大原美術館:『ベートーヴェン像』ブールデル

しぶい顔をしたベートーヴェンだと思いました。

大原美術館
エミール=アントワーヌ・ブールデル(1861-1929)
『ベートーヴェン像』制昨年不明
大理石

【鑑賞の小ネタ】
・フランスの彫刻家
・ブールデルはロダンの弟子
・ベートーヴェンの彫刻を複数制作
・左右の横顔に注目

ブールデルはオーギュスト・ロダン(1840-1917)の助手をほぼ15年間つとめました。そして、ロダンから教えを受けるだけでなく、ロダンの作品にも影響を与えたといわれています。(大原美術館HPより) ロダンの工房に入ったのは1893年、32歳の時からで、ロダンはブールデルを高く評価していたそうです。

ブールデルは自分の顔がベートーヴェンに似ていると思っていたようですョ。ベートーヴェンをテーマに、習作を含め45点もの彫刻を残しています。

出典:Wikipedia
   アントワーヌ・ブールデル  1925
ジョセフ・カール・スティーラー(1781-1858)
『ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン』1820

どうでしょう? ブールデルの写真とベートーヴェンの肖像画を見比べてみてくだい。鋭い眼光が確かに似ているような気がします。

別のベートーヴェンの彫刻がこちら。

マルロー美術館
『ベートーヴェン』1902
ブロンズ
ストラスブール近現代美術館
『ベートーヴェンの胸像』1903

ブールデルは1888年(27歳)から1929年(68歳)に亡くなるまで、ベートーヴェンの彫刻に取り組み続けました。 耳が聴こえなくなっても作曲を続けたベートーヴェンの内面に共感し、そして追求したのでしょうね。

ところで、大原美術館の『ベートーヴェン像』の顔、右半分と左半分でかなり印象が違うと思うのですが、どうでしょう? ジャコメッティの彫刻の記事(過去記事、大原美術館:『ヴェニスの女Ⅰ』ジャコメッティ)の【おまけ】で少しふれましたが、彫刻は立体なので、平面の絵画とは違い、色んな角度から楽しむことができる芸術作品です。ぜひ、あっちからもこっちからも見てみて下さい。新しい発見があるかもしれませんョ。ちなみに筆者は、向かって右半分の顔の方が、シワも深くなんだか年を取っているように見えるのですがどうでしょう?口角も若干左よりは下がっているような…。

【おまけ】
大原美術館のベートーヴェンの目、閉じているということのようですが、開いているようにも見えませんか? 開いているとしたら、全く別の印象になりますね。