風が吹いているようですね。
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クロード・モネ(1840-1926)
『積みわら』1885
【鑑賞の小ネタ】
・「積みわら」の作品は複数あり
・積みわらにもたれる2人は誰か?
・元々は松方コレクションの1つ
・光と風の表現に注目
積みわらにもたれて座っている2人は、モネの後妻のアリス・オシュデと息子のミシェルと言われています。モネには、前妻のカミーユとの間に2人の息子がいて、長男がジャン、次男がミシェルです。カミーユは1879年に病死しています。
積みわらの後ろに見える並木は、ポプラ並木のようです。モネの家があるジヴェルニーには、立派なポプラ並木があったようですね。
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クロード・モネ
『ジヴェルニーのポプラ並木』1891
1885年前後には、大原美術館の『積みわら』と似たような構図で描かれた作品が複数あります。
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『ジヴェルニーの積みわら』1885
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『ジヴェルニーの積みわら』1884
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『積みわら、曇天』1884
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『ジヴェルニーの積みわら』1884-1889
ところで、藁(わら)とは、稲や麦の茎を干したものを言いますが、この絵の「積みわら」は、「積みわら」というよりは「干し草」かなと思いました。かなり大きな塊になってますしね。 印象派の画家ピサロの作品『干し草、朝、エラニー』に描かれている干し草にもよく似ています。
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カミーユ・ピサロ(1830-1903)
『干し草、朝、エラニー』1899
「干し草」とは、草を刈り取って乾燥させたもので、ライムギやクローバー、アルファルファ等が用いられるそうです。家畜の飼料になります。今日、規模の大きな牧草地では、干し草はトラクターによって「干し草ロール」となって転がっています。
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これはこれで絵になる「干し草」ですね。