浮世絵と西洋絵画②

浮世絵と西洋絵画①の続きです。

ゴッホの浮世絵模写3つ目はこちら👇

ゴッホ美術館
フィンセント・ファン・ゴッホ(1853-1890)
「花魁(おいらん)」1887

花魁の周囲には、竹、睡蓮、アマガエル、ガマガエル、2羽のツル(タンチョウかな?)、流し舟などが描かれています。どれを取って見ても、とても日本的ですよね。そしてゴッホはこの浮世絵を見ながら描いたそうです👇

パリのイラスト誌「ル・ジャポン」の表紙
1886年5月

パリのイラスト誌の表紙です。
元の浮世絵はこちら👇

渓斎英泉(けいさいえいせん)
「雲龍打掛の花魁(おいらん)」(1820~1830年代)

ゴッホは浮世絵の収集をしています。「名所江戸百景 大はしあたけの夕立」と 「名所江戸百景 亀戸梅屋舗」は実物を持っていたのでそれを見ながら描き、「雲龍打掛の花魁」は持っていなかったのでイラスト誌の表紙を見ながら描いたのではないかと言われています。元の浮世絵と違い、左右が反転しているのはそのためです。

      

ゴッホのような完全な模写ではありませんが、ゴーギャンの絵にも浮世絵の影響が見られるものがあります👇

スコットランド王立美術館
ポール・ゴーギャン(1848-1903)
「説教の後の幻想(天使と戦うヤコブ)」1888

黄色のだ円の中の2人👆に注目です。レスリングか相撲の取組のような体勢ですよね。葛飾北斎の「北斎漫画」の中に、よく似た体勢の力士がいます👇

葛飾北斎
「北斎漫画 3編より 相撲四十八手」]

緑色のだ円の中の2人の力士です。これをゴーギャンは参考にしたと言われていますが、全く同じというわけではないようですね。他にも力士の様々な動きが描かれていますので、とても参考になったことは間違いなしでしょう。
また、斜めに横切る太い幹の大胆な構図取りも浮世絵の影響と言われています。

西洋絵画の中には日本的なものが結構描かれているものです。見つかるとちょっと嬉しい筆者です。