夏と言えばカブトムシ、そしてクワガタムシでしょう。筆者の家ではこれまで数多くのクワガタ(カブトムシも)を飼ってきました。国産はもちろん外国産も。今思えば、貴重な経験ではありましたが、ほんとに大変な日々だったように思います。
外国産のクワガタが飼育ケースから脱走した時は震えたものです。国産と比べて外国産は大型で気性も荒いんです。うっかり角(大アゴ)で挟まれたら大変です。ちょっとした流血騒ぎになることもあるんです。室内で本気のクワガタ採集、鬼気迫るものがありました。室内に昆虫ゼリーを仕掛けたことも何度かあります…。
過去に経験したクワガタとの生活について話し出すと長くなるので、ぼつぼつ思い出しながら時々書いて行こうかと思っています。
さて、今回久々に本気で飼育するのは、コクワガタのメスです。近くの山から取ってきました。クワガタを採集する時期としては8月だと少々遅いのですが、いたらいいなぐらいの気持ちで探しに行きました。案の定、なかなか探し出すことが出来なくて、そろそろ帰ろうかと思った時に見つかりました。メスなのでクワガタ特有の大きな角(大アゴ)はありませんが、 貴重な一匹です。 よく見ると小さな角がちゃんとあるのですが、遠目から見ればほとんどゴキブリでしょうね。
実際、クワガタ取りをしていると、野生のゴキブリによく遭遇します。最初は衝撃的なのですが、数匹見たら慣れます。一々ゴキブリに反応していたら、クワガタ取りはできません。ホントです。
コクワガタはオオクワガタ属です。大型のオスになると、なかなかカッコ良く、オオクワほどではありませんが、存在感があります。今回取ってきたメスは、たぶんこの夏に成虫になったものと思われます。それは符節(フセツ)欠けがないからです。符節とは、昆虫の足の先のかぎづめのことです。符節は日々生活して行くうちに、徐々に欠損して行きます。このメスは、6本の足が欠損なく全部きれいに揃っていたので、この夏に成虫になったものと考えられます。
また、メスということで卵を産む可能性があります。さらに、一夏で終わりのカブトムシやノコギリクワガタと違って、コクワガタは越冬します。(※ちなみにオオクワガタやヒラタクワガタも越冬します。) というわけで、産卵と越冬を想定して、飼育ケースをセットすることにしました。
下の土はクヌギマットです。ペットショップで普通に販売されています。霧吹きで水をかけながら敷きます。下半分は固めるように押さえつけながら敷くことがポイントです。
そして産卵木(クヌギ)です。数時間水に浸したものを使用します。産卵木の下半分くらいをクヌギマットに埋め込みます。さらっと産卵木と書いてしまいましたが、クワガタは基本的に朽ち木の中に卵を産み付けます。メスの小さな大アゴで、朽ち木に産卵用の穴を掘って、産卵管を差し込んで産卵を行うのです。この時メスの小さな大アゴは大活躍します。オスの大きな大アゴより、メスの小さな大アゴの方が、力が強いのではないかと筆者は思っています。どうにかして大アゴの力の強さを計測してみたいものです。
後は、昆虫ゼリーと枯れ葉です。枯れ葉は特に無くても大丈夫ですが、より自然に近い形ということで意味があるかもしれません。
60㎝熱帯魚水槽、30㎝川魚水槽、コクワガタ飼育ケース、リビングの一角が生き物コーナーとなってきました…。