美観地区から阿智神社の石階段(東参道)を上って行き、手水舎にたどり着く手前辺りで見かけました。
石階段に沿う溝の土留めの役目をしている石材に穴があいていました。お城の石垣でも時々見かけますよね。これは「矢穴(やあな)」です。石を割る時に大活躍する穴です。
石を割る時、職人は「石目(いしめ)を見る」そうです。石目とは、岩石の割れやすい方向のことです。その石目にクサビを打って石を割るんだそうです。
「ノミ」と「石頭(せっとう:頭部の片側が平面で、もう片側が凸面になっているハンマー)」を使用して長方形の穴を岩に彫ります。これが「矢穴」になります。そこに鉄製のクサビ形の「矢」を打ち込んで岩を割るんです。
写真の「矢穴」はなぜ残ったのでしょうか? 「石目」があまりよくなかった等の理由で、時々このような形で残ることがあるようです。でも、土留めとしてちゃんと利用しているあたりがいいですよね。
この4つの「矢穴」の近くに、こんなものを見つけました。
木の根が石を突き破っているように見えます。そしてこちら。
溝に根が伸びています。すごい生命力ですね!溝には、少し上にある手水舎からの水が流れ込んで来ています。
手水舎には季節の植物が入れられています。いつもとても綺麗です。
「矢穴」近くのモミジです。まだ若い木でしたが、見事な紅葉でした。