名画の小ネタ:『モナ・リザ』レオナルド・ダ・ヴィンチ ~その2~

引き続き、『モナ・リザ』です。

ルーヴル美術館
レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452-1519)
『モナ・リザ』1503-1519年頃

ダ・ヴィンチが生涯手元に置いた作品。
ダ・ヴィンチが生涯手元に置いた絵画は3作品です。『モナ・リザ』は、その中で最も有名な1作品ということになりますね。あとの2作品、『 聖アンナと聖母子 』『 洗礼者聖ヨハネ 』はこちらです👇

ルーヴル美術館
レオナルド・ダ・ヴィンチ
『聖アンナと聖母子』1508年頃

聖アンナは、聖母マリアの母親です。親子3世代の絵画ですね。そして子羊は、受難の象徴とされています。

ルーヴル美術館
レオナルド・ダ・ヴィンチ
『洗礼者聖ヨハネ』1513-1516

洗礼者聖ヨハネはイエス・キリストに洗礼を授けた人物。イエスの弟子の使徒ヨハネとは別人です。『マタイの福音書』3章によれば、ヨハネは「らくだの皮衣を着、腰に革の帯をしめ、いなごと野密を食べ物とする人物」ということです。なかなかワイルドなイメージですよね。ダ・ヴィンチの『洗礼者聖ヨハネ』は、どうでしょう?あまりワイルドには描かれていないような…。ちなみに筆者は最初、女性の肖像画かと思いました。

『モナ・リザ』は未完の作品。
最期まで手を加え続けたといいます。未完であることは、手の描き方から分かるようです。 そしてダ・ヴィンチの作品には、『モナ・リザ』だけでなく、未完のものが結構あります。「才能があり過ぎて多方面で忙しかったのではないか?」「そもそもの性格が飽きっぽかったのではないか?」等、未完作品が多い理由について、様々言及されています。

スフマート技法で描かれた輪郭。
スフマートは、境界線なしにぼやかす筆使いの技術です。『モナ・リザ』の顎の辺りを見てみると、よく分かりますね。ダ・ヴィンチによって始められたとされる説が有力です。

空気遠近法で描かれた背景。
空気遠近法とは、大気が持つ性質を利用した表現法です。遠くへ向かうほど青味がかって見えると同時に、輪郭がはっきりしなくなりかすんで見えたりしますよね。これを表現したのが空気遠近法で、これにより、空間の奥行を感じることが出来ます。

『モナ・リザ』は盗難にあっていた!
1911年8月22日に来館者が気づいて係員に通報しました。国宝級の盗難なので、大規模な捜査が行われました。1913年12月12日に発見され、無事ルーヴル美術館に戻されています。驚いたことに、この盗難事件の犯人として、あのピカソが容疑にかけられたそうです。事件発生の翌月に逮捕されたピカソは、無実を訴え無事釈放されています。犯人はイタリア出身のビンセンツォ・ペルージャという泥棒でした。モナ・リザを盗んだ人物として知られているようです。

大原美術館にはマルセル・デュシャンによる『L.H.O.O.Q.』と『髭を剃った L.H.O.O.Q. 』いう作品がある。
ダ・ヴィンチの『モナ・リザ』とは、サイズが全く異なっていますが、一見、『モナ・リザ』なんです。『L.H.O.O.Q.』(1919年)をよく見ると、まるで落書きのように髭が書かれているのがわかります。 『モナ・リザ』の印刷物に鉛筆で髭の落書きを施して作品にしたというわけです。そして『髭を剃った L.H.O.O.Q. 』(1965年)の方は、その髭の落書きがなくなっています。こちらはかなり小さな作品だったと思います。ところで、なぜ誰もが知る名画『モナ・リザ』に髭の落書きを⁈と不思議に思いませんでしたか?それが作者デュシャンのねらいだったようですョ。 芸術とは何かを今一度考えさせられる作品となっています。