ミュシャの有名なリトグラフ作品『黄道十二宮』は何パターンもあります。
元々は、シャンプノワという印刷業者の依頼で制作されたもので、室内用カレンダーだったようです。その後、雑誌「ラ・プリュム」の編集長が版権を購入して、1897年用のカレンダーに使用しています。
その他のパターンのいくつかがこちら。
同じ版でも、色が違うと随分印象が変わるものですね。また、中央の豪華なティアラをつけている女性については、『ラ・ナチュール』という彫刻で表現されています。
「黄道十二宮」の中央の女性を立体化したものということですね。
ちなみに、雑誌『ラ・プリュム』の表紙がこちら。
「ラ・プリュム」誌はレオン・デシャンにより創刊された芸術雑誌で、デシャンは舞台女優のサラ・ベルナール(過去記事、ミュシャの出世作『ジスモンダ』)と同じく、ミュシャを高く評価しました。ミュシャ特集号を発行する等、ミュシャの紹介に力を入れたそうです。
それにしてもミュシャは、要所要所で重要な人と出会い、見事その期待に応えているアーティストだと思います。そもそもミュシャに才能があったことは間違いないのですけど。出会いは大事ですね(^-^)