「受胎告知」の日はいつなんでしょう?筆者はあまり意識したことがなかったのですが、どうやら3月25日とされているようです。クリスマスが12月25日なので、その丁度9カ月前というわけです。この絵『受胎告知』の季節は春だったんですね。そうなると、画面中央の激しい光は春雷(ヨーロッパでも春雷あり?)をイメージしたものかもしれませんね。受胎告知の場面では、天からの光(光線)と共に精霊の鳩が描かれることが多いのですが、大原美術館の『受胎告知』の雷のような劇的な光はなんとも迫力があります。
大きな翼をもった天使は大天使ガブリエルです。大天使なので、かなり上位の天使なのかと思いがちですが、実はそうでもないようです。天使にも階級があって、上位(熾天使、智天使、座天使)、中位(主天使、力天使、能天使)、下位(権天使、大天使、天使)となっています。なんと階級的には下位で、下から2番目の天使みたいです。ちょっとびっくりです。
大天使は、三大天使、四大天使、七大天使等色々言われるようですが、キリスト教では三大天使(ミカエル、ラファエル、ガブリエル)が特別のようですね。
ミカエルは正義の勇者、天使の長👇
ラファエルは人を心身ともに癒す天使👇
そして大天使ガブリエルは、神のメッセンジャーでした! どうりで天から受胎を告知しにやって来るわけですね。
マリア様の手に本が見えますね。何の本なんでしょうか? 通説はやはり聖書です。イエスが登場する前の聖書が旧約聖書、イエスが登場する聖書が新約聖書なので、旧約聖書を読んでいるということになりますね。では、どの部分なのか?「イザヤ書」第7章14節と言われています。
※キリスト教ではインマヌエルをイエスキリストと解釈しているようです。
それゆえ、わたしの主が御自ら
聖書 新共同訳
あなたたちにしるしを与えられる。
見よ、おとめが身ごもって、男の子を産み
その名をインマヌエルと呼ぶ。
「イザヤ書」第7章14節
ちなみに、ルネサンス期の西欧では読書するマリアが好んで描かれたようですが、東方の伝統では糸を紡ぐマリアが主流だったようです👇