『ナイト ホークス』エドワード・ホッパー

知る人ぞ知る、有名な作品です。

シカゴ美術館
エドワード・ホッパー(1882-1967)
『ナイト ホークス』1942

エドワード・ホッパーは20世紀のアメリカの画家です。物語性が強い作品が多く、インスピレーションを受けたというアーティストも珍しくありません。

『ナイト ホークス』の制作年は1942年なので、第二次世界大戦中ということになります。つかの間の日常を切り取ったようにも見えますが、雰囲気がなんとなく非現実的な印象です。

ナイトホークス」は直訳してヨタカ(夜鷹)ですが、「夜更かしをする人々」ということのようです。深夜営業のダイナー(列車の食堂車を模した簡易食堂)が舞台です。

女性が手に持っているのは何でしょう? サンドウィッチだという話がありますが、サンドウィッチを置いていたはずのお皿がないので、どうも不自然に筆者は思ってしまいます。それよりは、男性が煙草を持っているということで、二つ折りの紙マッチではないか?という意見に賛成です。

この男性は誰でしょう? 後ろ姿なのではっきりしないのですが、ホッパー自身ではないか?という説があるんですョ。後ろ姿の自画像ですね。

そして、画中のこれは何でしょう?👇

当時のコーヒーメーカー(コーヒーマシーン)なんだそうです。夜の雰囲気漂う絵なので、飲んでいるのはアルコール類かと思いがちですが、3人の手元にはしっかりカップ(マグカップ)が見えますね。カップの中身はきっとコーヒーなのではないでしょうか。

ただ、一人で飲んでいる男性は、右手にガラスコップのようなものを持っているようにも見えます。もしかしたら、コーヒーを先程まで飲んでいた誰かが、男性の隣にいたのかもしれませんね。ドラマのワンシーンのようです。

    

また、『ナイト ホークス』制作のためと思れるドローイン(線画)が数多く残されています。

ホイットニー美術館所蔵

ドローイングの中の女性が持っている四角いもの、この感じだと、サンドウィッチにも見えますね…。

エドワード・ホッパーの作品は、現実から離れ、映画の中に入り込んだような気分になれるのでお勧めですョ(^-^)