARE ホームページより

イギリスの工場の設計をそのまま再現したものだったんですね。ちなみに、北面に採光窓を設ける理由は、日中の光量の変化が少なく安定した光源が得られるためなんだそうです。そして、イギリスと日本の緯度の違い、これがその後に大きく影響したようです。

イギリスは日本より高い緯度にあります。ロンドンは北緯51度、東京は北緯35度です。イギリスは日本より結構北ってことです。そうなると、太陽の南中高度がかなり違ってきます。(※冬至の頃の南中高度は東京の半分しかないそうです。)南中高度の高さの違いは、日差しの違いに現れ、イギリスよりも日本の方が高い位置から日が差し込むことになります。

春分から秋分にかけ北面の採光窓から直射日光が入ってしまい、とありますが、南中高度の違いが影響しているということだと思います。そして、イギリスにならって採光窓の設置角度を傾けてしまったため、余計に直射日光が入ってしまうという結果になったんですね。

でも、そのおかげで、壁面を覆いつくすアイビー(ツタ)なんです。工場内の室温の上昇を防ぐために植えられました。室温の上昇がなかったら、アイビーは植えられていなかったかもしれませんね。

倉敷アイビースクエアをイメージする時、レンガの壁面にアイビーは欠かせません。でも、アイビーの歴史を振り返ると、景観をねらって植えられたものではなく、必要に迫られ対処した結果、現在のような姿になったことが分かります。

ノコギリ屋根とアイビーの深い繋がりを感じながら散歩したいと思います(^-^)